レース当日に適切なウェアとシューズを選ぶには
購入ガイド
ウェアやギアの選び方によって、レースで大きな違いが生まれる。 レースに勝つため、あるいは自己最高記録を更新するためのウェアの選び方を紹介しよう。
レース当日の朝になって、何を着て行こうか迷うことはまずないだろう。 しかし、選んだウェアやギアがレース体験を左右することもある。 大会の前にしっかりと時間をとって、自分の力を最後まで引き出してくれる、高品質なシューズやアパレルを選ぶようにしよう。 準備はスタートラインに立つずっと前からしておくことが重要だ。 そうすることで、レース当日は自己最高記録を更新することに集中できる。
次に、レース当日のウェアを決めるためのガイドラインを紹介しよう。
レースに最適なギアを選ぶための3つのヒント
ここで紹介するヒントを参考にすれば、ランニングシューズからランニングショートパンツまで、レースの距離や天候のコンディションにかかわらず、レース当日に最適なウェアを選ぶことができるだろう。
- 天気予報をチェックする。レースの当日までの数週間は、天気予報に注意しておこう。 天気の予想は変わっていくため、定期的にチェックすることが重要だ。
- 軽装を心がける。「大まかに、実際の気温よりも10℃程度暖かい気温で走ることを想定してウェアを選ぶとよいでしょう」と、Running with LifeのCEO兼ヘッドコーチ、エイミー・ドウォレッキは語っている。 初めのうちは涼しいと感じるかもしれないが、走り出すとすぐに体温が上がってくる。
- 実際のウェアで練習する。「レース当日に想定外のことが起きないよう、実際に走るときのウェアを着て練習しておくとよいでしょう」Momentum of Milwaukeeの創設者であり、CSCS兼ランニングコーチのニコール・ガイナコプロスは語る。 レース当日のウェアをさまざまな天候のシナリオで試して、ワークアウトログやアクティビティトラッカーでその効果を確認しておこう。 「記録しておくことで、天気が変わるたびに憶測する必要がなくなります」とニコールは言う。 レース当日に履くシューズも、何度か練習で試してみるとよいだろう。
寒い日のレースに最適なウェア
寒い中で行うレースのウェアには、考慮すべき要素がたくさんある。 薄着しすぎると、レースの大部分をウォーミングアップに費やしてしまう。 ただし、重ね着しすぎると、重量が増えて動きづらくなる。 ちょうど良いバランスを見つけるための、寒い日のウェアのヒントを紹介しよう。
重ね着をする。 スタートラインで快適でいられるよう、重ね着をしよう。 肌寒い程度ならランニングタイツやパンツ、かなりの寒さを感じる気温ならフリースラインパンツがおすすめだ。 気温や天候のコンディションによって、雨や風を防ぐライトウェイト クォータージップやジャケットを合わせるとよいだろう。 「レースの途中でウェアを脱いでいくとよい」と、エイミーは指摘する。
吸湿性のある生地を選ぶ 外が寒いからといって、重ね着の下で汗をかかないとは限らない。 ウェアを着たまま汗をかくと、ウェアが重くなるだけでなく、体温も失われてしまう。 どれだけ走っても暖かさを保ち、汗でびしょ濡れにならないようにするには、コットンを避け、吸湿性のあるスポーツブラ(必要な場合)やロングスリーブ ベースレイヤー トップを選ぼう。「これにより、汗を乾燥させ、体温を一定に保つことができます」とニコールは話す。 メリノウールやポリエステルなど、吸湿性に優れた素材で作られたウェアを探すようにしよう。
レースまでの道のりを考慮する。 スタートラインに立つまでに、長時間歩いたり、バスに乗ったり、待機所で待機したり、または長時間立ったままでいる必要があるかもしれない。 寒い日や雨の日には、大きなビニール袋や長袖シャツなど、スタートの直前に脇へ脱ぎ捨ててしまえるものを1枚多めに羽織っておくとよいと、エイミーは指摘する。 (注:サイドラインに脱ぎ捨てられた服を寄付しているレース主催者も多い。) 「レース当日に簡単に脱げるよう、トレーニングの際にはビニール袋や後で脱ぐシャツを着る練習をしておくとよい」と、ニコールは指摘する。
レースの距離によってウェアを変える。 マラソンのウェアは、5K用のウェアとは違ってくる。 「結局のところ、5Kランよりも、42.195キロのランの方が気温の変化を感じやすい」と、ニコールは言う。 マラソンやハーフマラソンに出場する場合は、重ね着に細心の注意を払い、幅広い気温の変化や天候のコンディションに対応するギアを持参することが重要だ。 5Kや10Kの大会に出場する場合は、少なめの重ね着で大丈夫だろう。 暖かいギアは車に置いておくか、友人に預けておこう。
高性能のジャケットに投資する。ランニングジャケットには高価なものが多いが、その金額を出すだけの価値はある。 しっかりとしたメンズランニングジャケットやウィメンズランニングジャケットは、重ね着を減らすのに役立つだけでなく、エナジーゼリーやリップクリームの入る十分な数のポケットなどの便利な機能を備えており、レースをより円滑に進めることができる。 ニコールは、次のような条件を満たすジャケットを探すことを推奨している。
- 耐風性
- 耐水性
- リフレクティブデザイン
- 下に重ね着ができる余裕のあるサイズ(ただし大きすぎないもの)
寒い日のためのアクセサリーを忘れない。 吸湿性のあるグローブやミトン、ビーニーやヘッドバンドは、寒い日のレースには欠かせない。 ただし、暑くなってきた時のために、こうしたアイテムを安全な場所に入れておけるようにしよう。 ニコールは次のように話す。「私はいつも、10℃以下でのレースやランでは、グローブを着けてスタートするようにしています。その後、通常は数キロ走る間にそれらをジッパー付きのポケットに入れてしまいます」
暖かい日のレースに最適なウェア
暖かい日のレースのメリットは、何枚も重ね着をしたり、ギアをたくさん持っていったりする必要がないことだ。 しかし、ウェアを選ぶ重要性が低いわけではないので注意しよう。 次は、レースコースの気温が高いときに、涼しいウェアを選ぶヒントを紹介しよう。
吸湿性を重視する。 Nike Dri-FITウェアなど、「吸湿性」をうたっているランニングトップやボトム、下着を探そう。 これらのウェアなら、汗をかき始めても軽いままだ。 生地が肌から汗を吸い取り、外側のレイヤーへと逃すことで、すばやく乾燥させる。吸湿性の高い生地には、ポリエステル、ナイロン、バンブー、メリノウール、ポリプロピレンなどがある。
ウェアの量を最小限に抑える。 外が酷暑の場合は、テクニカルタンクトップまたはTシャツに、ランニングショートパンツやカプリを合わせよう。 ショートパンツとフォームフィットタイツまたはブリーフを組み合わせれば、サポート性の向上と摩擦からの保護に効果を発揮するだろう。
追加のギアが、大きな違いを生む。 暑い日のレースに参加する際には、サングラス、吸湿性を備えたハットやバイザー、ソックス、低摩擦の下着が大きな役割を果たすだろう。 また、摩擦防止のニップルカバーや潤滑剤なども検討するとよい。 ただし、自分に合っているかどうか確認するため、トレーニングセッション中にこうしたアイテムを着用する練習をしておこう。
トレイルレースに最適なウェア
トレイルレースは、まったく別の競技だと言える。ウェアの選び方はロードレースのギアと似ている部分も多いものの、トレイル向けの大幅な変更が必要な点もいくつかある。 トレイルレースのウェアを選ぶ際には、以下の推奨事項を参考にしよう。
肌を保護する。 トレイルでは、いたるところから草やツルなどが出ていることが多い。 タイツを履いたり、ショートパンツと長めのソックスを組み合わせたりして、足を擦り傷から守ろう。
重ね着をする。 標高や地形の違いから、トレイルランは、同じ距離のロードランよりも時間がかかることを覚えておこう。 また、同じ理由で、天候のコンディションも予想しにくい。 「山頂の天候が、麓とはまったく異なることがあります」とエイミーは話す。
コース上にエイドステーションが複数設置されているような長距離トレイルレースに出場する場合は、忘れずに重ね着をしておこう。 エイミーはさらにこう話す。「重ね着は、長距離の厳しいクライミングでのクールオフや、山頂やダウンヒルの降下の際のウォームアップのための鍵となります」 吸湿性に優れたベースレイヤートップやスポーツブラ(必要な場合)の上に、 ライトウェイト クォータージップや長袖シャツを重ね、風や水を防いでくれるランニングジャケットを着るとよいだろう。
パックを持参する。 標高の変化がある長距離トレイルレースに出場する場合は、バックパックスタイルのハイドレーションパックの持参を検討しよう。 これがあれば、食料や予備の重ね着など、トレイルで必要なあらゆるギアを入れておくことができる。
レース当日に最適なシューズ
ランナーの中には、レース専用のランニングシューズに投資することを好む人も多い。 トレーニングシューズはより重量があり、衝撃を吸収するためクッションが多めになっている一方で、レーシングシューズは、パフォーマンスとスピードを最大限に高めるため軽量であることが特徴だ。
適切なレーシングシューズは、レースの距離や地形によっても違ってくる。 レーシングシューズのカテゴリーをいくつか挙げてみよう。
- トレイルレース。 不規則な地形のため、トラクションと安定性に優れたランニングシューズが必要になる。 トレイルランニングシューズをチェックして、どんな山でも越えていける一足を見つけよう。
- 長距離ロードレース。 マラソンやハーフマラソンでは、長時間走り続けられることが求められる。 軽量なシューズはスピードの向上に役立つ一方で、衝撃を吸収するためのクッションも重要だ。
- 短距離ロードレース。 5Kや10Kに挑戦するなら、 サポート性やクッションは最小限のものでよいだろう。
レーシングシューズを選ぶ際には、個人的な好みを反映することが重要だ。 ランナーの中には、ぴったりのサイズを好む人もいれば、長距離のランでの足のむくみにも対処できる、余裕のあるサイズを好む人もいる。 レーシングシューズに求める機能を書き出してみて、本当に自分にぴったりの一足を見つけよう。
ナイキのレーシングシューズの購入を決めたなら、テストランで実際に試して、自分に合っているか確かめてみよう。 もし気に入らなければ、 60日以内に返品すると全額返金が受けられる。
レース後に最適な服装
レース用のウェアのことに没頭するあまり、レース後に必要なものを忘れないようにしよう。 「レースが終わったら、汗で濡れたウェアを、乾いた服に着替えなければなりません」とニコールは言う。
「多くのレースではドロップバッグが用意されており、ゴールの後にきれいな服をすぐに手に取ることができるようになっている」と、エイミーは指摘する。
レース後のドロップバッグには、次のようなアイテムを入れておくとよいだろう。
- 乾いたソックスやシューズ。 これらは、雨の予報の日や、地面がぬかるんでいる時などに特に役に立つ。 「こうすることで、濡れたソックスやシューズのままで家路につくこともなくなる」と、エイミーは付け加える。 外が寒い場合は、乾いたグローブやハット、ヘッドバンドなども用意しておくとよいだろう。
- 小さめのタオル。 タオルを使って、汗や泥、それに涙を拭き取ろう。 よりしっかりと汚れを落としたいなら、洗顔料やボディペーパーなども用意しておこう。
- スウェットシャツやパンツ。 レース会場の近くで着替える予定がなければ、レースウェアの上からすばやく着られるようなものを用意しておこう。 そうでない場合は、着替え一式を持参しよう。
- 化粧品や洗面用具。 タオルで拭き取った後には、デオドラントや日焼け止めを再度つけ直しておくとよいだろう。
- スナック。 ゴールラインには、バナナやエナジーバーなど、レース後のためのスナックが十分に用意されている。 ただし、食事にこだわりがある場合は、自分に合った食べ物を入れておくとよいだろう。