血行をよくする簡単なウォームアップヨガポーズ10選
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血流を促進する10種類のウォームアップヨガポーズで、ヨガの効果を高めよう。
ウォームアップを目的とするヨガのポーズでは、軽度から中程度のストレッチを行う。これには、全身の血液循環を促し、ワークアウトに向けて体の準備を整える効果がある。 ウォームアップポーズは、背中全体、ハムストリング、首など、体のコアを伸ばすのに役立つ。 さらに、血流を増やして筋肉の損傷を防止するだけでなく、本格的な運動に向けて、呼吸のリズムを整えることができる。
ヨガと血流
アスリートが試合前に心拍数を上げるために行うウォームアップストレッチや有酸素運動と同じく、ヨガのウォームアップポーズには筋肉の柔軟性を高め、セッションに向けて心の準備を整えるという重要な役割がある。 アーサナ(ヨガのポーズ)は筋肉と結合組織を伸ばし、全身の血液循環を促進する。
血流を増やすヨガストレッチとは?
ヨガのスタイルやプラクティスは実にさまざまだ。 運動量が多くて人気のあるヴィンヤサヨガは、バランスポーズ、インバージョン、立位のポーズを組み合わせて心拍数を高めるようにできている。
血液循環を促す効果のあるアーサナは、胸部と胸郭を広げる姿勢が含まれているものだ。 その動きによって、極めて重要な循環器である心臓の周りのスペースが広がる。 たとえば、キャメル、ホイール、ブリッジ、ダンサーなどは、胸部を大きく開くポーズだ。
また、心臓が胸よりも高い位置に来るインバージョン(逆転のポーズ)も、脳に血液が流れて心臓にかかる圧力が軽減されるため、効果的だ。 このようなポーズの例として、ダウンドッグ、ショルダースタンド、ヘッドスタンドなどが挙げられる。
ヨガのポーズは循環系のさまざまな部位にアプローチするが、中には、筋肉の発達、バランスの強化、心肺機能の向上に効果的なポーズもある。
血流を促進する以下の10種類のウォームアップヨガポーズをプラクティスに取り入れて、ヨガの効果を高めよう。
1. キャットカウのポーズ(マージャラアーサナ/ビダーラアーサナ)
キャットカウは有名なウォームアップポーズだが、背中や脊柱の血液循環を促す効果がある。
手順:
- 両手と両膝を床につけ、つま先を伸ばして足の甲をマットにつける。
- 息を吸いながら頭を上げ、天井を見る。
- 息を吐きながら頭を下げる。 視線は太ももの間。
- 手のひらで床を押し、肩を伸ばして背中を丸める。
- 呼吸に合わせて、ゆっくりと数回繰り返す。しっかり体をコントロールすることを意識しよう。
2. ダウンドッグのポーズ(アドームカシュヴァーナーサナ)
ダウンドッグは、心臓が頭より高い位置に来るため、脳と上半身の血流が増える。 脚、腕、肩のストレッチ効果があるため、ヨガのクラス全体を通して何度も行われる、おなじみのインバージョンだ。 また、アーサナの合間に呼吸を整えてリセットするのにも役立つ。
手順:
- 両手と両膝を床につける。
- 膝を浮かせて脚の裏側を伸ばしていき、かかとを床につける。
- 足裏全体をできるだけ床につけたまま、脚を伸ばしていく。
- ヒップをが天井を向くように押し上げる。
- 手のひらでマットを押し、親指と人差し指に力を入れる。
- ゆっくりと呼吸する。
3. マウンテンポーズ(タダーサナ)
これもシンプルな立位のポーズだが、体内の血液循環を促して動脈への血流を増やすのに効果的だ。
手順:
- 足を腰幅に開いて立つ。
- 頭、肩、お尻を一直線にする。
- 手を体の横につけ、手のひらを正面に向ける。
- 上腕二頭筋が耳の横にくるように、ゆっくりと腕を上げる。
- 腕が上がっても肩甲骨は持ち上がらないよう、耳から遠ざけるように押し下げる。
- 呼吸しながら、この姿勢を30秒ほど維持する。
4. ショルダースタンドのポーズ(サルヴァンガーサナ)
ショルダースタンドは、背中を床に付けたまま脚を頭の上にあげるインバージョンだ。 重力を利用し、脚から心臓や脳に向けて血液を流す。
手順:
- 仰向けになる。
- 膝を曲げ、脚をゆっくりと上半身の上に持ち上げる。
- 脚を上げたまま、まっすぐ伸ばす。
- 手で背中を支え、肘を床につける。
- 手でゆっくりと上半身を押していき、全身を後方に向けて動かす。
- 肩だけで体のバランスを取っている状態になる。
- 胸部が自然とあごに押し付けられる。
- 視線は心臓に向ける。
- このポーズを30秒維持し、ゆっくりと体を下ろす。
5. レッグスアップザウォールのポーズ(ヴィパリタカラニ)
壁に沿って脚を上げるポーズ。疲労回復のヨガポーズとして広く取り入れられている。 このアクティブストレッチは、ふくらはぎや足への血流と血液循環の促進に役立つ。 ヒップから上半身、頭へと血流が促されるため、一日中座っている人に効果的だ。
両脚や腰の可動域が狭くなっている人は、椅子の上に毛布を置き、 床に仰向けになって、壁に脚を上げるのではなく椅子にふくらはぎをのせるとよい。
手順:
- 壁の近くで仰向けになる。
- ヒップをできる限り壁につけ、壁を歩くように脚を上げる。
- 体がL字型になる。
- 腕は体の横に置く。
- 体を支えるために、腰の下に枕を置いてもよい。
- このポーズを10分ほど維持する。
- 深呼吸する。
6. ローランジのポーズ(アンジャネーヤーサナ)
ローランジのポーズは、下半身への血流を増やすダイナミックストレッチだ。 体が伸びているのを実感しながら、徐々にヒップの柔軟性を高めることができる。
手順:
- 背筋を伸ばして立つ。
- 右足を大きく後ろに引いて、かかとを上げ、つま先だけを床につける。
- 右膝を床につける。
- 左右のヒップが同じ高さに揃い、真正面を向いているようにする。
- 息を吸いながら胸を上に向け、腕を耳の横まで上げる。
- 視線を前方に向ける。
- 息を吐きながら、手を床に下ろす。
- 呼吸に合わせて数回このポーズをした後、左右の脚を入れ替える。
7. チェアポーズ(ウトゥカターサナ)
チェアポーズには、脚、臀部、腰への血液循環と血流を促す効果がある。 また、太ももの筋力と持久力を鍛えるのにも役立つ。
手順:
- 足裏を床にぴったりとつけて立つ。
- 両足を平行にして腰幅に開くか、左右を揃えて親指どうしをつける。
- 膝を曲げ、かかとに体重をかけながら腰を下げる。
- 尾骨を引っ込めて、椅子に座るときのように臀部を下に向ける。
- 天井に向けて両腕を上げ、上腕二頭筋を耳に寄せる。
- 視線をヨガマットの先端に向ける。
- この姿勢を維持しながら、数回呼吸する。
8. スタンディングフォワードベンドのポーズ(ウッタナーサナ)
前屈はシンプルな運動だが、消化機能の改善、肝臓と腎臓の活性化などさまざまなメリットがある。 これを立位で行うスタンディングフォワードベンドでは、胸部の重要な臓器や腺に血液を流すことができる。
手順:
- 脚を腰幅に開いて立つ。
- 天井に向けて両腕を上げる。
- 背筋を伸ばしたまま腰から前屈し、上半身を膝の方に倒していく。
- 手を床につけて体を支える。
- 膝は曲げないようにする。
- 鼻を少しずつ膝に近づける。
- この姿勢を維持しながら、数回呼吸する。
9. ローカストポーズ(シャラバーサナ)
ローカストポーズは、背骨周りの筋肉を鍛えたり伸ばしたりするために役立つ全身ストレッチだ。 姿勢を改善し、血流を促す効果がある。
手順:
- うつ伏せになり、両腕を体の横につけ、脚を揃える。
- 背中で手を組み、息を吐く。
- 息を吸いながら肩と脚を上げる。
- この姿勢を維持しながら、数回呼吸する。
- 肩と脚を下ろし、息を吐く。
- この動きを繰り返す。息を吸うとき、胸、腕、脚を前回より高く上げるようにする。
10. ブリッジポーズ(セツバンダーサナ)
ブリッジポーズは、リラックス効果と疲労回復効果があるため、通常はヨガクラスの終盤で行われる。 このインバージョンでは、頭、肺、腹筋、消化器官への血流を増やすことができる。
手順:
- 仰向けになり、両腕を体の横につける。
- 膝を曲げて足を体の方に動かし、かかとを臀部に近づける。
- 息を吸いながら、足で床を押し、ヒップを天井に向けて上げる。
- 体を上げているときは、膝を外に広げずに平行にする。
- 息を吐きながら、椎骨を1つずつ床につけるように、ゆっくりと体を下ろす。
- 支えが必要な場合は、尾骨の下にブロックを置く。
- この姿勢を維持しながら、数回呼吸する。この動きを繰り返す。
ウォームアップヨガポーズを日々のルーティーンに取り入れよう
毎日欠かさずヨガに励めば、体内の血流と血液循環を改善することができる。 一日のほとんどの時間を座って過ごしている人は、こまめに立ち上がって休憩をとるようにしよう。 ここで紹介したウォームアップポーズは、体を動かす前の準備運動として効果的だ。 動いているときは、リラックスして落ち着いた状態を保ち、ゆっくり呼吸しながらポーズを取ることを意識しよう。