トライアスロンに欠かせない装備
購入ガイド
トライアスロンレースでトップパフォーマンスを発揮するには、レース前の準備が肝心。 各種目で実力を発揮できるように、必須アイテムのパッキングリストをチェックしよう。
スプリントトライアスロンであれフルのアイアンマンレースであれ、複数の種目に対応する装備を整えるのは簡単ではない。 スイム、バイク、ランのトランジションで苦労するのは、熟練者も初心者も同じだ。 トランジションの準備を万全にしておけば貴重な数分を節約できるが、そのためにはレースに必要な装備をしっかり整えておかなければならない。
ここでは、考慮に入れたい具体的なアイテムをいくつかご紹介。
ウェアのオプション
ウェアは天候によって異なる。たとえば、暑い盛りに開催されるトライアスロンに比べ秋のトライアスロンでは重ね着が必要となるが、オハイオ州立大学ウェクスナー医療センター所属でスポーツ医学を専門とする医師であり、USATF認定コーチでもあるティモシー・ミラー博士は、複数の種目で着用できるウェアの使用を推奨している。 そうすることで、ランからバイクへ、バイクからランへのトランジションでも着替える必要がなくなる。 以下で、速乾性と機能性を重視したアイテムをチェックしてみよう。
ナイキ エアロスイフト シングレット
暖かい日のレースでは、軽さと通気性が特に重要だ。ウィメンズとメンズ向けのナイキ エアロスイフト シングレットは、レース用にデザインされている。 軽量で滑らかなトップスにNike Dri-FIT ADVテクノロジーを搭載し、さらりとした状態をキープ。素材全体に設けた通気孔が、動きに合わせてピンポイントで通気性を発揮する。
ナイキ ライズ 365 トップとナイキ ワン クラシック
タンクトップやシングレットは汗をかくレースには理想的だが、重ね着したいときやトライアスロン中の肌寒い瞬間には、メンズ向けのナイキ ライズ 365 トップやウィメンズ向けのナイキ ワン クラシックのようなアイテムが役に立つ。 通気性と軽量性を兼ね備えたライズ 365の最新バージョンでは、ランナーからのフィードバックを参考に、フロントパネルの熱のこもりやすいゾーンに通気孔を配置。ランニング中も涼しい状態が持続し、トランジション時にも快適な状態をキープする。 ナイキ ワン クラシックでは、軽量でシルクのように滑らかな素材が速乾性を発揮し、汗をかいても肌からすばやく発散させる。
ナイキ エアロスイフト ハーフタイツとナイキ ユニバーサ
下半身のカバー範囲が同じであれば、ランニングからサイクリングへのトランジションが楽になる。 そこで、ハーフタイツという選択肢はどうだろうか? メンズ向けのナイキ エアロスイフト ハーフタイツとウィメンズ向けのナイキ ユニバーサ バイカーショートパンツは、どちらもレース用にデザインされており、速乾性を高めるNike Dri-FITテクノロジーを搭載している。 エアロスイフトは、サポート性に優れたインナー内蔵で、ウエスト周りに鍵やカードの収納に便利なポケットを追加。通気性に優れ、快適に着用できる。 ユニバーサは幅広のウエストバンドで、丸まり、食いこみ、ズレを防止するデザイン。複数の種目で使用する場合に大いに役立つ。また、速乾性に優れた素材がさらりと快適な状態をキープする。
シューズの選択
ミラーによると、レース前にシューズを自転車のペダルに装着し、トランジションの際に足を滑り込ませてすぐに履けるようにしておくことで、時間を節約する選手がいるそうだ。 または、ランニングシューズを履いて自転車に乗るという時間節約術もある。 その戦略をとる場合は、走る距離に応じてシューズを選ぶとよい。 本記事では、Nike Runningのプロダクトラインマネージャーを務めるアンドリュー・バンバローが、最も一般的なトライアスロンのタイプとそれぞれのランニングパートの長さに応じてシューズをご提案。
スプリント(5Kラン):ナイキ ストリークフライ
スプリントは距離が短いため、持久力よりもスピードに集中できる。ナイキ ストリークフライは、ウィメンズ向けとメンズ向けのどちらもスピードという点で際立っている。 ストリークフライは、Nikeで最軽量のレースシューズだ。フルレングスのZoomXミッドソールが、ほどよく軽やかな反発力を発揮する。 超薄型のニットアッパーが快適性とサポートを提供。前足部を補強することで、安定性を高めている。
オリンピックディスタンス(10Kラン):ヴェイパーフライ 3
10Kはマラソン以上のスピードと、それを最後まで持続させる持久力が必要であるため、距離としてはきついかもしれない。 そうした要素を考慮すると、メンズとウィメンズ向けのナイキ ヴェイパーフライ 3が間違いない選択肢だと言える。 中距離とマラソン向けにデザインされたヴェイパーフライは、カーボンファイバー製のFlyplateを搭載し、足をしっかりサポートしながら十分な推進力も発揮する。 かかとからつま先まで配したZoomXフォームが、従来のモデル以上に優れたエネルギーリターンを発揮。弾むような履き心地を実現する。 また、ヴェイパーフライ 3は、スプリントやアイアンマンディスタンスでも頼りになるシューズだ。
アイアンマン(42.195キロラン):アルファフライ 3
マラソンだけでも十分ハードだが、アイアンマンレースには自転車とスイムが加わるため、強い持久力が欠かせない。 メンズとウィメンズ向けのナイキ アルファフライ 3は、マラソンや長距離ロードレース向けに作られているため、大いに役に立つだろう。 ZoomXフォーム、Flyknitアッパー、曲線構造のカーボンプレート、Zoom Airテクノロジーにより、運動効率を追求した推進力のある履き心地を提供。 さらに、Nike史上最軽量のアルファフライであるこのシューズでは、重さを感じさせずにあらゆるクッショニングやエネルギーリターンを実現している。
その他のマストアイテム
ウェアとシューズを揃えた後は、その他のアイテムをバランスよくギアバッグに詰めることに集中できると話すのは、USATF認定コーチでRunning with Lifeを運営するエイミー・ドレッキだ。
- ヘルメット:意外にも、ヘルメットは準備のどさくさに紛れて忘れることがよくあるとドレッキは言う。 レースではヘルメットの着用が義務づけられているため、これは大問題だ。近くにショップがなければ、スタートする前に失格になりかねない。
- タイヤ交換に必要なアイテム:便利な修理キットを用意しておくことが重要だが、すばやく使う方法を身につけておくことも大事だと、ドレッキは指摘する。 レース当日までに、タイヤの修理や交換を何度か練習しておくようアドバイスしている。
- 個人情報を収納した防水加工のバッグ:これはレース関連の情報、ID、緊急連絡先などを入れておくのに役立つ。
- サングラス:走るときは使わなくても、自転車では必要になるとドレッキは言う。 「自転車ではまぶしさを抑え、小石などから保護するために着用します。ヘルメットの内側に置いておけば、忘れずに着用できます」
- ゴーグルとスイムキャップ:これは必須ではないが、スイムキャップをかぶると流体力学を利用でき、ゴーグルを使えば大勢の選手に囲まれても泳ぎやすい。 ミラー博士はこう話す。「レースによっては洗濯機の中で泳ぐような状態になることもあります。 1人で泳ぐときはゴーグルがなくても問題ないかもしれませんが、しぶきを上げて泳ぐ選手たちに囲まれると、特に晴天の日はゴーグルが必要になるでしょう」
- タオル:暖かい天候の日はスイムの後も自然乾燥で対応できるが、気温が低い日は、次の種目で寒い思いをしないで済むように、タオルを準備しておきたい。
- 擦れ防止クリームやスプレー:運動中に擦れが起きやすい部分をあらかじめ保護するのに役立つ。 トレーニングで使っていなければレースでも不要と思うかもしれないが、持っていれば苦痛を減らすために役立つことがあるとドレッキは説明する。
- レース中の補給用の水分と食品:エイドステーションがたくさん用意されているアイアンマンレースでも、経験のある多くの選手は、ハイドレーションパックや、エナジージェルのような炭水化物を含む補給食を携帯する。
- トランジションバッグ:これはレースで使用する装備品を入れるバッグとなる。レース後に必要なアイテムも積み込んでおこう。 たとえば予備のソックス、日焼け止め、すぐに冷却に使えるアイスパック、乾いたシューズまたはサンダル、リップクリームが挙げられる。 また、レースで使うアイテムの予備を入れておくのもよいだろう。 スイムキャップやゴーグル、サングラス、スイムスーツなどは、重複して持っていても役立つ可能性がある。
何よりも重要なのは、 可能な限りレース当日に使うアイテムで練習することだとミラーは指摘する。 レース当日は予期しない出来事が起きるもの。スイムが思った以上に混雑したり、自転車にちょっとした問題が起きて修理に数分取られたりすることもある。 特にトランジションを含め、さまざまな状況を想定して練習しておけば、整った状態でスタートラインに立つことができる。
文:エリザベス・ミラード