速乾素材の種類と仕組み

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ワークアウト中に汗だくになるのを防いでさらりとした状態をキープしたいなら、 どんなに汗をかいても涼しくドライな状態を保つ速乾素材の仕組みを学ぼう。

最終更新日:2022年7月27日
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速乾性の定義と仕組み

汗をかくワークアウトを行う際に、速乾性に優れたシャツの快適さを一度体感してしまったら、もう元のコットンTシャツには戻れないだろう。

汗でびしょ濡れになっても、さらりとした涼しい状態を保つことのできるシャツは、一体どのような仕組みになっているのだろうか? その秘密は、水分を逃がす素材にある。

速乾シャツの仕組みがわかれば、汗をコントロールするのに最適な素材を把握することができる。 ここでは、速乾素材の選び方を紹介しよう。

速乾シャツの仕組み

エクササイズ中は、汗が皮膚から出て、Tシャツの繊維に付着する。 コットンなどの天然素材を使用したTシャツの場合、水分が繊維に吸収されるため、 Tシャツが濡れて重くなる。

一方、ポリエステルなどの速乾素材は、「毛細管現象」という作用を利用する。 繊維が汗を表面に留め、シャツの外側の層に汗を運ぶ水路の役目を果たすのだ。 そこで、汗が蒸発し、空気中に放出される。 「これによって、汗まみれになることなく、さらりとした状態が持続するのです」と、TheSkiGirl.comの創設者であるクリスティン・ワン氏は語る。

アパレル企業は長年にわたり、繊維を細くすることで、メンズ・ウィメンズの両方において速乾シャツの性能を高めてきた。 トーマス・ジェファーソン大学の材料技術学准教授であるジャネット・ブラディ氏は、「繊維の直径が小さいほど、1本の糸に含まれる繊維の量が増え、汗を流す小さな水路の数が増えます」と言う。 その結果、繊維が水分を逃がし、より涼しく、さらりとした状態になる。

また、肌と接する面に親水性(水になじみやすい)仕上げを施した素材を使用しているTシャツもある。 ブラディ氏によると、この仕上げにより、水分が肌から速乾繊維へと素早く移動するようになり、速乾繊維の作用が促進されるとのことだ。

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ワークアウトに最適な速乾素材

速乾性においてとりわけ優れた素材もある。 さらに、ワークアウトによって最適な速乾素材は異なるだろう。

次に、半袖・長袖を問わずTシャツに最適な速乾素材を選ぶための秘訣に加え、 それをどのような時に着るべきかについて説明する。

  • ポリエステル:この合成素材は速乾シャツによく使用されている。 それもそのはず。Running with LifeのCEO兼ヘッドコーチであるアミー・ドウォレッキー氏によると、この素材は軽量で耐久性と通気性に優れている。 ポリエステル(または、ポリエステルとナイロンまたはスパンデックスの混紡素材)は、さまざまなワークアウトや環境に適した無難な選択肢なのだ。 実際に、速乾性に優れたNike Dri-FITのアパレルシリーズは、基本的にポリエステルを使用している。
  • ポリプロピレン:ポリプロピレンは、メンズ・ウィメンズの両方に使用されているもう1つの主な速乾素材だ。 薄手でありながら保温性に優れ、寒い日に着用するギアに最適だ、とTheSkiGirl.comのワン氏は述べている。
  • ナイロン:ドウォレッキー氏によると、ナイロンは通気性に優れ、快適にフィットする合成素材とのことだ。 こうした性質により、この素材も速乾シャツによく使用されている。 ポリエステルと同様、ナイロン(またはナイロンと他の速乾素材の混紡素材)はほとんどのワークアウトに適している。
  • メリノウール:ウールは独特な素材だ。 ブラディ氏によると、重量に対して吸収できる水分の比率が非常に高い。 それでいて、汗をかいても濡れているように感じないのが特徴だ。 その理由は、繊維の形状にある。 他の素材は繊維が滑らかで肌に対してフラットに接触するが、ウール繊維はもともと縮れている。 この縮れによって素材と肌の間にスペースが生まれるため、他の天然素材で感じることの多い、濡れて重くなる感覚が軽減されるのだ。

ウールはそのような繊維形状と保温性を兼ね備えており、特に寒い季節のワークアウトに適している。 メリノウールは従来のウールより繊維が細いため、特に好ましい。 また、メリノウールを使用すると、他のタイプのウールを使用するよりも軽量に仕上がる。 メンズとウィメンズの両方とも、メリノウールを使用したワークアウトウェアが充実している。

ワークアウトで避けるべき素材

ワークアウト中に涼しくさらりとした状態をキープしたいなら、ラベルにコットン、シルク、リネンと書かれているTシャツには注意しよう。 「涼しさは持続しますが、速乾性はありません」とワン氏は言う。 さらに、これらの素材は水分を吸収するため、とにかく汗で濡れてベタついてしまうとのことだ。

ドウォレッキー氏によると、コットンは最大で重量の7%の水分を吸収するため、Tシャツやワークアウトギアには特に適していない。 濡れると体に張り付いて不快なだけでなく、暑い中でエクササイズをしているときには体を冷ましづらくなる。 また、肌寒い雨の日には湿気によって寒さが増す、とドウォレッキー氏は言う。 どちらの場合も、コットンTシャツは汗で濡れると着心地が悪くなるので、 肌から水分を逃がすことができる素材を選ぼう。

速乾シャツのお手入れ方法

半袖でも長袖でも、ほとんどの速乾Tシャツは汚れを落としやすい。 しかし、ラベルにはお手入れに関する特別な注意事項が書かれている場合もあるので、目を通した方がよい。 「お手入れ方法が記載されたラベルは、購入後に製品の性能を維持できるよう衣類に取り付けられているので、確認することをおすすめします」とブラディ氏は言う。

必ずシャツのラベルをチェックし、正しいお手入れ方法を把握しよう。 また、洗濯に関する一般的な推奨事項として、以下のことを覚えておこう。

  • 裏返して、冷水で同系色の衣類と一緒に洗濯機で洗う。
  • 粉末洗剤を使用する。
  • 過度に脱水しない。
  • 空気乾燥または低温設定の乾燥機で乾かす(Nike Dri-FITのウェアは、高温にさらすと性能が損なわれる可能性がある)。
  • 漂白剤、ドライヤーシート、柔軟剤を使用しない。
  • ドライクリーニングをしない。
  • アイロンをかける必要がある場合は低温に設定し、ロゴやデザインへのダメージを防ぐ。

公開日:2021年11月18日