4つのタイプのランニングシューズから最適な一足を選ぶためのヒント
購入ガイド
勘に頼ったランニングシューズ選びから卒業しよう。このガイドが役に立つ。
最高のランは足元から始まる。 つまり、足元のシューズから始まるのだ。 適切なシューズを履けば、どんな距離も飛ぶように駆け抜けることができる。 不適切なシューズを履くと、一歩一歩が苦行になる。
目標を達成するための準備として、自分に合ったランニングシューズを見つけることが重要だ。 しかし、さまざまなタイプのランニングシューズがあるため、どこに注目すればよいか分からないという問題がある。 その上、メーカーはヒールドロップ、スタビリティ、サピネーションといった用語を持ち出し、さらにアウトソール、フォアフット、ミッドフットといった言葉も織り込んでくる。ランナーが混乱するのは当然だ。
それでも大丈夫。 このガイドでは、市販されている最も一般的なタイプのランニングシューズについて詳しく紹介する。 自分にぴったりのシューズを選ぶために役立つヒントをチェックしよう。
サポート性の異なる4つのタイプのランニングシューズ
ランニングシューズにはさまざまなタイプがある。 「ほとんどのシューズは、サポート性のレベルによってミニマリスト、ニュートラル、スタビリティ、モーションコントロールに分類できます」と語るのは、USATF認定ランニングコーチでありStrength Runningのオーナーであるジェイソン・フィッツジェラルドだ。
- モーションコントロール:最も安定性に優れているのが、モーションコントロールランニングシューズだ。 フィッツジェラルドによると、このタイプのシューズは、硬めのフォームをたっぷり使用したミッドソール(ミディアルポスト)、最大限のアーチサポート、大きなヒールドロップ(ヒールとつま先のクッショニングの高低差)といったさまざまな特長を備えている。 これらは重度のオーバープロネーションを抑えるための機能だ。 オーバープロネーションは、ランニング中に足首が内側に傾くことによって生じる。
- スタビリティ:次に安定性に優れているのが、スタビリティランニングシューズだ。 このタイプのシューズは、オーバープロネーションがそれほど重度ではないランナーに適している。 クッショニングを減らし、ヒールドロップを小さくし、ミディアルポストをスリムにすることで、サポート性を少しだけ抑えている。
- ニュートラル:ニュートラルランニングシューズは、オーバープロネーションではないランナーに適している。 このシューズは一般に軽量で、ヒールドロップが小さく、クッショニングがヒールに集中している、とフィッツジェラルドは言う。
- ミニマリスト:名前のとおり、ミニマリストランニングシューズはこれまでに紹介したような付加機能をあまり備えていない。 裸足で走る感覚に近い履き心地を目指したシューズだ。 そのため、余計なクッショニングを取り除き、ヒールを低くしてソールをほぼまたは完全に平らにし、つま先を広げられるようトゥボックスを大きくしている。 このタイプのシューズはサポート性が極めて低い。
その他のランニングシューズのカテゴリー
これらの一般的な4つのタイプのランニングシューズのほかにも、注目するべきランニングシューズのカテゴリーがある。
ロードランニングシューズ:衝撃吸収性を追求し、硬い路面でのランニング時に関節を保護するようデザインされたシューズ。 ロードランニングシューズと普段使いのランニングシューズのどちらも、多くのランナーに必要なサポート性とクッション性を備えている。
トレイルランニングシューズ:このシューズは、多様な地形で長距離を走るランナーに適している。 多くの場合、ヒールとつま先のトラクションによってグリップ性を高めており、滑らかな岩場を走るためのクッション性がある。 Nikeのトレイルランニングシューズは、ぬかるんだトレイルや過酷な天候に耐えられるように作られている。
レーシングフラット:スピードを最大限に高めることを目的とした高性能ランニングシューズ。Nikeのレーシングシューズは、超軽量で、ヒールドロップがほとんどまたはまったくない。
ランニングスパイク:レーシングフラットと同様に、ランニングスパイクはスピードを追求する。 ただし、トラックランニングシューズならではの金属製またはセラミック製のスパイクピンがソールに取り付けられている。 これらのスパイクピンが、トラック、土、芝でのレースに必要なトラクションをもたらす。
「試行錯誤を繰り返して体感しなければ、ランナーは自分の好みや選びたいタイプのシューズを把握できません」
ジェイソン・フィッツジェラルド
USATF認定ランニングコーチ、Strength Runningオーナー
最適な一足の見つけ方
1.プロネーションのタイプを把握する
プロネーションとは、着地の際に足が内側に傾く状態のことだ。 プロネーションはランニングに影響を及ぼす。 やや傾くのが正常だが、多くのランナーは一方向に傾きすぎてしまう。 プロネーションには主にオーバープロネーションとアンダープロネーションの2つのタイプがある。 この違いは土踏まずのアーチや足のタイプによって生まれる。 アーチが低い人はオーバープロネーションになりやすく、 アーチが高い人はアンダープロネーションになりやすい。
2.オーバープロネーションとアンダープロネーションの違い
オーバープロネーションの場合は、体重が内方向にかかりすぎてしまう。 アンダープロネーション(サピネーションとも呼ばれる)の場合は、体重が外方向にかかりすぎてしまう。
オーバープロネーションとアンダープロネーションは、どちらも足が本来の衝撃吸収能力を発揮できず、負荷と不安定性が全身に連鎖してしまうことが問題となる。
プロネーションのタイプに応じてシューズを選ぶと、足は適切な形で着地でき、 地面からの力が分散され、痛みや怪我の防止につながる。 当たり前のことだが、適切なランニングシューズを履けば、より快適にランニングできるのだ。
自分がオーバープロネーションかアンダープロネーションかを簡単に見分けるには、履き古したシューズをひっくり返して、ソールの摩耗パターンをチェックするとよい。 オーバープロネーションなら、シューズの内側の縁が過度に摩耗している。 その場合は、硬めのミッドソールを搭載したスタビリティシューズを選ぼう。 一方、アンダープロネーションなら、外側の縁が過度に摩耗している。 その場合は、ニュートラルシューズが適している。いずれにしても、何足か試して自分に合っているか判断しよう。
Nikeは、オーバープロネーションに最適なシューズもアンダープロネーションに最適なシューズも取り揃えている。 迷ったときは、最寄りのNikeストアでスタッフにアドバイスを求めよう。 おすすめのシューズを教えてくれる。さらには、歩行分析(運動パターンを調べるランニングテスト)を行ってプロネーションのタイプを絞り込んでくれる場合もある。3.自分のランに合ったシューズを選ぶ
「ランニングシューズはトレーニングのツールとして使用するものなので、どのようなタイプのランをしようとしているかを確認することが手がかりになります」とフィッツジェラルドは述べている。
- テクニカルラン:険しい地形を走るなら、トレイルランニングシューズがベストだ。
- スピードラン:ハイペースのインターバルランをするなら、軽量のミニマリストシューズを選ぼう。 足元を軽くすることができる。 また、ロードランかトレイルランかによって最適なシューズが異なることを覚えておこう。
- 長距離ラン:長時間走り続ける長距離ランなら、サポート性に優れたシューズがよい、とフィッツジェラルドは言う。
- リカバリーラン:軽いリカバリーランでは、ミニマリストシューズを避け、サポート性に優れたシューズ(ニュートラルシューズやスタビリティシューズなど)を履くよう、フィッツジェラルドは推奨している。 これにより、体を安定させるために足や脚を酷使することなく、リカバリーに集中できる。
自分に合ったシューズを探すなら、Nikeシューズファインダーを試してみよう。
4.快適さを重視する
結局のところ、自分に合ったランニングシューズとは、最も快適だと感じるシューズだ。 ヒールドロップの大きいシューズのほうが心地良いか、裸足のような感覚のほうが好きか。 ヒールが広がっている(多くのランニングシューズはこのような形状になっている)と、ストライドの邪魔にならないか。 ランニング初心者か、上級者か。 どのようなクッショニングが好きか。
「試行錯誤を繰り返して体感しなければ、ランナーは自分の好みや選びたいタイプのシューズを把握できません」とフィッツジェラルドは言う。 つまり、理想の一足は、さまざまなシューズで何キロも走ってやっと見つかるものなのだ。
シューズをしっかりフィットさせるための3つのヒント
- シューレースをしっかり締め、ランニング中にシューズが緩まないようにしよう。 ただし、きつく締めすぎて足の甲を圧迫しないこと。
- かかとがシューズの後部にぴったりフィットしていることを確認しよう。 動きが妨げられるほどきつくなく、歩いたり走ったりしたときにかかとが擦れるほど緩くもないフィット感がよい。
- 踏み出したときに足がずれないことをチェック。 足が圧迫されたり滑ったりせず、足の動きに合わせてシューズの底が屈曲するものを選ぼう。
ランニングシューズに関するよくある質問
マラソン用のランニングシューズはどのように選べばよいか?
長距離を走るには、サポート性に優れたシューズが必要だ。 トレーニングでは、ランニング中の衝撃を吸収するクッション性の高いシューズを使おう。 レース当日は、性能を重視した軽量のシューズを履くとよい。 念のため、レースの前にレーシングシューズで何度か走ってみよう。
初心者に最適なランニングシューズとは?
初心者だからといって、何度もマラソンを完走しているランナーとは違うシューズが必要なわけではない。 実際のところ、最適なシューズを探す手順はどんなランナーでも同じだ。どのようなランをするのかを考え、プロネーションのタイプを考慮し、快適だと感じるランニングシューズを選ぼう。
トレーニングシューズとレーシングシューズの違いは?
トレーニングシューズは通常、クッションを多くして衝撃吸収性を高めているため、やや重い。 ランニングによって足にかかる負荷を軽減する効果があり、 ほとんどのランでトレーニングシューズを使用する。
一方、レーシングシューズは性能とスピードを追求している。 軽量デザインで、足を踏み出すたびに高反発のフォームクッショニングが推進力をもたらす。 レース用ではあるが、レース当日までしまい込んでおくのはよくない。 何度かハイペースのランニングで履き慣らし、フィット感と履き心地をチェックしておこう。