トレーナー公認、強い体幹を作る上腹部ワークアウト5選
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2人のパーソナルトレーナーが、体幹の安定性向上に最適な上腹部のトレーニングを紹介する。
自宅でもジムでも、上腹部を無理なく鍛えることのできるエクササイズは数多くある。
歩く、座る、立つ、物を持ち上げるというような日常的な動作には、上腹部の強い筋肉が必要だ。 医師、公衆衛生学修士であり、NASM認定パーソナルトレーナーでもあるブリタニー・ノエル・ロブレスは、 上腹部のエクササイズを行うと姿勢が改善されて背骨のアライメントが整い、腰痛の軽減、バランスと安定性の向上、怪我のリスク軽減などの主立ったメリットがあると言う。
本記事では、ロブレスと、ACSM認定パーソナルトレーナー兼NASMコレクティブエクササイズスペシャリストのタチアナ・ランパが、おすすめの上腹部のエクササイズを紹介する。
上腹部のエクササイズ5選
1.アップダウンプランク
ロブレスによると、プランクは上腹部に最も効果のあるエクササイズの一つである。 特に、アップダウンプランクは、上腹部に加え、肩、胸、上腕三頭筋も鍛えることができるのでお勧めだ。
ロブレスはこのやり方を次のように教えている。まず腕立ての姿勢で、足を肩幅に開き、手は肩の真下に置き、腹筋と臀筋を引き締める。 プランクの姿勢で背骨を安定させ、腰が左右に振られすぎないようにするには、体幹と臀筋を使うことが重要だという。
次に、プランクの姿勢になるように、片方ずつ前腕を床に下ろし、上体を落としていく。 次に、片腕ずつ伸ばして腕立ての姿勢に戻す。先に曲げ伸ばしする腕は交互に入れ替えよう。
10~15回を1セットとして、この動きを3セット繰り返す。
また、プランクに慣れていない人には別の動きもあるという。 それには、両手をベンチや椅子などの上に置き、体を傾けた状態にしてこのエクササイズを行う。
「手を高いところに置くことにより、体幹で支えなければいけない重量が減るので、経験の少ない人でも簡単にできるようになります」と、彼女は説明する。
2.ベアホールド
ベアホールド、別名ビーストホールドは、とても良いウォームアップエクササイズだ。体幹全体、特に上腹部に効くので、上腹部のワークアウトに是非加えてほしいとランパは言う。
まず両手と両膝をテーブルトップのポジションに。手は肩の下に、膝も腰の真下に来るようにつく。
「つま先を立てて、膝が床から5センチほど浮くようにします」とランパ。 「この姿勢では、安定性と上腹部の力が強く求められます。 腰が沈み込まないように注意しましょう。 背中にワイングラスを載せてバランスをとるイメージがいいですね」
20~30秒を1セットとして、この動きを3セット繰り返す。 ベアホールドの姿勢の間は、呼吸の調子を一定に保つようにしよう。
3.クランチ
上腹部を鍛えたいなら、ランパもイチオシする定番のクランチが間違いのないチョイスだ。 ここで正しいクランチのやり方をおさらいしておこう。まず仰向けに寝て、両足を地面につけ、両手は頭の横に添える。
「腰は床に押し付けながら、上腹部から上体を起こします」とランパは話す。
プロのヒント:上腹部にしっかり効かせるには、上腹部から上体を起こす際に、顎を胸に近づけるように首から頭を引き上げるのではなく(これはありがちな間違いである)、上を見上げることを勧めている。 「頭の向きは目線で決まります」とランパ。 「膝を見るようにすると、上腹部からではなく、首から上体を持ち上げてしまいがちです。 天井やまっすぐ前を見ていれば、お腹から体を起こせるようになりますよ」
上体を起こし終えたら、背中を床につける。これを15回、3セット繰り返そう。
4.バイシクルクランチ
基本のクランチよりも強度を高めたいという人には、ロブレスはバイシクルクランチを勧めている。 バイシクルクランチでは、腹直筋(胸骨と恥骨の間の筋肉)と腹斜筋(体幹の側面に沿った筋肉)を、可動域の範囲内で動かしながら鍛えられるという。
このやり方をロブレスはこう解説する。「仰向けに寝て膝を曲げ、足を地面から離し、 頭の両側に手を置きます。 そうしたら腰を床に押し付けて、腹筋を収縮させましょう。 まず左脚を伸ばしながら、左肘を右膝にタッチ。 最初の姿勢に戻ったら、反対側も同じようにタッチします」
これを交互に、20~30秒を1セットとして3セット行おう。
5.ホローボディホールド
ランパとロブレスは、ホローボディホールドが最も重要な上腹部エクササイズの一つだと口を揃える。 ランパによれば、この運動はプランクを上下逆にしたようなものだという。 またロブレスは、ホローボディホールドは腹部のすべての筋肉を駆使するため、体幹の安定性向上に役立つと言う。
二人が教える手順は次の通りだ。まずは、足を揃えて延ばして仰向けに横たわり、腕を頭の上に伸ばす。 次に、背骨を床にしっかりと押し付けることに留意しながら、頭、首、肩、脚を床から浮かせる。 腕は頭の上に伸ばしたまま、上腕二頭筋を耳の脇につける。
このとき、腰だけが地面と接触しているようにすること。 この姿勢を20~30秒キープし、それを3回行う。このときも呼吸を止めないようにしよう。
「腰や股関節屈筋に痛みを感じ始めたら、そのエクササイズは体にとって高度すぎるというサインだ」とロブレスは言う。 その場合、膝を曲げてテーブルトップの姿勢を取り、痛みを感じる部分の緊張を和らげるようランパは助言している。
文:ジェシカ・エストラーダ