柔軟でしなやかな体を手に入れるための9つのヨガポーズ
スポーツ&アクティビティ
ヨガの柔軟性は、一貫した動きを繰り返すことで時間をかけて獲得するものだ。 これから紹介する9つのポーズをプラクティスに取り入れて、しなやかな体を目指そう。
ヨガを定期的に行うことには、睡眠の質の改善、不安の緩和、柔軟性の向上といった明確なメリットがある。 また、柔軟性を高めることで、可動域の拡大、関節の柔軟性アップ、背筋の強化など、健康面での極めて大きな利点も得られる。 さらに、ヨガには以下のような効果もあることが研究によって示されている。
しかし、ヨガの柔軟性は、一貫した動きを繰り返しながらバランスとスタミナを手に入れることにより、時間をかけて獲得するものだ。 バランスを取りながらヨガのポーズをキープすることで、集中力が増し、安定感が生まれる。さらに、時間をかけるほど繰り返しの動きを支える筋肉の強度が増してくる。
柔軟性の向上に最適なヨガポーズ
正しい姿勢で特定のヨガポーズのトレーニングをすると、柔軟性が高まり、体を痛めることがなくなる。 通常は、ヒップ、ハムストリング、肩といった特定の筋肉にターゲットを絞って実行していく。 これらの部分は、一日中デスクの前に座りっぱなしでいるような日常の行動の影響を受けやすいためだ。
柔軟性の向上を目指して取り組むときは、焦ったり、急いで限界を押し上げたりしてはいけない。 このような行動はケガのもとだ。 その代わりに、毎日欠かさず練習して、ポーズのキープ時間を数秒ずつ伸ばすようにしよう。 まずは、始めやすい最も一般的なポーズを紹介しよう。
1.仰向けで足の親指をつかむポーズ(スプタパダングシュターサナ)
ヨガを通じた柔軟性の向上に取り組むときは、ポーズを取りやすいようにブロックやストラップを使用すると、楽に進められるようになる。 仰向けで足の親指をつかむポーズを行うときは、ストラップがハムストリングにかかるプレッシャーを和らげてくれる。- 仰向けになり、膝を曲げ、足裏をマットにつける。
- 右膝を持ち上げ、ストラップを土踏まずに巻きつける。
- 左脚を床に沿ってまっすぐ伸ばす。
- 右脚をゆっくり天井に向けて持ち上げ、伸びを感じながらできる限りまっすぐ伸ばす。 ハムストリング、ヒップ、ふくらはぎで伸びが感じられるはずだ。
- 脚を高く上げることに意識を向ける必要はない。ポイントは、ストラップの両サイドを手でつかみながら可能な限りまっすぐな状態をキープすることだ。
- 呼吸を数回繰り返した後、右脚をゆっくりと下ろし、ストラップを左脚に巻き、同じ動作を繰り返す。
2.コブラポーズ(ブジャンガアーサナ)
シンプルでありながらパワフルなこのポーズは、初心者に最適だ。 コブラポーズは、脊柱を緩めながら背中をストレッチし、強化することを目的としている。- 腹ばいになり、つま先まで床に沿ってまっすぐ伸ばすようにする。
- 肘を曲げて、両腕を肩からまっすぐ下に置き、手のひらを床につける。
- 息を吸いながらゆっくりと胴体を押し上げて床から離し、首は自然な状態にする。目線は上げずに、床に落としたままにする。
- 息を吐いて、胸をおろし、元の状態に戻る。
- これを数回繰り返す。
ヒント:初心者や背中に痛みがある人は、ベイビーコブラから始めるとよいだろう。ベイビーコブラでは、腕を完全に伸ばすのではなく、肘を曲げた状態で肋骨の脇に添え、上半身を半分程度までゆっくり押し上げる。
3.弓のポーズ(ダヌラーサナ)
さらに集中して背中をストレッチするために、弓のポーズをヨガのルーティンに加えよう。弓のポーズは、前面のストレッチ効果が期待できるうえ、背中も強化できる。- 腹ばいになり、腕を体の脇に置き、手のひらを天井に向ける。
- 膝を曲げて、かかとをおしりのところまで持ってくる。
- 手を後ろに伸ばして、手で足首をつかむ。
- 手でつかめない場合は、ヨガのストラップ、シート、薄いタオルを使おう。
- 息を吸いながら、太ももをゆっくりと床から持ち上げて、かかとをおしりから引き離す。 これにより、自然と胸が持ち上がり、背中が後ろに引っ張られる。
4.ワシのポーズ(ガルーダアーサナ)
ワシのポーズは、持久力、バランス、体力の獲得を助けるだけでなく、肩や上背部のストレッチ効果が期待できる。 このポーズは練習を必要とするため、すぐにポーズをうまく取れなくても落ちこむ必要はない。- 足を床にぴったりつけて立ち、腕は両サイドにおろす。
- 可能な場合:左足を持ち上げ、右すねのところでクロスする。背筋を伸ばしたままかがむ。
- 左腕を右腕の下にしてクロスし、手が顔に近づくように肘を曲げる。
- 肘から先が床と垂直になるようにする。
- この時点で、肩甲骨に伸びが感じられる。
- 両手のひらを合わせて押し、指先は天井を指すようにする。
- 腕は絞り、手のひらは押し合わせる。
- この姿勢を15秒から30秒キープする。その後、足と腕を組み替える。
ヒント:始めは腕のクロスだけにするとよいだろう。脚のクロスとバランスの部分は別に機会に取り組んでもよい。
5.立位前屈(ウッタナーサナ)
柔軟性という面で考えると、立位前屈はおそらく最も一般的なポーズだろう。比較的シンプルなやり方で脚の裏側、上背部、下背部、首をストレッチできるからだ。- 足を床にぴったりつけて立ち、手をヒップに置く。
- 息を吐いて、腰からではなくヒップから前に倒す。膝は伸ばしたまま(ロックしないで)キープするが、必要な場合は少し曲げる。
- 手のひらまたは指先を床につけるか、手を首の後ろに持っていき、上半身に重みをかけてより深く伸ばす。
- 首は力をぬいて垂らし、目線は太ももの間にもっていく。
- 30秒から60秒ほどポーズをキープする。
ヒント:上半身を前に倒すときは、ヒップが足首の上にくるようにして、膝を少し曲げる(ハムストリングが引っ張られ過ぎている場合は、膝を大きく曲げる)。 このポーズのときに、手で反対側の肘をつかみ、胴体をリラックスさせ、左右に揺らす。
6.座位の開脚前屈(ウパヴィシュタコナーサナ)
このポーズは、太ももの内側とヒップのストレッチに最適だ。 背中を丸めて前屈するのではなく、背筋を伸ばすように心がけよう。 脚はまっすぐキープするが、必要な場合は曲げてもよい。- 床に座った状態からスタートし、脚を前方にV字型に大きく広げる。
- 腕を頭上に伸ばし、背筋を伸ばしながら前屈する。
- 息を吐く。
- 足先に手を伸ばす。 手が足先に届かない場合は、すねまたは足首をつかむ。
- それぞれの足にストラップをかけて引っ張り、胴を足に近づけてもかまわない。
- 息を吸って、脚またはつま先に向かって手を伸ばし、息を吐く。
7.ダウンワードフェイシングドッグ(アドームカシュヴァーナーサナ)
ダウンドッグとしても知られる下向きの犬のポーズは、ヴィンヤサヨガで人気のアーサナだ。呼吸をリセットし、束の間の休息を与えてくれる。 また、脚の裏側、ふくらはぎ、肩のストレッチにも最適だ。- 四つんばいのテーブルトップのポーズで、手を肩の真下、膝を腰の真下に置く。
- 膝を床から持ち上げて脚をまっすぐ伸ばし、足裏を床につける。
- 手のひらを床につけ、腕もまっすぐ伸ばす。
- 上腕二頭筋が耳の横にくるようにして、肩甲骨の伸びを感じる。
- ペダルを踏むように足をゆっくり動かし、かかとを交互に床につけるようにする。
- 呼吸を続け、この姿勢のままで少なくとも5回呼吸を繰り返す。
8.ピラミッドポーズ(パールシュヴォッタナーサナ)
このポーズでは、ハムストリングやヒップの深いストレッチが可能だ。 ポーズを取りやすいようにブロックを使ってもよいだろう。- ダウンワードフェイシングドッグ(上記参照)から、右足を両手の間に踏み出し、ランナーズランジポーズを取る。 両方の足先がマットの前方を向いた状態にする。
- 左のかかとをおろして、右側に45度回転させる。
- 両脚をできるだけまっすぐ伸ばす。背筋を伸ばし、息を吸いながら、おでこを右すねに近づける。 (必要であればブロックに手を乗せる)
- 息を吐いて胴体を右ひざに近づける。
- 呼吸を5回繰り返してから、足を替えて同じように行う。
9.ハトのポーズ(エカパダラージャカポターサナ)
ハトのポーズは、ヨガクラスの終盤に、ヒップを開いてリラックスするポーズとして行われるのが一般的だ。- ダウンワードフェイシングドッグ(上記参照)からスタートし、右脚を天井に向けて持ち上げる。
- 右脚を手の方向に動かし、右手より外側にくるように膝を床に置き、足先が左手の前にくるようにする。 すねと体が直角になるようにする。
- 左膝をマットにおろし、足先をまっすぐ後ろに向けるようにする。
- ヒップをヨガマットの正面と水平にする。
- 胴体をゆっくりおろし、右脚にかぶせる。
- おでこを床に近づける。
- 呼吸を5回行ってから、足を替えて同じように行う。
ヒント:脚とおしりが床につかない場合は、ブロックまたはパッドをヒップの下に敷いて、クッションやサポートとして使用しよう。
より柔軟になるまでに掛かる時間
これらのヨガポーズのメリットを全面的に享受するために、マインドフルな状態での呼吸とリラクゼーションを取り入れよう。それが、全体的な心の健康と幸福感を向上させる効果的な方法となる。