ワークアウトに励んでも結果が出ない5つの理由

健康とウェルネス

がんばっても結果が現れない場合、いくつかの壁にぶち当たっている可能性がある。ここではワークアウトの落とし穴について解説する。

最終更新日:2022年7月25日
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ワークアウトしているのに減量できません。なぜでしょうか?

新しい目標に時間とエネルギーと労力をつぎ込んで数か月励んでも、結果が出ないとなるとがっかりするものだ。

しかし、減量を目的にエクササイズを始めたが、このような事態に陥ることは珍しくない。 体重管理には、うまく設計されたワークアウトプログラムが欠かせない。その一方で、そこには目標達成の壁になり得る困難が待ち構えているものだ。

ワークアウトに励んでいるのに体重が減らない状況で、なお多少の減量を目指しているのなら、まずはここで説明する障壁が妨げになっていないかチェックしてみよう。その上で、変化につながるソリューションを試してみるのが良いだろう。

エクササイズに励んでも結果が出ない5つの理由

  1. 1.筋肉量が増えた

    ワークアウトしているのに減量できません。なぜでしょうか?

    日常的にエクササイズに取り組み、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて行っているのなら、体組成(体脂肪と筋肉の比率)が改善されてきているはずだ。 だが、脂肪を落としながら筋肉をつけると、体重には変化が現れないことがある。 それどころか、筋肉は脂肪より密度が高い(体積は小さい)ため、体重が多少増えることもある。

    解決策:進歩を正確に測れる手段を見つけよう。 予算に余裕があれば、生体電気インピーダンス(BIA)法により体組成を測定できる体脂肪計の購入をおすすめする。 この体脂肪計を使用すると、体重に加えて体脂肪率がわかる。 体重が変わっていなくても、引き締まった筋肉が増え、体脂肪が減っていれば前進だ。

    衣服のフィット感も意識してみよう。 体脂肪が減り、筋肉が増えると、衣服が少しゆるく感じられるようになる。 ワークアウトを根気よく続けていれば、筋肉がついてきたことがより実感できるようになるはずだ。

  2. 2.エクササイズ以外の活動量が減っている

    ワークアウトしているのに減量できません。なぜでしょうか?

    非運動性産生熱量(NEAT)とは、運動以外の1日のすべての活動による消費エネルギーを意味する。 少し無理をして負荷の高いエクササイズを始めた場合、疲労のために運動以外の活動が減ってしまう可能性がある。

    この活動量の減少が、日常的に運動していても体重を減らせない原因の一つになりうることが、2012年に『Obesity Reviews』に掲載された研究論文で示唆されている。 また、2015年に『Advances in Nutrition』に掲載された研究論文では、NEATの減少は、ウェイトトレーニングの後よりも、有酸素運動の後に起こりやすいことが示されている。

    解決策:フィットネストラッカーやスマートウォッチを使用して、エクササイズに限らず、1日のすべての活動をモニタリングしてみよう。 長時間にわたり運動を検知しないと、体を動かすように通知を出すトラッカーもある。

    もちろん、フィットネストラッカーがなくても、日々の生活の中で意識して体を動かすことはできる。 エレベーターの代わりに階段を使ったり、ときどきデスクから離れて歩いたりすればいいだけだ。 特に1時間以上座ったままでいるときは、休憩を取って歩くようにしよう。

    もう一つの手段は、ワークアウトプログラムを見直して、筋力トレーニングを増やすこと。 カロリーを消費して筋肉量を増やせるうえ、ワークアウト後にソファでぐったりしてしまう可能性が低くなる。

    最後に、疲労のあまり一日中活動的に過ごすのが困難であるとしたら、組み立てたワークアウトプログラムがきつすぎる可能性がある。 そのような場合は、週の途中にリカバリーワークアウトの日を設定して全体の負荷を減らし、日々の活動を維持できるように調整しよう。

  3. 3.食事量が増えている

    ワークアウトしているのに減量できません。なぜでしょうか?

    新しいエクササイズを始めて空腹感が増すのはまったく正常だ。 体を激しく動かせば、多くのカロリーが必要になる。 2015年に『Advances in Nutrition』で発表された研究によれば、エクササイズを行うと、活動的な人は特に、食事量が増えることがあると明らかになっている。

    ワークアウトに必要なエネルギーを供給できるよう、十分なカロリーを摂取する必要がある一方、食べ過ぎれば減量はできない。 それでも、体重の現状維持が目標であれば問題ないだろう。 カロリーを多く摂取することが体にプラスになっているはずだ。


    解決策:カロリー計算ツールを使用し、活動レベルや減量の目標に応じて、必要なカロリーの量を算出してみよう。 たとえば、全米スポーツ医学協会(National Academy of Sports Medicine、NASM)が公開しているBody Weight Plannerというツールを使うと、現在の体重や減量までの希望の日数を考慮して、カロリー摂取量を算出してくれる。

    もしカロリー摂取量が適切なのに常に空腹を感じるのであれば、摂取している食べ物の種類に着目してみよう。

    マグロ、鶏肉、卵といったタンパク質を多く含む食品を食べると、筋肉量を維持でき、満腹感も得られる。 全粒穀物、葉物野菜、果物といった食物繊維が豊富な食品も、満腹感を長続きさせてくれる。 また体に良い脂質は、食後の満足感を高めてくれる。

  4. 4.食事制限が厳しすぎる

    ワークアウトしているのに減量できません。なぜでしょうか?

    食べ過ぎで体重が増えてしまう人がいる反面、食事量が不足していることが減量の妨げになる場合もある。 なかでも、特定の食品を摂取しない食事など、非常に厳しい制限を課すダイエットでは、体に十分な栄養素を供給できなくなる場合がある。 結果としてエネルギーレベルの低下をもたらし、ワークアウトにも影響が及ぶことで、消費カロリーが少なくなってしまう。

    さらに、そのような極端に厳しい食事制限を行った人の中には、過食によって埋め合わせる人もいることが、2017年に『Perspectives on Psychological Science』に掲載された研究論文で報告されている。 ダイエットによって、空腹感をコントロールするホルモンが乱される可能性もある。 前述の研究論文の著者は、ダイエット後1年が経過しても、グレリンというホルモン(食欲を刺激するホルモン)のレベルが上昇したままであった事例を発見している。

    解決策:自分にとって適切なカロリーの摂取量を把握するのは複雑で、時間がかかることがある。 カロリー計算ツールは多くの人々が便利に使える手段だが、提示される数値は正確なものではなく、推定値に過ぎない。 対策の一つは、食事の内容を記録し、カロリーと主要栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質)の摂取量をモニタリングすること。 すると、栄養素の摂取量の変化が、空腹感や体重にどのように影響するかを把握できるようになる。

    管理栄養士への相談を検討してもよいだろう。 管理栄養士は、取り組んでいるワークアウト、食事の好み、ライフスタイルを考慮して、効果的な食事プランを組み立ててくれる

  5. 5.実現不可能な目標を立てている

    ワークアウトしているのに減量できません。なぜでしょうか?

    2021年に『International Journal of Qualitative Studies in Health and Well-Being』に掲載された研究論文によると、減量計画では、明確な目標の設定と、その時々に応じた調整が体重の減少や維持と関連するという。

    ただし、現実的な目標を立てる必要がある。 実現不可能な目標を立ててしまうと、失敗のリスクが高まる。 そのうえ減量の失敗を繰り返すと、設定した目標に到達できるという信念にマイナスの影響が出てしまう可能性がある。

    解決策:短期的な目標を設定し、長期的な目標への足掛かりにしよう。 たとえば、長期的な目標が約10kgの減量であれば、 1週間ごとの減量目標を0.5~1kg程度の無理のない範囲に設定することで、数か月のうちに最終目標に到達できる。十分ではないだろうか。

    モチベーションを維持するために、毎月小さな目標を設定しよう。 最初の1か月は、たとえば週に4回以上ワークアウトをこなすことを目標にする。 月の終わりに目標達成を喜び、さらにハードルを上げる。 目標を達成できなかったときは、その経験を活かして 目標を調整し、またスタートすればよい。

    ペースはゆっくりだが着実なこのアプローチなら、減量プログラムから気持ちが離れることもなく、一貫してモチベーションを保ち続けることができる。 それから、目標に向けてじっくり取り組むこと。 エクササイズを始めたら、減量できたかどうかにかかわらず、何かを達成するたびに自分を褒めよう。

    たとえばランニングを始めて、最初の週は1kmを完走できなかったとする。 それでも2週間、3週間と続けるうちに、余力を残して1kmを完走できるようになる。 その達成を褒めよう。 体重計には表示されなくても、体は鍛えられ、強くなっていくのだ。

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ワークアウトしているのに減量できません。なぜでしょうか?

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公開日:2022年2月2日