偏光サングラスの仕組みと機能 専門家が解説

健康とウェルネス

偏光サングラスの仕組みと特長について、アイケアの専門家が解説する。

最終更新日:2022年12月19日
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偏光サングラスとは?

新しいサングラスを買おうと思ったとき、ある選択を迫られる。偏光レンズを使用したサングラスと、標準的なレンズを使用したサングラスのどちらがいいのだろうか? そもそも偏光サングラスにはどんな機能があるのだろうか?

眼科医のアシュリー・ブリセット(医学博士、 理系修士号取得、 カナダ王立外科医師会会員)と、検眼医のアンドレア・ソー (米国検眼学会会員、米国検眼協会元会長)が、偏光サングラスの疑問に答える。

偏光サングラスとは?

偏光サングラスとは?

偏光サングラスのレンズには、まぶしい光を抑える特別なコーティングが施されている。そのため直射日光の当たる屋外で、視界を明瞭にする効果があるとブリセット博士は説明する。

「偏光レンズは、一定方向からの光がレンズと目に入るのをブロックしてくれます。 たとえば水面に反射する光。 水面に当たった光は四方八方に散らばり、視界がぼやける原因になります」

偏光レンズはこのような光の一部をフィルターで遮断するため、視界がよりクリアになって、まぶしさが抑えられるのだ。 その一方で、偏光レンズがフィルターがある程度の光を遮断するため、偏光サングラスをかけると視界が暗くなったようにも感じるはずだ(ブリセット博士談)。

逆に偏光レンズを使用していないサングラスは、レンズにコーティングが施されていない標準的なサングラスのこと。 標準的なサングラスは、非常に明るい屋外で使用する場合など、環境によって偏光サングラスよりも周期が見えづらく感じることがある(ソー医師談)。

サングラスに関する重要な知識としては、偏光機能と紫外線保護機能(UVカット)が別物だということもおさえておきたい。

「太陽から降り注ぐ紫外線は、白内障、黄斑変性症、目の周辺の皮膚がんの要因にもなります」とソー医師は言う。 紫外線保護機能(UVカット)のあるサングラスは、目やまぶたに悪影響を及ぼす有害な紫外線をブロックしてくれる(ブリセット博士)。

つまり2つの機能はそれぞれ別の効果を謳っているので、「偏光サングラスなら紫外線保護効果もある」と考えるのは間違いだ(ソー医師談)。 ソー医師のおすすめは紫外線100%カットと明記されたサングラスだ。さまざまな価格の製品があるので、表示に気をつけて選んでみよう。

偏光サングラスとは?

どんな場合に偏光サングラスを使用するべきか?

アクティビティの種類による。 ボート、魚釣り、ゴルフ、雪の中で長時間過ごす屋外でのアクティビティなら、標準的なサングラスよりも偏光サングラスの方がいい。クリアな視界と目の快適さを手軽に確保できるからだ。

「水面や雪などに光が反射するような環境では、アクティビティ中に光をまぶしく感じる可能性が高くなります」とブリセット博士は言う。

偏光機能によって視界が楽になる状況は、屋外以外の日常生活でも起こりうる。 偏光サングラスは、日中の自動車の運転にも役に立つ。白っぽい色の歩道や他の自動車のボンネットに太陽光が反射するからだ(ソー医師談)。

まぶしさが抑えられると視界がはっきりして、標準的なサングラスよりも目が楽になるという。 つまり眼精疲労に悩む人や、まぶしい日光に刺激を感じる人にも有効ということだ。

瞳の色が薄い人は、濃い人よりも日光、蛍光灯、白熱灯などの明るい光に敏感に反応する可能性がある(ソー医師談)。 色の濃い瞳には、まぶしすぎる光から目を守る色素が多く含まれているからだ。

そして偏光サングラスは、自動車のドライバーにもメリットがありそうだ。 2009年の研究によると、偏光サングラスをかけたドライバーは、単なるカラーレンズのサングラスをかけたドライバーより、日中の最も明るい時間帯の反応が最大で15%速かった。

偏光サングラスとは?

おすすめの偏光サングラスとは?

偏光サングラスを購入する際は、偏光レンズが使用されていることを示すラベルをチェックしよう(ソー医師談)。 性能をテストするため、サングラスをかけて何かの画面を見てみよう(ブリセット博士談)。

「首を左右にかしげたときに画面の明るさが変わったら、そのサングラスは偏光レンズを使っているということになります」

偏光サングラスと標準的なサングラスのどちらを選ぶにしても、屋外では一年中サングラスを使用するように米国検眼協会は推奨している。どんよりとした曇りの日でも、紫外線は雲を通り抜ける可能性があるからだ。 曇りの日には偏光サングラスは必要ないかもしれないが、目を守るために、紫外線保護機能付きのサングラスを年中使用するべきだ。 濃い色のレンズを使った偏光サングラスをかけると、目に十分に光が届かないことも覚えておきたい。特に暗い環境や曇りの日には見えづらくなる(ブリセット博士談)。

そして目をしっかり守るために、紫外線を100%ブロックする高品質のサングラスを購入したほうがいい。これはソー医師とブリセット博士からのおすすめだ。 すべての偏光サングラスが、紫外線保護機能を備えているわけではない。だから紫外線保護効果がラベルに記載されているかどうか、買う前に確認しよう。

予定されているアクティビティや、自分の目に最適なサングラスのタイプが判断できないときは、専門家に相談してみるのがいいだろう(ソー医師談)。 その場合は、検眼医や眼科医の診察を受けるのが望ましい。こういった医師は年1回の総合的な眼科検診を実施し、個人のニーズに応じたアドバイスも提供してくれる。

文:ジェシカ・エストラーダ

公開日:2022年12月19日

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