クロストレーニングシューズの特徴とその選び方
購入ガイド
クロストレーニングシューズは、ランニングシューズ、テニスシューズ、バレーボールシューズの特性を兼ね備え、あらゆるスポーツや運動でアスリートが快適に履けるシューズ。
フィットネスの目標が何であれ、日々のワークアウトでは、さまざまな動きを組み合わせて行うことが多く、その動きに合せてデザインされたギアが必要だ。
とはいえ、トレッドミルからウエイトトレーニングに移るときや、HIIT(高強度インターバルトレーニング)でボックスジャンプからバーピーに移行するときに、いちいちシューズを変えたくはないだろう。多くのアスリートがクロストレーニングシューズを選ぶ理由はここにある。
クロストレーニングとは
クロストレーニングとは、日々のフィットネスに、さまざまなスポーツ種目の運動を取り入れるトレーニング。心肺持久力、筋力、柔軟性、バランス能力など、あらゆる要素を少しずつ鍛えるための、理にかなった手段だ。
実際、American College of Sports Medicine(アメリカスポーツ医学会)は、週に一度のトレーニングとして、有酸素運動、ウエイトトレーニング、ストレッチ、また敏捷性、バランス能力、コーディネーション能力を鍛える運動を組み合わせて行うことを、人々に推奨している。ウエイトトレーニングを習慣にしているアスリートは、他のスポーツでもパフォーマンスを向上できる可能性がある。
80年代から90年代にかけて、ジムに通い、全身を鍛えるワークアウトに励むことがアスリートの間で一般的になった。しかし、一足のシューズでさまざまな運動に取り組んでいた。
そこでNikeは、最初のクロストレーニングシューズ、エアトレーナー1を開発。このシューズは、一回のワークアウトにさまざまな運動を取り入れて行うアスリート向けにデザインされた。
以来、クロストレーニング用スポーツシューズの市場は拡大し、シューズを選ぼうとすると途方に暮れるほど選択肢の幅も広がった。
次に、自分に適したシューズを絞り込む方法について説明しよう。
クロストレーニングシューズとは
まず、定義を知るところから始めよう。クロストレーニングシューズ(トレーナー、またはクロストレーナーと呼ばれることも多い)は、さまざまな動きに取り組むアスリート向けにデザインされた、ハイブリッド型のスポーツシューズだ。
その構造は、ランニングシューズ、テニスシューズ、バレーボールシューズの特性を併せ持つ。優れたクロストレーニングシューズは、かかとも前足部もクッション性が高く、左右に動くときに安定性を発揮する。各種のスポーツや運動に適しているというのも、クロストレーニングシューズの特徴だ。
クロストレーニングシューズの用途
クロストレーニングシューズは、どのような運動にも対応できるようデザインされているが、特に、ハイブリッド式のワークアウトに励んだり、複数種目のスポーツに取り組んだりするアスリートに最適だ。
たとえば、ジムで、有酸素運動とウエイトトレーニングの両方を行いたい場合に効果を発揮する。そのほか、次の用途に最適だ。
- 有酸素運動とHIIT(高強度インターバルトレーニング)を組み合わせたトレーニング
- ズンバなどのダンスのクラス
- ヨガ
- 軽いサイクリング
- バレーボール、バスケットボール、テニス
長距離を走るのなら、ランニングシューズも必要だろう。そうではなく、ウエイトリフティングのクラスに出て、その後にヨガを行うためのシューズが欲しいということなら、クロストレーニングシューズ一足で対応できる。
もちろん、どのクロストレーニングシューズを選んでも同じということではない。シューズは、使われている素材や機能がさまざまで、自分にぴったりのクロストレーニングシューズとなると、それぞれのニーズ、取り組む運動、スタイルの好みによって違ってくる。
クロストレーニングシューズの選び方:4つのヒント
1.フィット感を重視する
トレーニングシューズを選ぶ際は、快適にフィットするかどうかを最優先しよう。
最初に試着するとき、足を触って足指を曲げ伸ばししてみて、きつかったり、引っ張られたり、こすれたりするところがないかチェックしよう。
試着の際は、速乾性のあるスポーツソックスを履き、フィット感を的確に把握しよう。シューズを試すのは、足がむくんで大きくなる午後以降にすること。
店内で試着する場合は、左右に跳ねてみたり、トレッドミルや店の周りで走ってみたり、いろんな動きを試してみて、硬い床や路面でのトラクションを確認しよう。自分のサイズが2つのサイズの中間なら、ハーフサイズ大きい方を選ぼう。
クロストレーニングシューズは、履き慣れるまでにある程度の時間がかかると思うかもしれないが、最初の一歩から快適にフィットするものを選ぶようにしよう。フィットするシューズを選ぶポイントは次のとおり。
- 最も長い足指とシューズのつま先の間に、1/4インチ(約5ミリ)以上の隙間ができる
- 足の甲の上でアッパーが引っ張られず、幅が狭すぎずに足に合っている
- かかとがシューズから抜けることがない
2.土踏まずを知る
一般的に、扁平足の人には動いたときの安定性が高いクロストレーニングシューズが必要で、土踏まずが高い人にはクッション性が高く、衝撃吸収性に優れたシューズが必要だ。
土踏まずが原因で筋肉が緊張したり、関節に障害が起きたりすることがなければ、まず、軽くて足に自然にフィットするニュートラルクッショニングシューズを試すといいだろう。
サポート性の高いシューズが必要と感じるのであれば、スタビリティシューズを選ぼう。スタビリティシューズはクッション性が高いだけでなく、素材によって足を安定させるための工夫が施されている。
3.構造をチェックする
優れたクロストレーニングシューズは、サポート性能と、快適性や柔軟性を兼ね備えている。次に、チェックすべき構造上の要素をいくつか紹介しよう。
- ヒールサポート:ヒールサポートが強化されたシューズが望ましい。熱可塑性ポリウレタンの層にEVAフォームを重ね、軽量性と耐久性を両立させたシューズを探そう。クロストレーニングシューズには通常、底にラバーが使用されている。
- アウトソール:アウトソールとミッドソールが連携して安定性を発揮するシューズを選ぼう。アウトソールは、トラクションを十分に発揮できる厚みと、横方向の動きをサポートできる幅を備えたものが望ましい。
- アッパー:レザーのアッパーは安定性が高く、メッシュや合成素材のものは通気性と柔軟性に優れている。足に汗をかきやすいのなら、通気性の高いメッシュアッパーのシューズを選ぼう。
たとえば、クロストレーニング用にデザインされたナイキ メトコンは、硬めのクッションを配置して安定性を高めるダイヤモンド型のヒール、トラクションを発揮する溝、ダイナミックな動きに対応する前足部のクッション性が特徴。
4.スタイルを選ぶ
定番のニュートラルシューズ、自然を思わせる色合い、カラーが鮮やかな幾何学模様のデザインなど、魅力を感じる要素が満載。スタイルの選択肢には事欠かず、好みにマッチするものが見つかるはず。
しかしスタイルにこだわる前に、快適にフィットするものを選ぶこと。厚底シューズが好きでも、もっと軽いシューズのほうが履き心地が快適かもしれないし、すっきりしたスタイルが好きでも、それでは耐久性が足りないかもしれない。
クロストレーニングシューズに関するよくある質問
クロストレーニングシューズはどのぐらいの頻度で買い替えるべき?
トレーニングの頻度や種類によるが、トレーニング時間が80-100時間を超えたとき、または約半年が交換の目安だ。
シューズは摩耗の兆候が外見に現れる前にサポート性が衰えてしまうものだが、次のような兆候に気付いたらすぐに買い替えるようにしよう。
-足中央とかかとの部分で簡単にねじれる
-アウトソールがすり減っている(これは、ミッドソールがすでに摩耗している証拠)
-アッパーに穴が開いている、または内側が擦り切れている
-かかとを左右からつまんだときに、硬さを感じない
-シューズのせいで痛みが起きたり、まめができたりする
クロストレーニングシューズを買い替えずに長く履きすぎると、足に適切にフィットせず、サポート性が損なわれた状態でトレーニングを続けることになり、けがをしやすくなる。