エキスパートが教える、リラックスに効果的な4つのヨガポーズ

ヨガ

ストレスレベルを下げるヨガポーズでリラックスしよう。

最終更新日:2022年7月25日
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エキスパートが教える、リラックスするための4つのヨガポーズ

世界中で多くの人がストレスから悪影響を受けているが、その度合いは人それぞれだ。 幸いなことに、感情的、肉体的な緊張を解消する方法がある。ヨガプラクティスもその一つだ。

ストレスレベルを下げる方法は、適切な睡眠習慣の定着から感情的な問題への対処まで多岐にわたるが、重要なのは単にリラックスする頻度を増やすことだと、精神科医リーラ・マガビ医学博士(カリフォルニア州ニューポートビーチの地域精神科医長)は言う。

「いろいろな意味で、リラックスするにはスキルが必要です」とマガビ博士。 「心身をリセットするアクティビティで、1日の終わりに元気と活力の回復が感じられるように努力する必要があります」

そこで役立つのが、ヨガだ。 学術誌『International Journal of Preventive Medicine』の研究によると、ヨガは治療の補完としても利用できる。 研究の結果、ヨガに不安、ストレス、うつの軽減効果が認められた。 学術誌『Journal Stress & Health』に発表された別の研究によると、定期的にヨガを行うことで、ストレスの多い状況でも動じなくなり、リラックスレベルとセルフコンパッション、意義や目的に対する意識の向上が見られた。

Hilton Head HealthでRYT(ヨガ認定資格講師)としてヨガインストラクターを務めるベネディクト・ガドロンは、心と体のつながりを強化しようと思っていない人にとっても、ヨガはリラックスする方法として使えると指摘する。 疲れ果てたときや打ちのめされたとき、深呼吸しながらの動きとマインドフルネスの組み合わせによって、強力なリセット効果が働くからだ。 たとえば、学術誌『International Journal of Preventive Medicine』の解説記事によると、ヨガの呼吸法で一連のポーズをこなすことで、血圧が下がり、闘争・逃走反応に関連するホルモンであるコルチゾールのレベルも下がる。

リラックスするためにヨガのプラクティスを始めたい人向けに、以下のポーズとヒントを紹介しよう。

  1. 1.チャイルドポーズ

    エキスパートが教える、リラックスするための4つのヨガポーズ

    パワーヨガを含め、どのヨガクラスに行っても、チャイルドポーズはセッションのどこかに取り入れられていることが多い。 大体、休憩を取る方法として教わるはずだ。

    • まず両手と両膝をテーブルトップのポジションに。手は肩の真下に、膝の間隔は腰幅と同じかそれよりも広めにする。 両膝を広げて足の親指をくっつける。

    • 息を吐きながら、腰をかかとの方に降ろしていく。 お腹を両腿の間に固定し、額をマットにつける。

    • 両腕を前に向かって伸ばす(手のひらは下向き)か、両脇に沿って伸ばす(手のひらは上向き)。

    • しばらく静止して呼吸に意識を集中する。
  2. 2.両脚を壁に上げるポーズ

    ガドロンによると、「逆転のポーズ」とも呼ばれる。頭が足の下に来るからだ。 「体が完全に固定されているので、神経系の鎮静効果があります」とガドロンは説明する。

    • 仰向けに寝て、伸ばした両足を壁に押しつける。 腰も揺すりながら壁に押しつける。

    • 10〜15呼吸、静止する。

    ハムストリングがきつくて違和感があれば、壁から約15cmほど離れて両膝を曲げ、ふくらはぎではなくかかとを壁に付ける。そうすれば、ハムストリングにかかる緊張が緩和されるはずだ。 腰に問題を抱えている人は、畳んだタオルを下に置くと、背中への圧迫を軽減できる。それでも腰が痛いようなら、他のポーズを行おう。

  3. 3.仰向けのピジョンポーズ

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    臀部の筋肉は、硬くなっていることが多い。特にアスリートではその傾向が顕著だ。そのために、や他の部分に緊張が加わることもある。 その緩和に効果があるのが、ピジョンポーズだ。 背中を床に付けてこのポーズを取ると、リラックス効果が高まる。

    • 仰向けになる。

    • 左足を右の大腿四頭筋(腿の前面と側面にある筋群)の上に重ね、右膝を曲げる。

    • 右足の後側をつかんで、ゆっくりと胸に引き寄せる。

    • 心地良く伸ばされているのを感じながら、30秒間静止する。 慣れてきたら、1〜3分間静止してみよう。

    • 反対側の脚で繰り返す。
  4. 4.スパインツイスト

    エキスパートが教える、リラックスするための4つのヨガポーズ

    体を優しくねじると、背中と首の緊張がやわらぐ。 ポイントは、心地良い範囲でねじるのを止めて静止すること。無理して限界まで挑戦するのは禁物だ。

    • 仰向けになる。

    • 両膝を胸に引き寄せて抱える。両膝を片側に下ろしながら、上半身は反対側にねじる。 両肩は床に付けたままにする。

    • 両膝と臀部を一直線に保ったまま、床に倒す。胸はできるだけまっすぐ天井に向けたままにし、視線も天井方向に。 首もストレッチしたければ、違和感がない範囲で、膝と反対側に向けよう。

    • 1〜3分ほど静止して、反対側も繰り返す。

ヨガでリラックスするための4つのポイント

ガドロン曰くどのポーズをやっても安心感と活力が得られるそうだ。ここからは、リラックス効果を高めるポイントを紹介しよう。

  1. 1.ポーズを3〜5分ほど維持する。

    陰ヨガでは、一連のポーズをゆっくりとしたペースでとり、じっくり固定することにフォーカスしている。具体的には、3〜5分ほどポーズを維持する。 学術誌『PLoS ONE』に投稿された論文によると、陰ヨガを5週間継続した結果、深い睡眠や不安の軽減など、生理学的なメリットと心理学的なメリットの両方が得られたことがわかった。

  2. 2.習慣づける:

    「リラックス状態は体を動かすことで得られるものですが、それを始めるのは脳の働きです。そして、脳は自動的なプロセスを好みます」と指摘するのはロサンゼルスのCenter for Mindful Livingの共同創設者であり、『Uncovering』の著者でもあるエリシャ・ゴールドスタイン博士だ。

    「脳は予測可能であること、馴染み深いことを強く求めます。リラックスにつながる習慣を新たにつけて繰り返していくうちに、脳の働きによって、気持ちが落ち着くまでの時間が短くなっていきます」

  3. 3.息を吸うときよりも時間をかけて吐く:

    これはとてもシンプルなリラックス方法なので、ストレスを解消したくなったらいつでも実践できる。 ヨガのポーズを維持しているとき、穏やかな気持ちが深まる。そうした安心感が得られるからこそ、ポーズをもっと長く続けたくなるのだ、とガドロンは指摘する。 息を吸うのは4拍、吐くのは6拍と決めておくと簡単だ。

  4. 4.夜のルーティンを作る:

    ゴールドスタイン博士によると、夜寝る前に毎回同じルーティンをすると、早く眠れるようになる。 決められたアクションをすることで、ある習慣や行動を取るよう、脳に学習させるからだと、ゴールドスタイン博士は説明する。 たとえば、寝る前にチャイルドポーズを行う習慣をつければ、そのポーズを取るだけで緊張が解かれ、眠気がさすようになるのだ。

    文:エリザベス・ミラード

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公開日:2022年4月28日