調子が悪いときに効果的なポーズ。

Coaching

体が凝って板のように硬くなっている人や、日々の生活に疲れ切っている人が、短時間で正常な状態に回復するために役立つ5つのポーズを紹介。

最終更新日:2020年12月21日
リラックス効果のあるヨガポーズ

マインドフルネスを重視し、緩やかなポーズで全身の可動域に働きかけるヨガは、ストレスや体に凝りを感じるときに最適だ。しかし、緩やかな動きでさえ大変だったり、時間がかかり過ぎると思ったりする日もある。そんなときは、たった1つのポーズで簡単にリラックスでき、効果を実感できるタイプのヨガがおすすめだ。

「リストラティブヨガのポーズを行うことで、神経系を交感神経反応(戦うか逃げるか)から副交感神経反応(安静と消化)へと切り替えることができます」そう語るのは、理学療法博士およびヨガインストラクターとしてデンバーで活動するダニエル・ホゲット氏だ。「この切り替えは、ストレスレベルを下げ、心拍数を低下させ、心身を落ち着いてリラックスした状態にするために役立ちます」

「リストラティブヨガのポーズを行うことで、神経系を交感神経反応(戦うか逃げるか)から副交感神経反応(安静と消化)へと切り替えることができます」

ダニエル・ホゲット
理学療法博士、ヨガインストラクター(デンバー)

筋肉を完全にリラックスさせ、筋肉とその周辺の結合組織(筋膜)を弛緩させることで、魔法のような効果が得られる、とホゲット氏は言う。あらゆる身体的緊張がほぐれ始めるという嬉しい副次的効果もあるのだ。

本当に回復作用のあるポーズの必須条件として、低負荷であることが挙げられる。つまり、どの筋肉も収縮や緊張した状態ではないということだ。ホゲット氏によると、少なくとも3分間維持できるポーズでなければならない。また、「体の可動域の50-70%を使うことが望ましい」という。姿勢を意識しすぎると、実際には筋肉を緊張させてしまう場合があるからだ。そのため、リストラティブヨガの多くのポーズでは、ヨガブロック、折り畳んだ毛布、枕などを支えとして使用して、快適な可動域内の動きをサポートして維持する。

気分が不安定で体が悲鳴を上げているが、時間の余裕がないときは、以下のガイドを参考にして、短時間で心身をリラックスさせよう。

リラックス効果のあるヨガポーズ
  1. ストレスや不安を感じる場合:ストラドルフォワードフォールド
    前屈には、胎児のポーズと似たようなメリットがある。「内側に向かうような感覚が得られ、不安を感じているときに呼吸を深くしてリラックスするために役立ちます」とホゲット氏は言う。

    床に座り、不快感のない範囲で、脚をできるだけ開く(ハムストリングスに張りがある場合は、必要に応じて脚を狭めに開き、やや曲げる)。次に、体を前方に倒して背中を丸め、額をヨガブロックや積み上げた本の上にのせる。「頭の重みをブロックに預けることで、頭の中を空っぽにすることができます」とホゲット氏は言う。両腕をブロックの横に置き、力を抜く。背中や広背筋をもっとリラックスさせたいときは、腕を前に伸ばす。
  2. 1日中画面を見ている場合:リクライニングバウンドアングルポーズ
    背中を丸めてコンピューターでタイピングしたり、スマートフォンの画面をスクロールしたりして、1日のほとんどの時間を過ごしていないだろうか?(正直に認めよう)そのような人は、肩が耳の方に向かって緊張し、背中の上部に凝りがある可能性がある。「ほとんどの人は座ると背中が丸まりますが、体を後ろに倒して支えることでこれを解消できます。また、胸を開き、首の後ろを伸ばすことで、姿勢を直す効果も得られます」とホゲット氏は述べている。

    硬い枕を床に置き、その前に座る。仙骨(背骨と骨盤の後ろ側が交わる位置)に枕面の短い側が当たるよう、位置を調整する。足の裏と裏を合わせ、かかとを骨盤の方に引き寄せ、膝を開いて床に落とす。背中を枕にのせて背骨と胸を支え、左右の肩甲骨を両側に下ろす。枕をもう1つ用意して頭の下に置き、首の後ろを高くするとよい。最後に、腕を広げて伸ばす。
  3. 何度も座ったり走ったりを繰り返す場合:エクステンデッドブリッジポーズ
    座り過ぎや走り過ぎ(またはその両方)によって股関節屈筋が縮んだり張ったりしているときには、ブリッジが効果的だ。「ブロックを使えば、より臀部を伸ばすことができます」とホゲット氏は言う。また、いずれの動きでも背中が張る可能性があるが、ブリッジによって背中が伸び、胸が開くため、横隔膜が広がり、回復作用を促す深い腹式呼吸ができるという。

    床に仰向けになり、脚を曲げ、お尻から数センチのところで足裏をぴったり床につける。そこで、ブロックを仙骨の下に入れよう(ブロックが高いほど、体が伸びる)。腕は体の横でリラックスさせる。股関節屈筋への効果を高めるためには、片脚を伸ばしてかかとを床につけたまま、もう一方の脚の膝を上げて胸に寄せる。
  4. 腰が痛い場合:スパインツイスト
    このポーズでは、背骨周辺にあるすべての姿勢筋を伸ばす。これは、前屈では効果を得ることがなかなか難しい。「腕を開いてアルファベットのTのような体勢をとると、肩が回転し、猫背の解消に効果的です」とホゲット氏は述べている。また、体をひねって腰にたまった緊張をほぐすのは、とても気持ちが良いという。

    床に仰向けになり、左脚を伸ばしたまま、右膝を胸に引き寄せる。右膝を体の中心線をまたいで左側の床に向かって倒す(右膝の下にブロックを置くと、ヒップの位置を維持できる)。右腕を右側に開いて肩と一直線になるようにし、肩を床につける。左手は右膝の上に優しく添えるか、伸ばして両腕でTの形を作る。ゆっくりと頭を右に向ける。同じことを反対側でも行う。
  5. 全身をリラックスさせたい場合:レッグアップザウォール
    最も効果的なリストラティブヨガのポーズは、最も簡単なポーズでもあり、その形からLポーズとも呼ばれる。「このポーズは、基本的に体を横にするだけですが、血行改善、むくみの軽減、神経系を落ち着かせるなど、元の状態に戻す効果が得られます」とホゲット氏は言う。体のほぼすべての筋肉を均衡した状態に戻すことができるため、強い痛み、異常な凝り、あらゆる疲労などの軽減に最適だ。

    仰向けになり、お尻を壁から15cmほど離れた位置に置く。折り畳んだ毛布や硬い枕をヒップと仙骨の下に入れ、腰を伸ばす。両脚を壁に向けて上げ、ハムストリングを伸ばす。両腕を横に広げ、胸を開く。

    たった3分あれば、悲鳴を心地良い吐息に変えることができるのだ。
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公開日:2020年11月11日