ACG ドッグ マウンテン
デザイン誕生まで
オリジナルバージョンのACG商品は、本格的なアクティビティ向けにデザインされていたが、シューズ全体に鮮やかなカラー、躍動感あふれるパターン、大胆なロゴをあしらうなど、遊び心も忘れてはいなかった。誕生からしばらく経った今もそのデザイン用途と遊び心は変わっておらず、最新のACG ドッグ マウンテンでもそれらを引き継いでいる。アウトドアに対応する画期的なデザインでありながら、リラックスしたシルエット、鮮やかなカラー、人目を引くディテールでカジュアルな雰囲気をキープしたデザインだ。
シューズのデザインはアーロン・クーパーが指揮を執り、ティンカー・ハットフィールドのアイデアをもとに誕生した。多くの可能性を切り開いてきたパイオニアによるデザインだが、チームは真面目になりすぎないように注意していた。「製品について、そしてこの製品を着用するアスリートへの影響については真剣に考えていたけど、チーム自体は真面目になりすぎないようにしていたんだ。遊び心を入れることがとても重要だったからね」アーロンはデザインの初期段階を振り返って説明する。
遊び心の要素は、反転させたロゴを配した頑丈なアウトソールなど、シューズの考え抜かれたデザイン全体に見てとれる。自身もハイキングを楽しむアーロンは、トレイルに残された足跡から他のハイカーたちのシューズをチェックする癖があるという。「反転したブランドロゴは、ハイキングに出かけたときに思いついた。歩くのがきつくなって気をそらしたくなると、僕は自分より前に登った人たちの足跡を見る癖があってね」アーロンは説明する。「ブランドロゴを反転させたのは、土の上を歩いて足跡が残ったときに、ロゴが読めるようにしたかったからなんだ」
このデザインの最も遊び心に満ちた要素といえば、オレゴン州のコロンビア川渓谷に咲く春の花々とオリジナルバージョンのACG製品をイメージしたカラーだろう。鮮やかなカラーにより、楽しい雰囲気のデザインに使われたディテールにも視線が集まるようになっている。ディテールは、登山用ロープをイメージしたシューレースとSwooshのデザインなど。「シューレースのアイデアは登山用ロープから。そしてロープをフラットな素材に落とし込めないかと考えたところからSwooshの素材につながったんだ」シューレースに関する画期的なアイデアは、さらに他のパーツにも広がっていく。アッパーのアイレットは、ゴム製のハトメを使用し、シューレースをしっかりと固定できるようデザインされた。「片側からは簡単に引き出せても、もう片側からは引き出しにくい構造にしたかった。こうすればシューレースを結んだ状態をキープできるし、シューレースを結ばずにシューズを履きたいときにも便利だからね」完成したシューズでは、チームの「遊び心をキープする」という目標がさまざまな面で実現されている。反転したロゴから鮮やかなカラーにいたるまで、独創的なディテールと特長を備えた2018 ACG ドッグ マウンテン。これから先何年もAll Conditions Gear(すべての状況で使えるギア)の本質を語り継いでいくだろう。