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SB Dunk X Staple Panda
デザイン誕生まで
最高のサプライズは、クリエイティブな「アクシデント」から生まれることが多い。そして、そんなアクシデントからは、人気のシューズが誕生することもある。今年初旬、オフィスの引越し作業をしていたデザイナーのジェフ・ステイプルは、ナイキ SB ダンク “Black Pigeon” の初期サンプルをInstagramに投稿。ブラック、ホワイト、グリーンの「テスト用」カラーが使われたシューズを、冗談で「パンダ」と形容した。この投稿はあっという間に広まり、世界中のスニーカーファンからシューズの発売を求める声が上がったのだった。
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「荷物をほどいて整理しなきゃと思ってたんだけど、Instagramで思い出を投稿しちゃったんだ。まるでカルチャーの歴史を語るようにね。僕のところにはたくさんの作品があるから」ジェフ・ステイプルは振り返る。「『パンダじゃなくてピジョンだよ』って、ちょっとふざけたキャプションを書いて投稿したら、爆発的に広まっていた」当初、ステイプルは「パンダ」バージョンのシューズを発売するつもりはなかったという。「11月に素晴らしいシューズが完成したばかりだったからね」彼は説明する。「次のシューズが出るのは10年後でもいいと思ってた」
だが、ステイプルは考えを変えた。きっかけは、ブラックのSB ダンク “Pigeon” の世界的な発売を記念したツアーに参加した時のことだ。中国で成長する当時のスニーカーコミュニティに刺激を受け、将来は別のツアーを行いたいと思った、と彼は振り返る。つまり、ステイプルの生まれた中国からスタートし、現在住んでいるニューヨーク市でゴールするツアーだ。パンダと中国、ピジョン(鳩)とニューヨーク市それぞれの関連性に気付いたステイプルは、SB ダンク “Panda” ですべてがつながったと感じた。
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「不採用になったサンプルは、80%ぐらい完成してたんだ」ステイプルは振り返る。「SB ダンク ‘Panda’ はピンクピジョンを使わない初めてのPigeonシューズで、代わりにバンブーグリーンが使われている。オリジナルバージョンが発売された時の新聞記事はコラージュして、透明なアウトソールの内側に配したんだ。外側のSwooshはホワイトで、内側のSwooshにはオリジナルバージョンのピジョングレーを使っているよ」
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また、別のディテールには、バンブーグラフィックをあしらったグリーンのインソールなども使用。シリーズ初期のバージョンに見られた内側の「SAMPLE」スタンプは、「STAPLE / NOT FOR RESELL」に修正されている。シューズはすべてクラシックなピンクのボックス付き。さらに、Staple x Nike SB “Panda” のアパレルからは、都市限定のさまざまなカラーが登場する予定だ。
「これは本当にファンのためのシューズだと思う」ステイプルは語る。「シューズを求める声がなければ、発売されることはなかったからね。ファンの意見によって実現したことがうれしいよ」
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