フィットネスのルーティンを作るには? トレーナー公認の初心者向けワークアウトを試してみよう
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Nike NYCのトレーナーが考案した初心者向けワークアウトのルーティンを紹介する。
初心者向けでも、どのレベルの人向けでも、複雑でなくても、ワークアウトのルーティンに取り組めば効果を出すことができる。
フィットネスプログラムを新たに始めるにせよ、再開するにせよ、継続できるワークアウトルーティンが初心者にとって最も効果的だ。 ここでは、初心者向けの全身を鍛えるワークアウトを紹介する。ウォームアップからクールダウンまで、機能的な動作の基本を学び、長期的に進歩していくための青写真として利用してほしい。
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始める前に知っておきたいこと
この初心者向けの30~50分のワークアウトでは、可動域の改善、体幹の強化、上半身と下半身の筋力強化はもちろん、心臓血管機能の向上も可能だ。 このワークアウトは、シンプルさと効率性を念頭に置いて考案されている。 注:ここで紹介するサーキットをこなすには、ジムに行くか、自宅で設備を整える必要がある。 このサーキットは週に1~3回行い、サーキットを行う日の間に少なくとも1日休養日を挟むことを考慮してほしい。
必要なもの:
- マット
- ベンチ
- ダンベル1組(または2組)
それでは、ワークアウトの内容を見てみよう。
ウォームアップの後、1つのサーキットとして5種類のエクササイズを行う。 スクワット、ブリッジ、プッシュ、プルの後、短時間のコンディショニングを行い、心臓血管や心肺の機能を強化する。
最初は2回を目標に、ラウンドの間に90秒の休息をとりながら、サーキットを繰り返す。 それぞれの動作の間は必要な分だけ休むようにする。ただし、休息がもっと必要な場合は、無理せず休むこと。 エクササイズに慣れてくれば、セット数を増やそうという意欲が湧いてくるかもしれない。
新しいワークアウトを始める前は、必ず医師または関連する医療専門家に相談してほしい。 特に、基礎疾患や筋骨格痛など、特定の動作を安全に行うことを妨げる可能性のある健康上の問題がある場合は必ず相談しよう。
初心者向けワークアウトのルーティンを実践しよう
ウォームアップのメニュー
- ウォークアウト — 5回繰り返す
- ダイナミック・ランナーズ・ランジ(またはワールド・グレーテスト・ストレッチ) — 左右各5回繰り返す
- ハムストリングス・スクープ — 左右交互に10回繰り返す
- クアッド・プル — 左右交互に10回繰り返す
- ニーハグ — 左右交互に10回繰り返す
- ロープランク — 20秒間キープする
- サイドプランク — 左右それぞれ20秒間キープする
- バード・ドッグ — 左右それぞれ20秒間キープする
- 膝つき腕立て伏せ — 10回繰り返す
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サーキット
1.ベンチを使ったスクワット
スクワットは、脚の筋肉を鍛える基礎的な動作だ。 この動作は、大腿四頭筋、ハムストリング、大臀筋、ふくらはぎ、そして体幹まで、あらゆる部位をターゲットにしている。 このバリエーションでは、まずベンチから足の長さほど離れたところに、ベンチに背を向けて立つ。
- 足を肩幅程度に開き、足の指を10本とも前に向けるようにしてスクワットの姿勢で始める。
- お腹から強く息を吸って体幹を支え、お尻がベンチに軽くつくまでお尻を後ろに押し下げる。
- ベンチに向かって腰を落とすとき、姿勢を正して椅子に座ることをイメージしよう。
- ベンチに軽く触れたら、息を吐きながら床を押すイメージで、足をまっすぐ伸ばして立ち姿勢になる。
このスクワットでは、下半身の可動域の中で腰を後ろに落とす動作に慣れることで、今後行っていく深いスクワットに必要な腰の可動性を知ることができる。
プロからのアドバイス:この動作にさらに負荷をかける場合は、ダンベル1つを縦に垂直にし、重りの上部の下を両手で握り、胸の位置で保持しながら行うゴブレットスクワットをやってみよう。
この動作を8~10回繰り返す。
2.片手ダンベルフロアプレス
片側だけの動作は、筋肉のバランスを整えるのに役立つため、初心者に効果的だ。 フロアプレスは、重りを体から離す動きをするので、胸、肩、上腕三頭筋を鍛えることができる。
- まず、マットの上に背筋を伸ばして長座をし、ダンベルを右側の床に垂直に置く。
- ダンベルを右手で握り、マットに寝そべるように後ろに倒れながら、重りを胸に軽く引き寄せる。
- 足を床にしっかりつけたまま膝を曲げ、肩甲骨を寄せて耳から離し、上半身の姿勢を保って腰の自然なアーチを維持する。
- 重りを持っていない方の手(この場合は左手)で補助しながら、重りを胸の上で垂直方向にまっすぐ押し上げる。
- 腕と胴体で「A」の文字を作るようなイメージだ。 胸の上部に伸びを感じながら下げ、重りを体から離すように押し、息をゆっくり吐く。
- このエクササイズ中は、手のひらを脚の方に向けよう。 これが初めの姿勢だ。
- 今度は、息を吸って体を支え、手首を固定して拳と肘を一直線にしたまま、ダンベルを体から離して胸の高さまで下ろす。 肘の位置は、体から45度くらいの角度になるようにする。
これを左右の腕でそれぞれ8~10回繰り返す。
3.グルートブリッジ
ブリッジは大臀筋と体幹を鍛える動作だ。この2つの部位は、座ったり寝転んだりといった、ほとんど体を動かさない姿勢が続くと運動不足になりがちだ。
- マットの上で仰向けになり、両腕を体の横に置く。
- 膝を曲げ、両足を腰幅に開き、かかとが膝の真下にくるようにする。手の指先がかかとに触れるくらいが目安となる。 これが初めの姿勢だ。
- その後、息を吸って体幹を支え、息を吐きながらかかとをしっかりと床に押し付け、骨盤と胴体を持ち上げてブリッジの姿勢をとる。
- 一番高く持ち上げた姿勢では、骨盤を立たせて体幹の筋肉を固定し、肩の上部と頭をマットにつけておく。
- かかとを下に押し付けるようにして、大臀筋が絞られるのを感じながらしばらくキープする。 息を吸いながらゆっくりと骨盤を床に下ろす。 この動作を繰り返す。
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プロからのアドバイス:この動作が大臀筋に効いていないように感じる場合は、つま先を床から上げて、かかとを床に押し付ける感覚を強めてみよう。
自重を使うこのエクササイズに慣れたら、股関節の折り目の位置でダンベルを持って重量を加えたり、片足で挑戦したりするのもいいだろう。
この動作を15~20回繰り返す。
4.片手ダンベルロウ
ダンベルロウは、肩甲骨周りにある背中上部の筋肉と、背中の横側に伸びる広背筋を鍛えるトレーニングだ。 これらの筋肉は上半身の姿勢を整え、腰を支えてくれる。
- ベンチの右側の床にダンベルを1つ置く。
- 次に、持ち上げない方の手(この例では左手)と左膝をベンチに置いて、体をセットする。
- 左手は胸の真下に、左膝は腰の真下に置こう。
- 右足を床につけ、右膝を少し曲げる。 この脚は、右腕で持ち上げるときに体を支えてくれる。
- 右手でダンベルをつかみ、肩を耳から離して体幹を支え、ニュートラルスパイン(背筋がまっすぐな状態)を維持する。
- 手のひらをベンチに向け、息を吸って体を支え、息を吐きながら重りを腰骨の方に引き寄せる。
- 手首をしっかり固定し、胴体をベンチと水平にしたまま、肘を体の上までスムーズにしっかり動かす。 肩甲骨を背骨の方にギュッと寄せるイメージだ。
- 重りを腰の位置まで持ち上げ、その状態をしばらくキープしてから、静かに始めの姿勢に戻る。
これを左右の腕でそれぞれ8~10回繰り返す。
5.ジャンピングジャック
各ラウンドの最後に30秒間のジャンピングジャックを行う。これは、運動時心拍数を上昇させ、心臓血管機能を向上させるコンディショニング練習だ。 心臓血管機能の基礎が整っていれば、将来より多くの運動をこなすことができるようになる。 言うまでもなく、ジャンピングジャックは他にもさまざまな効果がある動作だが、テンポを遅くしたり、ジャンプせずに片方の脚と腕を同時に動かしたりと、アレンジが比較的簡単だ。
30秒間行う。
クールダウンのメニュー
トレーニングがすべて終わったら、このクールダウンをやっておこう。
- チャイルドポーズ — 20秒間キープする
- スレッド・ザ・ニードル — 左右の腕それぞれ20秒間キープする
- ライング・ハムストリング・ストレッチ — 左右の脚それぞれ20秒間キープする
- ライング・ニーハグ — 左右の脚それぞれ20秒間キープする
- ライング・フィギュア・フォー・ストレッチ — 左右の脚それぞれ20秒間キープする
結論
繰り返しになるが、初心者に最適なワークアウトのルーティンとは自分がやり遂げられるもののことだ。 体調不良や疲れを感じた場合は、 1日や2日休んでもまったく問題ない。 むしろ、回復を後押しするかもしれない。
文:ダレン・トマッソ(Nike NYCトレーナー、NASM-PESおよびUSATF認定ランニングコーチ)