パーソナルトレーナーが解説する、バーピー初心者向けガイド
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バーピーの爆発的な動きは、有酸素運動と筋トレの両方の効果をもたらす。
バーピーとは? なじみがないという人のために説明すると、バーピーは、自重で行うプランク、プッシュアップ、スクワットを組み合わせた運動だ。 通常、ハイスピードで行う運動であり、高負荷インターバルトレーニング(HIIT)に取り入れることが多い。これには正当な理由がある。 プライオメトリック運動によって鍛えられる筋力やパワー、有酸素運動で強化される心肺機能など、健康への効果が期待できるからだ。
その強度を考えれば、バーピーは特に心肺系への効果が高い。 「バーピーでは体の高さが大きく変化するため、心拍数がすぐに上がります」と、NASM認定パーソナルトレーナーのジュリー・ジョーンズは話す。 体の高さの変化とは、頭の高さや姿勢の変化に対応する体の位置の変化のこと。 立った姿勢からプランクポジションを取り、また立ち上がる。このように頭の高さが変化する運動は、一定の高さを保って行う運動よりも心肺に大きな負荷がかかるのだ。
メリットはほかにもある。 求められるテクニックや動きにより、バーピーは全身のワークアウトになる。
バーピーは、主に次の3つの運動の組み合わせだ。
- スクワットの姿勢で腰を落とす
- プランク
- 床から立ち上がる
登録栄養士、運動生理学者、そしてNASM認定パーソナルトレーナーでもあるギャビー・バーカウによれば、バーピーでは大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリング、コア、肩、背中を使う。
途中にプッシュアップも加えると、腕、胸、コアの筋肉も動員される。
さらに、複雑な動きをする運動や、バーピーのように体の多くの部位を使う運動は、カロリー消費効果も高い。
「1つのエクササイズで主要な運動パターンを網羅しており、立ったりしゃがんだりすることで心拍数が上がるため、バーピーをするとカロリーをたくさん燃やせます」とバーカウは説明する。
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バーピーのやり方
今までバーピーに挑戦したことがなくても、基本を身につけることは可能。 初心者が取り組みやすく、動きに慣れるのに役立つバーピーの手順を、ジョーンズは次のように紹介している。
- 立った姿勢で始める。
- 背骨を丸めるようにして前屈し、両手を前方の床に置く。
- 手を前方に歩かせ、腕を伸ばした状態のプランクの姿勢になる。
- 手を元の位置まで歩かせる。
- 立つ。
これで1回。
バーピーをレベルアップ
上のバーピーの動きをマスターしたら、レベルアップして、スクワットやステップまたはジャンプを加えたバーピーに挑戦してみよう。 手順は次のとおり。
- 立った姿勢で始める。
- 腰を落とし、スクワットの姿勢になる。
- 上体を前に傾け、両手を前の床に置く。
- 後方に足を踏み出すかジャンプして、プランクの姿勢になる。
- 前に足を踏み出すかジャンプして、スクワットの姿勢に戻る。
- 立つ。
これで1回。 無理のない回数で繰り返す。
バーピーの強度を上げる5つの方法
バーピーの基礎を習得したら、次のレベルにチャレンジしてみよう。 ハードなエクササイズにチャレンジすることになるため、事前に医師や理学療法士に相談することをおすすめする。
「バーピーはさまざまなレベルに発展させることができます」とジョーンズ。 例をいくつか紹介しよう。
1.プッシュアップを加える準備
プランクの姿勢から、胸と腹を床に近づける。ひと呼吸置いて、膝またはつま先で支えて上体を持ち上げ、プランクの姿勢に戻る (膝をつけば難易度が下がる)。 この方法は、完全なプッシュアップに発展させるための筋力強化に役立つ。
2.プッシュアップを加えたバーピー
プランクの姿勢になったら、プッシュアップを1回行ってから、前方にジャンプして手の後ろに着地する。 こうすることで、本格的に筋力を鍛える動きをバーピーにプラスできるとジョーンズ。 ここでは、コアをコントロールすることに意識を集中させよう。コアを引き締めていないと、図らずも背中が曲がって苦痛を伴うかもしれないとジョーンズは注意を呼びかける。
3.爆発的な動きを加えたバーピー
バーピーの最後の部分で、スクワットの姿勢から立ち上がったらできるだけ高くジャンプする。 「ジャンプをすると心拍数がかなり上がります。大腿四頭筋を使うスクワットジャンプと同じです。 私たちはこれをパワーバーピーと呼んでいます」とジョーンズは説明する。
4.ドンキーキックを加えたバーピー
プランクの姿勢をとり、かかとがお尻につくように脚を蹴り上げる。着地してプランクの姿勢に戻り、前方に足元を勢いよく移動させ、手の後ろで着地。立ち上がってジャンプする。
5.ショルダータップを加えたバーピー
プランクの姿勢になったら、片方の手で反対側の肩に触れる。 同様に反対側の手で肩に触れる。 バーピーを最後まで行う。
ワークアウトにバーピーを取り入れよう
バーピーは、HIITワークアウトの一つとして行われることが多い。 このタイプのワークアウトは、一定時間行い、一定時間の休憩を挟むという形で組み立てられる。たとえば、バーピーのような1つのエクササイズを30秒行い、15秒の休憩を挟んで、次のエクササイズを30秒行う。
「バーピーは、体力が要る負荷の高い運動です。 負荷の低い運動や休憩と組み合わせることをおすすめします」とバーカウは言う。 胸と肩を使うバーピーの運動とのバランスを考え、調和の取れたルーティンを組み立てるために、ローイング、スーパーマンポーズ、ラットプルダウンなど、背中や姿勢筋をターゲットにする運動と組み合わせるよう、バーカウはアドバイスする。
バーカウによると、バーピーは、筋力トレーニングの仕上げの有酸素運動として取り入れられることもあるとのこと。 目的を持ち、正しい方法で各エクササイズに取り組んで効果を最大限に高めるには、バーピーを筋力トレーニングの最後に取っておくのがベストだと彼女は説明する。
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文:ジェシカ・ミガラ