デザイン誕生まで
RETURN OF THE 1
1987年、エア マックス 1の登場によって、シューズの世界は一変した。この革新的シューズを生み出したのは、デザイナーのティンカー・ハットフィールド。ビジブルAir Maxクッショニングで、それまで見えなかったものを目に見える仕様に。誕生以来、多くの人の心をとらえてきたエア マックス。そのデザインは、毎日の生活に溶け込むカジュアルウェアとしてのニーズを満たしながらも、快適な履き心地を向上させるため、改良や変更が加えられてきた。
この変更や改良に対し、世界中にいるエア マックスの熱狂的ファンから、90年代後半から2000年代初頭の「黄金期」に使用されたシルエットを求める声が上がり始めた。そして、エア マックス 1の30周年記念バージョンの製作にあたり、Nike Sportswearシューズのデザインチームは、この誰からも愛されたシルエットを復活させることを決意する。
社内で幾度も議論を重ね、スニーカーコミュニティの意見を取り入れた結果、チームは2004年に販売されたエア マックス 1 “Urawa” を、記念バージョンにふさわしい形状とシルエットを持ったシューズと判断。スタンス、つま先の形状、ヒールのバンプ。このどれもが理想的だった。デザインチームは、これら3つの要素に焦点を合わせ、それぞれがベストの状態になるようミリメートル単位の精度でプロジェクトに取り組んだ。
記念バージョンであることを念頭に、チームは細部にまでこだわり抜き、1987年にリリースされたオリジナルのエア マックスをイメージしたディテールも取り入れた。トゥボックスのメッシュ素材、スリーピースのシュータン、フラットなシューレース。これらは30年前に販売され、すべての始まりとなった最初のエア マックス 1に使用されて以来の登場となる。
完成したシューズには、この復刻プロジェクトが、人々の声によって支えられた難しくもやりがいのあるチャレンジであったことが表れている。