ストレス解消に効く9つのヨガポーズ
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不安が忍び寄ってきたとき、うまく対処するにはストレス解消に効くヨガがおすすめ。 静かな場所で、深い呼吸を意識しながら、ここで紹介する9つのポーズを試してみよう。
生きている限りストレスは避けられないものだが、生活の中で感じるストレスや不安は、どんどん増しているように感じられる。 そして多くの場合、こうしたストレスは筋肉の凝り、気力の低下、頭痛、抑うつ、集中力の低下などの症状を導く。 いずれの症状も、最高の気分で高いパフォーマンスを発揮することにつながらない。
瞑想、食事の改善、運動、十分な休息など、ストレス解消法は数多くあるが、 『International Journal of Yoga』に発表された2007年の調査によると、特にヨガには、ストレスや体の痛みを緩和する効果が期待できるという。
ヨガをつかさどるもの
たとえば、ヨガの最も一般的なスタイルであるハタヨガは、控えめな動きをゆっくりしたペースで行うため、初心者のストレス解消に適している。 ハタヨガ(一般的なヨガ)に欠かせないポイントは以下のとおり。
- ポーズ(アーサナ):簡単なものから難しいものまで、バランスの向上、筋力の強化、ストレッチに着目したさまざまな動きがある。
- 呼吸(プラーナヤーマ):ポーズからポーズへ移行するとき、動きに合わせて息を吸ったり吐いたりすることで、体を落ち着かせ、心を鎮めて、今の状態に集中できるようになる。 鼻から吸う呼吸に意識を向けることで、リラックスでき、不安が和らぐ。
- 瞑想(ディヤーナ):多くのヨガクラスでは、クラスの始めと終わりに、完全な静寂の中で床に座るか横になる。 これは、体と心の今の状態に意識を向け、プラクティスに完全に集中できるようにするための訓練。
ヨガの呼吸とポーズは、ストレス解消に役立つだけでなく、体の緊張をほぐす効果もある。 より理解度が深まるよう、ストレス解消に役立つポーズをリストアップしたのでチェックしてみてほしい。
ここで紹介するのは、エネルギーの回復に役立つシンプルな動きで、ヨガに熟練していなくても行えるポーズ。 頭痛や不眠の解消、神経系やリンパ系の修復など、ポーズごとにそれぞれ健康効果がある。
ストレスに最適なヨガポーズ
1.チャイルドポーズ(バラーサナ)
チャイルドポーズでは、ヒップ、太もも、足首のストレッチができ、背中や首の痛みを緩和できる。 体をリセットさせるためによく行うヨガポーズで、強度の高いポーズの後に体を休ませたいときや、クラスの終わりに取り入れる。
- 膝を床につき、かかとの上に腰を下ろす。
- 上体をゆっくり前に倒していき、額を床に、胸を太ももにつける。 必要に応じて、尾てい骨の下にクッションかヨガブロックを置く。
- 腕は体の横でリラックスさせるか、手のひらを下に向けて前方に伸ばす。
- 鼻から深く息を吸って吐く。
- この姿勢を数分間キープする。
2.ダウンドッグのポーズ(アドームカシュヴァーナーサナ)
これは特に一般的なヨガポーズの一つ。 ダウンドッグは、全身のストレッチと血行の改善が期待できる。
- ヨガマットに膝を下ろし、四つんばいの姿勢からスタート。 両手は肩幅に開いて床に置き、両足は腰幅に開く。
- 手のひらを床につけたまま、指先で床を押し、前腕を前方に向ける。
- 上腕二頭筋を前に向け、指を大きく開いて、腕を前方に回転させる。
- 深く呼吸し、つま先を前方に引き、腰を伸ばしながらできるだけまっすぐに保つ。
- 首をリラックスさせ、頭の力を抜いて垂らすようにする。
- 肩甲骨を数回、回す。 息を吸いながらつま先を立て、吐きながらお尻を持ち上げる。
- この姿勢を1分以上キープする。
3.長座前屈(パスチモッターナーサナ)
長座前屈は、特によく行うヨガポーズの一つで、背骨、腰、ハムストリングのストレッチに効果的。 コブラのポーズやラクダのポーズなど、背中を曲げて胸を開く動きとは反対のカウンターポーズとして最適だ。
長座前屈を行うことで、消化機能が改善したり、月経前症候群(PMS)や更年期障害の症状が軽くなったりすることもある。
- 床に座り、両足を前に伸ばす。
- 息を吐きながら顎を引き、背中をまっすぐにしたまま、上体を前方にゆっくり倒し、頭を膝やすねに近づけていく。
- 可能であれば、手で足の裏かむこうずねをつかむ。
- この姿勢を10秒以上キープし、ゆっくり上体を起こす。
- 必要に応じて何度でもこの動きを繰り返してよい。
4.立位前屈(ウッタナーサナ)
このポーズは、立って行うという点を除けば、長座前屈とまったく同じ動きだ。立って行うため、ハムストリングのストレッチにより効果がある。
- 左足と右足はつけるか、近づけた状態で立つ。
- ゆっくり上体を前に倒し、手を床につける(またはできる範囲で手を床に近づける)。
- 息を吐き、膝は可能なら、力を抜いたまま伸ばしてキープする。
- 手のひらが床につかない場合は、ヨガブロックを使うか、適宜膝を曲げる。
- この姿勢を10秒以上、または呼吸を数回繰り返す間キープし、ゆっくり上体を起こす。
5.ハーフショルダースタンド(サルヴァンガーサナ)
このポーズは脚を心臓より高い位置に持ち上げるため、血行が促され、睡眠や気分の改善にも効果的。
このポーズを簡単にした変形バージョンでは、体の支えとして壁や枕を使う。 この変形バージョンを「壁に脚を上げる」ポーズ(ヴィパリタカラニ)と呼ぶ。
- お尻を壁に近づけて仰向けになる。
- 脚を壁に沿わせて上げていき、壁と平行にする。膝は力を抜いたまま伸ばす。
- 背骨はまっすぐに保ち、床から浮かないようにする。 痛みを感じる場合は、腰を壁からより遠くへ離し、膝を少し曲げる。
- 腕は体の脇に置いたまま、目は閉じてもよい。
- 鼻で呼吸を続けること。
- この姿勢を1分以上キープする。
6.安楽座(スカーサナ)
安楽座は脚を組んで床に座るだけのポーズ。 床に座って先生の読み聞かせを聞いた、幼かった頃を思い出そう。
- 背筋を伸ばしてヨガマットに座り、脚を前方に伸ばす。
- 両膝を曲げ、右膝の下に左足を入れる(背骨が楽に感じるよう脚を組み替えてもよい)。
- 背筋をまっすぐにし、頭と首を一直線に保つ。
- この姿勢を1分以上キープし、脚を組み替える。
注意:膝や腰、背中に痛みがあるときは、このポーズは控えたほうがいいかもしれない。
7.屍のポーズ(シャバーサナ)
シャバーサナは通常、ヨガクラスの最後に行う。心を落ち着かせ、体をクールダウンさせて、あらゆる緊張を解きほぐすポーズだ。 ストレスを緩和する他のポーズと同様、目的は回復とリラックス。
- 仰向けに横になり、両足をヨガマットの幅に開く。
- 完全に力を抜いて、つま先を外側に向け、腕は両脇に置き、手のひらを上に向ける。
- まっすぐ横になって、頭、首、肩が背骨に対して一直線になるようにする。
- 鼻で深い呼吸を続ける。雑念を払い、5分以上この姿勢をキープする。
8.ハッピーベイビーのポーズ(アーナンダバラーサナ)
ハッピーベイビーの目的は、背中、お尻、内ももの筋肉を伸ばし、疲労を軽減すること。 シャバーサナと同様、ヨガクラスの最後によく行うポーズだ。
- まず、仰向けになり、脚を天井に向けて伸ばす。
- 膝を曲げて上体に近づけ、手で足の外側をつかむ。 ここで、腰や尾てい骨が床から浮きそうになったら、床につけるよう意識すること。 このポーズでは、背骨全体を床につけておくことが大事だ。
- 気持ち良ければ、左右にゆっくり体を揺らすとお尻や腰回りのストレッチ効果が高まる。
- 鼻でゆっくり呼吸を繰り返し、この姿勢を1分以上キープする。
9.キャットカウ(チャクラヴァカーサナ)
2つの姿勢を組み合わせたキャットカウポーズの目的は、ゆっくり呼吸を繰り返しながら背骨をストレッチすること。 背骨の柔軟性を高める効果があり、ヨガのウォーミングアップとして、またリラックスフローで取り入れられることが多い。 背骨を意識して行うため、腰椎椎間板を強化でき、血行が良くなり、背中の痛みが軽くなる。
- まず、四つんばいのテーブルトップのポーズで、手を肩の真下、膝を腰の真下に置く。
- 首は長くニュートラルに保ち、ヨガマットの前方に視線を向ける。
- 背中をゆっくりと丸めて背骨を天井の方向に押し上げる。 息を吸う。
- 頭を上げて上を見上げ、背中にくぼみができるよう、お腹を床の方向に落とす。 息を吐く。
- 2つの姿勢を交互に繰り返しながら、数分間呼吸を続ける。
ストレス解消に役立つ瞑想ヨガのヒント
- 呼吸に意識を集中させる。 鼻で呼吸するよう意識する。
- マイナスの思考を排除する。
- 余計なことを考えていると気付いたら、もう一度呼吸に集中し、今の状態に意識を向けるようにしよう。
- 各ポーズを取りながら体の声を聞こう。左脚と右脚で、伸ばしたときの感覚に違いはないだろうか?
ここで紹介したポーズのほかにも、リラックスに役立つヨガはある。 たとえばヨガニードラは、深いリラクゼーションとストレス緩和を促し、眠りへと導く一種の瞑想だ。 詳しいヨガのガイドや瞑想のヒントが満載のNike Training Clubアプリをダウンロードしよう。
ヨガ以外でストレスにうまく対処するため、改善できるところはないか、ライフスタイルを見直そう。 たとえば、一日に何度か短い休憩を取ってストレッチをするために、スマートフォンでアラームをセットする、自然食品を選んで食べる、睡眠時間を最低7時間確保するといったことだ。