コーチの素質は誰にでもある

帰属意識を育むためのコーチング

子どもの頃に、自分が何かの一員だと心から感じられた瞬間を思い浮かべてほしい。自分の心と体で実感するだけでなく、周りにいる人々や環境からも受け入れられたと感じられた瞬間だ。

最終更新日:2024年6月3日
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コーチの素質は誰にでもある

安心感が得られ、批判されたり悪いイメージを持たれたりすることもなく、恥ずかしさからも解放されていたはずだ。そこでは、自分の限界に挑み、新しいことにだって挑戦できた。また、自己表現や将来の進路を決める力を感じたであろう。

そうした瞬間には、先生、親、コーチ、家族、コミュニティのメンバーといった、あなたを気にかけてくれる大人があなたを認め、勇気づけ、十分な潜在能力を発揮できるようにサポートしてくれていたのではないだろうか。そして今、大人になったあなたの前には、こうした帰属意識をすべての子どもが体験できるスポーツの未来を生み出すチャンスが広がっている。これまでに一度もコーチをした経験がなくても構わない。

経験、バックグラウンド、アイデンティティ、興味は子どもによって異なる。それがコーチをする上で最も楽しい部分の1つであり、時に難しい部分でもある。身体能力から宗教や文化、ジェンダーアイデンティティまで、子どもたちはそれぞれの事情を抱えて練習にやってくる。コーチとしての最も重要な責任の1つは、すべての子どもたちがスポーツの中に居場所を見つけ、自分のどんな部分も否定したり、隠したり、恥じたりする必要がないようにすることだとNikeは信じている。

「私にとっての帰属意識とは、安全で、受け入れられていると感じられ、自分らしくいられる場所を持つことです。自分が誰で、何をして、どこから来たのかについて批評されることのない場所です。インクルージョンは、人々が心地良さを感じ、違いを認め合える場のことですが、帰属意識はその先のレベルにあります」

ジーン・ハンセン
Special Olympics Oregon、学校連携およびユースアウトリーチ部門バイスプレジデント

コーチの素質は誰にでもある

「これくらいの年齢は、発達における重要な時期です。子どもたちは親から自立をする必要性を感じ、チームメイトとより多くの時間を過ごすようになります。ですから、コーチは子どもたちが快適に感じられるような状況を作ることが大切です。サッカーは、子どもたちが快適な空間から出て自分の実力を示すことができる、実験室のような体験だと考えています」

ロベルト・デ・パス
Proyecto Cantera Juntos por México AC、コーチ

コーチの素質は誰にでもある

子どもたちが帰属意識を育むことができると、練習でも日々の生活でもありのままの自分でいられるようになり、幼少期とそれ以降に目標に向かって前進するための基盤となる。結果として、自分の体を心地よく感じるだけではなく、遊び、運動、スポーツに前向きな、共感し合える友好的な子どもの世代が生まれる。

7~12歳の子どもにとって、帰属意識は大きな力を発揮する。「その頃の子どもたちは自立心が増し、仲間との関係性も活発になり始めます」。そう語るのはCoaching Peaceの創設者、ダイアナ・クタイアだ。「子どもたちは、他者が自分をどのように扱い、迎え入れるのかをより強く意識するようになります。子どもたちは、親または保護者を介してだけではなく、仲間を通じて世界を理解し始めるのです」

コーチの素質は誰にでもある

子どもたちの人生の中でも特に刺激的なこの時期に潜在能力を十分に発揮するためには、子どもたちに主体性と安全性を与えることに大人が投資することが必要だ。そうすることで、子どもたちが楽しく前向きな環境で率先して自己探求と自己発見ができるようになる。帰属意識を構築するということは、チームの一員になるというだけではなく、成長や心の安定を促すことで子どもの世界を変えるということでもある。

遊び、運動、スポーツは、成長につながる帰属意識を育む上で理想的な空間であり、コーチングはそれを実現するためのやりがいのある手段だ。世界は、すべての子どもたちが自由で安全に活動しプレーできるように、子どもの成長をサポートすることに情熱を注ぎ、安定した育成関係を提供し、指導という責任を真剣にとらえる、思いやりのあるコーチを常に必要としている。コーチは、子どもがスポーツを継続する上での一番の理由であり、コーチとのポジティブな経験は、生涯にわたりプレーを続ける道へと子どもたちを導く。

コーチの素質は誰にでもある。

女の子をコミュニティでサポートする方法についてもっと学ぼう。

公開日:2024年5月21日

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