寒い日のランニングに影響を及ぼすレイノー病とは

健康とウェルネス

冷たい物を触ったときや冷たい外気にさらされたとき、またはストレスを感じたときに、指先が変色し、しびれを感じることがある。この症状がレイノー病だ。

最終更新日:2022年12月14日
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レイノー症候群と冬のランニングの関連性

気温が低い中でランニングしたときや、寒さやストレスにさらされたときに、手足の指先にしびれや痛みを感じたり、皮膚の色が白や青紫に変わったりすることは珍しくない。

レイノー病は、レイノー現象やレイノー症候群とも呼ばれ、よく見られる良性症状だ。Mayo Clinicによると、これは手足の指先につながる動脈が低温やストレスに反応して収縮することで生じる症状とのこと。 動脈がけいれんして狭くなると、血行が悪くなり、不快で煩わしいさまざまな症状(指がかじかんで痛むなど)を引き起こすのだ。

レイノー病とは

まず重要なのは、一次性レイノー病と二次性レイノー病を区別することだ。 一次性レイノー病は一般的で、症状が軽い場合がほとんど。結合組織病のような疾患によるものではない。 一方、二次性レイノー病はまれで、深刻な事態に至るケースが多い。原因は基礎疾患(動脈疾患など)や薬、生活習慣(喫煙など)だ。

どちらのタイプでも、レイノー病を発症している人が寒さやストレスにさらされると、手足(鼻など他の部位の場合もたまにある)の先端の動脈が収縮する。そう説明するのは、Massachusetts General Hospitalの血管専門医長アイド・ワインバーグ医学博士だ。

この反応自体に問題はない。Cleveland Clinicによれば、これはストレス時に酸素の消費を抑え、臓器への血流を優先する、人体の防御作用だそうだ。 ただし、動脈が過度に収縮したり、あまり寒くないのに収縮したりといった過剰な反応は問題だとワインバーグは言う。

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レイノー病の症状

レイノー症候群と冬のランニングの関連性

この血行悪化による症状はさまざまで、一般には深刻ではない。ほとんどが症状の軽い一次性レイノー病なのだ。 一次性でも二次性でも、多くの人に患部のしびれや痛み、こわばり、冷え、変色などの症状が現れる。

血行が悪くなると、手足の指先が白く、または青く見える。 血流が正常に戻ると赤くなる。 体が暖まると症状はすぐに解消するはずとワインバーグは言う。 その一方で、極端なケースとして(多くは二次性レイノー病を発症)、激痛が走ったり皮膚が傷ついたりすることもある。

これらの症状は他の疾患の兆候かもしれないので注意が必要だ。まずは医師の診察を受け、適切に診断してもらおう。 CDCのリウマチ専門医ジョナサン・M・グリーア医学博士によると、たとえば糖尿病でも、手足のしびれや痛みなど、レイノー病に似た症状が現れるそうだ。 また、喫煙が原因のバージャー病も、血行が悪化し、同じような症状が現れる。

レイノー病の診断は難しいことがあるため、グリーアは、まず、かかりつけ医の受診をすすめている。 かかりつけ医の判断で必要に応じてリウマチ専門医や血管外科医といった専門の医師を紹介してもらおう。

レイノー病の原因

レイノー症候群と冬のランニングの関連性

レイノー病はよくある症状で、男性よりも女性に多く見られる。 実際、全女性の10~15%が一次性レイノー病を発症しているとグリーアは推測する。学術誌『Angiology』に掲載の1996年の研究で示されたように、おそらく女性ホルモンの変動が原因だ。

レイノー病のリスク因子としては他に、血管を収縮させる薬(片頭痛、癌、ADHD、鬱血、心臓病などの治療薬)の服用が挙げられる。 カフェインの摂取、喫煙、疾患(狼瘡、甲状腺機能低下症、関節リウマチ、強皮症など)も発症につながる。足への多大な刺激もそうだ。 削岩機のような振動する工具はつま先のレイノー病の原因になり得る、とグリーアは説明する。

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グリーアは、予防に役立てるため、ストレスレベルを意識することも重要だと強調する。 ストレスは血管収縮と血圧上昇の原因になることがあるため、グリーアは患者にストレスを避けるよう促している。 Raynaud’s Associationによれば、レイノー病を発症している人は、過活動になった血管がけいれんし、狭窄を起こすため、血液が適切に流れない。 ストレスのような感情的反応によって症状が再発することがあるのはこのためだ。

症状は、健康上の深刻な問題というよりも、煩わしいというレベル。 「多くの人は気に留めず、大半は問題に発展しません」とグリーアは言う。 ただし、皮膚が長時間にわたり白いままだと、組織障害を起こしているおそれがある。 その場合は、医師に相談し、二次的な原因(喫煙や動脈疾患など)を調べてもらったほうがよい。

ほとんどの場合、レイノー病は心配不要だが、覚えておいたほうがよいリスク因子が1つある。 ワインバーグによると、レイノー病を発症している人は凍傷の危険にさらされても気づきにくい。 痛みや開いた傷口に特に注意するよう、彼はアドバイスする。

症状の再発を防ぐには

レイノー症候群と冬のランニングの関連性

「大抵は、暖かくしていれば大丈夫です」とワインバーグ。 体を冷えから守るため、寒さを避けよう(エアコンの効きすぎにも注意)。 寒さを避けられない場合は、たとえそれが冷凍食品売り場でも、暖かい格好で行くべきとグリーアは言う。

ジャケットを羽織るだけではない。ワインバーグのおすすめは手袋、ビーニーか暖かいキャップ、速乾性のあるソックスだ。 足への刺激が原因でつま先に症状が現れる場合は、しっかりサポートしてくれるランニングシューズを彼はすすめる。 加えて、やはりストレスレベルの管理も大切だ。

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症状が出たら患部を徐々に温めるように、とワインバーグは言う。 たとえば、手足の指先をお湯に入れるといい、とグリーア。 同士によれば深刻な場合は、治療のためにカルシウム拮抗薬(血圧治療薬)、局所ニトログリセリン、バイアグラなどの薬が処方されることもあるそうだ。

文:ディナ・チェイニー

レイノー症候群と冬のランニングの関連性

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公開日:2022年12月14日

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