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エア ジョーダン 16

デザイン誕生まで

エア ジョーダン 16のオリジナルモデルが誕生した2001年。マイケル・ジョーダンは情熱を注いだコートを離れ、既に2度目の引退期間に入っていた。それまで早朝から深夜までゲームに明け暮れていたジョーダンは、バスケットボールから離れて新たな挑戦に取り組もうとしていた。ティンカー・ハットフィールドの導きによってウィルソン・スミスがデザインしたエア ジョーダン 16は、そんな当時の状況をコンセプトに作られている。「ジョーダン2度目の引退という事実を踏まえた。活躍の舞台がバスケットボールコートから会議室に移るという視点によってアイデアが生まれたんだ」とスミスは語る。

エア ジョーダン 16は、多くの点で他の人気シューズと方向性が異なっていた。「丸みを帯びて波打つような、主張の強いシューズはたくさんある。『ならば直線的ですっきりとしたスタイルはどうか?』と思い付き、波形は捨ててもっとシャープな形状を考えたんだ」。デザインの大部分は、以前のモデルを参考にしながら改良を加えたもの。エア ジョーダン 16のデザインは、エア ジョーダン 15なしでは語れない。「エア ジョーダン 15の柔軟性をさらに高め、足の動きに自然にフィットするようにデザインした」と、プロジェクト創設期を振り返るスミス。「レイヤーを1枚減らして、足への密着度を高めようと考えたんだ」

エア ジョーダン 16の基本構想が固まると、オンコートでもオフコートでも履けるシューズというコンセプトが浮上してきた。「Jordanモデルはストリートでもコートでも愛用されている。だから複数のスタイルで併用できたらいいと思ったんだ」とスミスは語る。エア ジョーダン 16を斬新なデザインにするため、ティンカーが出したアイデアは「スパッツ」。後で「ゲイター」や「シュラウド」につながるコンセプトだ。「スパッツや直線的なラインなど、基本的なアイデアはティンカーが出してくれた。さあ良いアイデアは出揃った。でも実際どんな形になるのだろう?」とスミスは続ける。

アイデアをもとに、シャープで洗練された形状を作り上げるのはスミスの仕事。ディテールや機能性に至るまで、基本設計に沿ってデザインに取り組んだ。「ティンカーからたくさんのディテールを任された。彼の助言もあって、形を変えたり、複数の役割を果たしたりできるデザインが生まれたんだ」とスミスは振り返る。エア ジョーダン 16の靴底は、前足部のZoom Airクッショニングと、かかと部分に配したブロー成形のNike Airクッショニングで構成。スミスいわく、チームはビジブルAirのテクノロジーをさりげなく取り入れようと考えた。「あからさまではなく、デザインに馴染んだ形でビジブルAirを復活させたかった。それを実現できた初めてのジョーダンモデルになったんだ」

エア ジョーダン 16の革新性を増したWhite/Midnight Navyエディションは、いわゆる「ホーム」と「アウェイ」のコントラストを活かしたカラーウェイ。シュラウド付きのバージョンは、ホワイトをベースとしたホームカラーに。シュラウドなしのバージョンは、ミッドナイトネイビーを採用してアウェイカラーに。エア ジョーダン 16ならではのステータスを高めようと、このモデル専用の新しいロゴも作られた。極めてさりげなく、16の点や線で「Jordan」の文字を象ったロゴデザイン。どちらのカラーウェイでも、ミッドソールにこの新しいロゴが配置されている。

登場から約15年が経った今も、Air Jordanモデルで最もユニークなデザインのひとつとして異彩を放つエア ジョーダン 16。当時のマイケル・ジョーダンは、バスケットボールコートからビジネス界へと活躍の舞台を移しつつあった。2001年の復帰後、彼がコートで着用した最後期モデルのひとつがエア ジョーダン 16である。

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