今野直隆
NAOTAKA KONNO
MAGIC STICK/REVISEDのデザイナー兼ディレクターである今野直隆は、音楽、映画、ストリートカルチャーをマッシュアップして、ファッション業界、そしてストリートカルチャーに衝撃を与える。彼のエア マックスへの特別な思いや、今後に向けて進化していきたいこととは。
はじめて買ったAir Maxは?
高校の時に古着屋で買ったAir Max BWなのかな? 高校のときにダンスをやってる友達がいて、彼がAir Max BWの黒×青を履いていて。探したんですが全然売ってなくて、近所の古着屋で見つけました。20数年前の話。
ストリートシーンでのAir Maxはどんな存在?
とにかくダンサーとセットというイメージが強い。ダンサーのイケてる人たちがみんな履いていたから。身近にダンサーがいたので、Air Maxに関してはその影響がとても大きいです。メチャクチャ格好よくて。なんとなくのイメージでは「NIKEのスニーカーは『Boon』と共にあり」って感じ。そこから、レアものみたいな認識ができあがって、今の時代の、並ばないと物が買えない! という価値観を、東京のストリートカルチャーに植え付けたのがNIKEのスニーカーなんじゃないかと思います。
Air Maxを履いている時の気持ちは?
Air Maxはすごく好き。Air Max 1とAir Max 90のiDを初めて作ったのはNYでした。向こうに住所がないと申し込めなかったので、向こうに住所を持ってすぐにオーダーをかけて。エレファントパターンもリフレクターも使えて、こんなヤベーものないなって思って、毎日履いてました。だからAir Max 1とAir Max 90には特別な思いがあって、今でも履くとフレッシュな気持ちになります。
思い入れのあるAir Maxのモデルは?
Air Max 1とAir Max 90に思い入れはありますが、実は一番好きなのはAir Max PLUS。90年代後期くらいのNIKEのスニーカーがすごい好きで。あの頃のモデルはどれも好きです。ヨーロッパだとAir Max PLUSはTUNED 1って呼ぶみたいですね。パリでも別注カラーをたくさん見たし、今のファッションのトレンドで履くなら、Air Max PLUSが一番。
デザイナーになった理由は? デザイナーとは?
本当に自分の好きな服が世の中に売っていなかったから。自分が好きなものを全部作りたかった。洋服だけに限らず、大きく言っちゃうと、自分の生き方そのものをクリエイトしているっていうのが、デザイナーという仕事なのかな、と思います。自分で次のステップ、次のステップっていう風に考えて。こう動いたらこうなるはず、みたいな。そういう先を見た進め方っていうものが、デザインという部分に繋がってきます。
デザイナーのお仕事が自身に与えた影響は?
とりあえず打たれ強くなりました(笑)。やっぱりこういう仕事してると、叩かれることも多いので。でも、それもポジティブに捉えられるようになりました。ラッパーの誰かも言っていたけれど、文句を言われるうちが華だし。あとは、本当に考える力がつきました。先読みする思考が自分の中ででき上がってきて。服のことだけに限らず、人生プランの組み立てもです。今は一挙手一投足が、仕事だけに限らず、自分の人生や生活に全て直結するので。
何に一番刺激を受けている?
今はインターネットやSNSでいろんな情報をチェックできますが、結局のところ、本当に刺激を受けているのは、周りにいる人たちから。周りにいる自分のクルーと遊びに行ったときとかに思わされる、オッ! それすごいイイじゃん! みたいなところだったり。
お手本とする人は? または”常にこうありたい”という姿勢について。
お手本にしている特定の誰かっていうのはいません。常にこうありたいという姿勢は、「基本的に前向きに、ポジティブに考える」。なりたい自分を想像していたら、そうなれるんじゃないかと思っているんで。ただ、お手本にしている人ではないですが、ピカソの7つの助言というのにすごく喰らっていて、「思いついたことはできる」とかは影響を受けた言葉ですね。
今後、挑戦したいことは?
全くの異業種ですが、BARないしCLUBみたいなものを手掛けたい。大き過ぎないサイズで、人が集まりやすいコミュニティースペースを作りたいです。そこに色んな情報が集まって来て、色んな人たちがリンクして、新しいことが生まれるような。それはきっと自分にとってもメリットになるし、みんなに還元できることかなと。そこが次のステップだと思っています。
NIKEが主催する、彼を始めとした世界中のクリエイターとの特別な企画「VOTE FORWARD」が、間も無く始まろうとしている。3月18日、その全貌が明らかに。