
ナイキ X ステイプル
隠れた魅力
長年にわたってコラボレーションを展開してきたNikeとステイプル デザイン。2005年に登場したステイプル x ナイキ SB ダンク LOWのPigeonモデルが有名だが、コラボレーションはシューズ以外にも多岐にわたっている。ここでは、鳩をイメージしたオリジナルバージョンの復刻を記念し、ユニークなコラボ商品の完成までの道のりを、ジェフ・ステイプルとともに振り返る。

2004年
NAVIGATION PACK
現在は、スマートフォンを使ってシューズを購入すれば、ドローンが配達してくれる時代だ。だが、それ以前には電車、飛行機、車に乗って店まで出向いて購入していた。真のスニーカーコレクターは、究極の宝を求めて世界中を探し回る考古学者のようだった。そして、現代のコレクターのためにステイプルとNikeがデザインしたのがNavigation Pack。男性と女性の両方のコレクター向けに、エア バースト、ショックス NZ、エア マックス 90の3足をセットにしたコレクションだ。「レーザー加工」というNikeの画期的なテクノロジーが初めて使用された一般向けシューズの1つでもあった。それぞれのスタイルには、スニーカーカルチャーの中心都市であるニューヨーク、ロンドン、東京をイメージした特徴的なグラフィックが施されている。

2005年
エア リフト&コルテッツ レーザー
次にステイプルが取り組んだのは、一流ブティックで買い物を楽しむファッションに敏感な顧客をターゲットとしたシューズの製作だった。ここでは、アジアの伝統装飾を取り入れた。レーザー加工とタトゥーの技術には共通点が多いことから、日本古代の入れ墨技術を思わせるシューズをデザイン。随所にさりげなくディテールを散りばめ、レザーのソックライナーの全面にはレーザー加工を施した。

2005年
NIKE RECESS FEDERATION
ステイプルは、ニューヨーク市が抱える2つの問題に着目し、Nikeが解決策を提示できるのではないかと考えた。1つ目は、ニューヨークで屋内バスケットボールコートを見つけるのが極めて困難なこと。2つ目は、Nikeのバスケットボールシューズを愛用している人は多いものの、彼らが実際にボールに触れる機会はほぼないこと。そこから誕生したのが、ナイキ NRFだ。トレンドを動かし、影響力のある人たちが毎週集まり、地上最高のゲームを繰り広げる。そして翌日には、それぞれの職場でその様子を伝える。Nikeは、この取り組みに必要な場所を提供し、ジェフ・ステイプルがコミッショナーに就任。選ばれた100人には、さまざまな体験の場とつながりが提供された。この極めて希少なダンクシューズは、NRFの年間チャンピオンのトロフィーとして贈呈された。

2006年
NORDIC PACK
2006年にイタリア、トリノで開催された冬季世界スポーツ大会を記念して製作された、Nikeとステイプルのコラボレーションシューズ。エア スタブ、エア フォース 1、ダンク、コート フォースが入った非常に人気の高いパックだ。ウール素材、より糸を使ったシューレース、ソックライナーを飾るパスポートスタンプなど、シューズのあらゆる部分にヨーロッパの冬のスポーツのテーマが見てとれる。ウィンタースポーツのファンにぴったりの一足だ。

2007年
ナイキ SB WHAT THE DUNK
ナイキ ダンク SB LOWのWhat the Dunkモデルは、発売が最も期待されていたダンクの1つ。Nike SBの映像作品『Nothing But The Truth』のプレミアを記念して製作されたものだ。このシューズには、これまでに販売されたダンク SBの特長がすべて凝縮されている。近くで見ると、Luckies/Unluckies、Denim、Buck、Supreme HI/LOWなどに使われたパーツが点在しているのが分かる。