アップライトローを習得しよう

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すぐに試せる数種類のバリエーションもご紹介。

最終更新日:2023年2月28日
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エキスパートおすすめのアップライト ローのバリエーションに挑戦

ローイングスタイルの動きをワークアウトに取り入れると、全身を鍛えられる。 特に腕を鍛えたい場合は、アップライトローがおすすめ。ローイングマシンさえ必要ない。

ローイングマシンやボートでは、腕をまっすぐ前に伸ばし、胸に向かって引き寄せる動きが中心となる。だがアップライトローの場合は、垂直方向の動きを使うという違いがある。 つまり、背中をまっすぐにして立ち、膝を少し曲げ、足を平行に開き、ダンベルやバーベル、ケーブルなどのウェイトをオーバーハンドグリップで握って動かすのがアップライトローだ。

「ロー」(row)とは、手を肩の高さへ引き上げながらウェイトを体の前面に引き寄せ、肘を首の高さで横に突き出し、ウェイトをあごの高さで一時停止する一連の動作を意味する。そう説明するのは、筋力トレーニングガイド『Return to Center』を著したロッキー・スナイダー(認定ストレングス・コンディショニングスペシャリスト)だ。

この動作で鍛えられる主な筋肉は、三角筋後部(肩の後ろ)と僧帽筋上部(肩の上部)だ。

(関連記事:ベンチプレスはダンベルとバーベルのどちらが効果的?

アップライトローの準備

新しいエクササイズを始めるときは、まず正しいフォームで基礎をマスターすること。自重または非常に軽いウェイトでスタートしよう。 たとえばバーベルの代わりに、ほうきの柄のような形状の木製の棒を使用してもいい。アップライトローの動きの練習をサポートし、正しいフォームの確立に役立つ。

(関連記事:ホテルの部屋でできる自重ワークアウト

スナイダー氏が注意を促す。「アップライトローがうまくできない人は、主にフォームに原因があります。 フォームに問題があると、腰の損傷につながる恐れがあるのです」

以下のヒントを参考にして、運動中に腰と背中を保護し、適切な筋肉を鍛えるために役立つフォームを身につけよう。

  • 肩を前に丸めたり、後ろに反ったりせずに、ニュートラルな位置に保つ。 肩を前に丸めると回旋筋腱板の損傷につながり、後ろに反ると腰の損傷につながる可能性がある。
  • 安定させるために体幹を軽く動かすのはよいが、お腹を引っ込めると腰に負担がかかるので注意。
  • コントロールしながらウェイトを下ろす。 ありがちな間違いは、ウェイトを急激に下ろしすぎること。フォームを崩してしまわないように気をつけよう(スナイダー氏談)。
  • このとき、膝を伸ばし切って後ろに反らさないように注意。 膝を少し曲げた状態で動くと、ヒップ周辺の筋肉が動員され、腰への圧力が解除される。

最初にしっかりフォームを体得することで、負荷やテンポなどのバリエーションを加えたときに生じやすい張りや痛みを予防できる。

ウェイトを使った正しいフォーム

ウェイトを使用する場合は、正しいフォームをより意識する必要がある。そう語るのは、ビル・ケリー(理学療法博士)。 認定カイロプラクティックスポーツプラクティショナーの有資格者でもある。 最も難しいポイントとしては、肘の位置が低すぎてしまい、肘が頭の両側の高さまで勢いよく上がらないケース。 あごまで持ち上げるには重すぎるウェイトを選択すると、肘が完全に上がってこない。 この状況では、手首、肘、肩に過度のストレスがかかってしまう。

「他の悪い例も挙げておきましょう。ウェイトが体から前方向に離れすぎていること。肩が丸まっていること。ウェイトを下げるときに体が前方に引っ張られたり、ウェイトを上げるときに左右アンバランスになったりすること」とケリー氏が説明する。

ウェイトを上げる際に、勢いを利用して振り上げがちになる人も多い。だがこのフォームでは、全体の動きが崩れてしまう。そう指摘するのは、ジェシー・フェーダー(認定ストレングス・コンディショニングスペシャリスト)だ。 ウェイトが非常に重い場合、勢いを利用してより速く持ち上げようとスイングさせる人も多い。だがそもそもアップライトローは、低レップ高負荷を意図したエクササイズではないとフェダー氏は言う。 決して簡単ではないが、肘を上げることや丁寧にウェイトを下ろすことに集中し、アップライトローの動きをゆっくり進めることに徹しよう。

アップライトローのバリエーション

自重や軽いウェイトを利用したアップライトローに慣れてきたら、バーベル、ダンベル、ケトルベル、ケーブル、レジスタンスバンドや、サンドバッグなど、持ち上げるものの幅を広げてみよう(フェダー氏談)。 異なる手法を用いることで、より多くの筋肉を動かせる。さまざまな運動パターンを通じて、総合的な強さにつながるのだ。

最も一般的な3種のアップライトローは次のとおり。

  1. 1.バーベルアップライトロー

    エキスパートおすすめのアップライト ローのバリエーションに挑戦

    バーベルを使用する場合、ダンベルやケトルベルのアップライトローよりもグリップの幅が広くなる。 バーベルの利点は、バーベルと床が平行になるよう、均等な高さを保って持ち上げる必要があること(スナイダー氏談)。つまり安定性を生み出すために、より多くの筋肉(特に体幹)を動かすテクニックが要求される。 体幹に力が入っていないとバーベルの片側が下がり、わずかなずれでもフォームが崩れてしまうからだ。

  2. 2.ケーブルアップライトロー

    エキスパートおすすめのアップライト ローのバリエーションに挑戦

    ストレートバー付きのケーブルプーリーマシンを使ったバリエーションだ。 ダンベルやバーベルと異なり、ケーブルシステムではレジスタンスの角度と量を変えられるのが利点だとスナイダー氏は語る。 「プーリーの位置を変えると、体にかかる力の方向を変えられます」 この方法は、座ってエクササイズをする場合でもより多くの筋肉を動員できて有益だ。2019年に発表された『ACSMヘルス&フィットネスジャーナル』でも解説されている。

  3. 3.ダンベルアップライトローまたはケトルベルアップライトロー

    エキスパートおすすめのアップライト ローのバリエーションに挑戦

    2つのウェイトを使用すると、1つのウェイトよりも腕の動きの自由度が高まる(スナイダー氏談)。 バーベルと比較しても対称的な筋力の増加が促進されるため、プルアップデッドリフトなど他のエクササイズの準備にも役立つ。これらの動きも上半身の対称的な力に依存しているからだ。 また、2020年の『国際環境研究公衆衛生ジャーナルI』に掲載された研究によると、対称性をキープすることで筋肉のアンバランスを防止できる。動きのコーディネーションが改善され、けがのリスクが軽減される可能性もある。

ワークアウトにバリエーションを加えることで得られるメリット

アップライトローは基本的なエクササイズであるため、さまざまなアレンジを簡単に加えることができる。これはワークアウトのマンネリ化を防ぎ、より高い効果を引き出すことにもつながる。どのバリエーションでも、正しいフォームを通じて同じ筋肉を鍛えることが可能だ。 たとえば、サンドバッグ、ケトルベル、シングルケトルベル、ウェイトプレート(エッジを掴む)、フィットネスチューブなどを試してみよう。

さまざまな器具を使って複数のバリエーションをローテーションさせるのは、ワークアウトに飽きないためのコツだ(スナイダー氏談)。レップ数、セット数、重量を増やしたり、リフティングのテンポを変えたりと、あらゆるオプションがあることを覚えておこう。 ただしエクササイズのルーティンを変更したい場合は、変更前に認定パーソナルトレーナーや認定ストレングス・コンディショニングスペシャリストなどの専門家に相談するのがベストだ。

スナイダー氏は次のように語る。「動きが遅くなればなるほど、難易度が上がります。 強度レベルを上げるには、スーパーセット法もおすすめ。セット間の休憩を最小限に抑え、三角筋後部と僧帽筋上部を疲労させるエクササイズを付け加え、1セットにつき2つのエクササイズをこなします」

結論

アップライトローでは、いずれのタイプを実践しても上半身の鍛錬に効果がある。どれを選ぶかは、最終的には本人次第だ(ケリー氏談)。

どのタイプを選んでも、正しいフォームに集中すれば上半身の筋肉を鍛えながら体の安定(スタビリティ)と動きの正確さ(コントロール)が向上できる。身につけたスタビリティとコントロールは、他のワークアウトでも役立つはずだ。

文:エリザベス・ミラード(ACE認定 パーソナルトレーナー

エキスパートおすすめのアップライト ローのバリエーションに挑戦

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公開日:2023年2月22日

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