トレーナー公認のウォーキングワークアウト3選
スポーツ&アクティビティ
いつものウォーキングをパワーアップする方法をご紹介。
ワークアウトの強度を下げたい日には、気分を変えてローインパクトの運動、たとえばウォーキングワークアウトに挑戦してみよう。
ローインパクトのワークアウトは(心拍数は上昇するが)、負荷を低くしたい日にうってつけだ。 とはいえ、ウォーキングがもたらす健康上のメリットを侮ってはいけない。公園の散歩から近所でのパワーウォーキングまで、どんなレベルの強度でも効果がある。
研究によれば、毎日たくさん歩くことは死亡率の低下に大きく関係する、と国際スポーツ科学協会(ISSA)認定パーソナルトレーナーの シエラ・ニールセンは指摘する。
毎日またはときどきウォーキングを行うと、認知機能が向上するだけでなく、アルツハイマー病発症のリスク低減まで見込める可能性がある、と続ける。これを裏付けるのが2022年の『JAMA Network』に掲載されたレポートだ。疲労による憂うつな気分をすっきりさせるというウォーキングのメンタルヘルスへの効果を示唆する研究結果もある。 これは生理的覚醒(心拍数の上昇など)も一因かもしれない。
そのうえ、ウォーキングは運動の中でも特に費用がかからない。 必要なのは快適なウォーキングシューズ1足だけだ。 こうした理由から、トレーナー公認の3つのウォーキングワークアウト(トレッドミルでのウォーキングワークアウトなど)をフィットネスルーティンに取り入れてみよう。
1. ウォーキングにインターバルを取り入れる
のんびりとした近所の散策をウォーキングワークアウトに変えるには、インターバルを組み込むのがおすすめだ。 認定パーソナルトレーナーで全米スポーツ医学協会(N.A.S.M.)のインストラクターでもあるリック・リッチーによると、通常の速さのウォーキングをエネルギッシュで激しいウォーキングと組み合わせると、一定のペースを維持して歩く場合に比べてメリットが大きいことが研究で明らかになっている。 メリットとは、VO2Max(運動中に体内に取り込まれる酸素の量)の増加、血糖コントロールの改善、体脂肪の減少などだ。
このウォーキングワークアウトはウォームアップとして5分間の早歩きで始めるとよい、とニールセンはすすめる。楽に会話ができるが軽く息が切れる程度のペースで歩き、筋肉を整え心拍数を上げるのだ。 「次にレベルアップして、もっと速いペースで1分間歩き、その後2分間ゆっくり歩いてリカバリーします。これを5~10回繰り返します」
「もっと速いペース」とは、会話がほとんどできず、コンフォートゾーンから抜け出そうと努力するペースだ、と彼女は説明する。 空港で飛行機に乗り遅れそうなときの歩き方をイメージしてみよう。
また、リッチーのおすすめは、3分間負荷の高いペースで歩いた後、3分間ゆっくり歩くというサイクルを合計30分間繰り返すというものだ。
ウォーキングワークアウト最後の締めくくりには、ウォームアップと同じようなペースで5~10分間早歩きしてクールダウンするように、とニールセン。その間に心拍数が元に戻るのだ。
トレッドミルでもマシンのスピードを上げ下げすれば、アウトドアでのインターバルウォーキングを再現できる。
2. いつもと違う地形や風景の中でハイキングをする
ウォーキングワークアウトの健康上のメリットを高めるには、自然の中でのハイキングもおすすめだ。
「アウトドアでの運動によって活力が回復し、意欲的になる一方で、緊張、怒り、混乱、フラストレーションが緩和され、エネルギーが高まることが研究で明らかになっています」とリッチーは話す。
2016年の『American Journal of Lifestyle Medicine』に掲載された研究によると、特にハイキングはメンタルと感情の総合的な健康増進、血圧低下、ストレス緩和、免疫システム強化と関係がある、と彼は指摘する。
まずはウォームアップから始めよう。 ニールセンは、5~10分間はのんびりとしたペースで歩くようすすめている。 「その間に筋肉がほぐれ、心拍数が上昇します」
可能であれば、起伏のある場所や難しい地形を探してみよう。 そして、中程度の負荷で15~20分間ハイキングをする。 「おしゃべりできるが、いつもよりは息が苦しい状態で歩きましょう」とニールセン。
また、15~20分間歩いたら、短い休憩をとって息を整え、水を飲むようアドバイスする。 そして、このサイクルをさらに1、2回繰り返す。 最後にのんびりとしたペースで5~10分間歩いて終了する。
(関連記事:ハイキングがもたらすメリットをエキスパートが解説)
3.トレッドミルでのウォーキングワークアウトで傾斜をつけて歩く
インドアでのウォーキングワークアウトの場合、トレッドミルの傾斜を増加させると、ワークアウトのレベルを(文字どおり)高められる。というのも、水平な面を歩くときよりも、膝関節が鍛えられ、筋肉が活性化するからだ。
「また、斜面を歩くと必要なエネルギーが増えるうえ、平面を歩く場合より代謝コストも大きくなります。つまり、消費カロリーが増加するんです。 実際、ある研究では、代謝コストは平面に比べて傾斜5%で17%、傾斜10%で32%増加するという結果が出ています」とニールセンは説明する。
ニールセンが今回紹介するトレッドミルでのワークアウトは、最初はウォームアップとして2~3%の傾斜を設定し、時速4.8キロ(または自分の平均ペース)で5分間歩く。 それから、傾斜を8~10%に増やして3~5分間歩く。 次はリカバリー時間で、トレッドミルの傾斜を2~3%に戻して1~2分歩く。
このインターバルを各自の体力に合わせて2~5回繰り返す、とニールセンは言う。 最後のクールダウンでは、傾斜0%で5分間、自分の平均ペースで歩く。
ニールセンによれば、重要なのはウォーキング中、姿勢に注意することだ。 「コアに意識を集中し、上半身はまっすぐ、しっかりと伸ばす。踏み出すたびに、臀筋とハムストリングを意識します」
斜面でのウォーキングに慣れてきたら、少しずつ傾斜を増加させて、さらに上のレベルに挑戦することをニールセンは提案する。
文:ジェシカ・エストラーダ