妊娠中に体が成し遂げる4つの偉業

Nike (M) が登場

母親と赤ちゃんを健康に保つために、妊娠中の体は驚異の変化を遂げる。「私はすばらしい」という事実を思い出す必要があるときは、これを読んでほしい。

最終更新日:2022年7月26日
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  • 調査結果によると、妊娠は40週間のマラソン(!)に匹敵するほどのエネルギーを必要とする。
  • 体内で赤ちゃんを守る胎盤が形成され、母親と赤ちゃん両方の健康を維持するために、心肺機能が向上する。
  • Nike (M)ページでは、母親へのサポート、洞察に満ちたマインドセット、動作、食事、リカバリー、睡眠に関する情報を豊富に入手できる。


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*このコンテンツの目的は情報提供と意欲の向上であり、診断、治療、特定の医療に関するアドバイスを意図したものではありません。妊娠前、妊娠中、出産後の健康と安全の維持については、必ずかかりつけ医に相談してください。

正直なところ、1人の人間を育てている間には、前向きに受け入れられない出来事もある。妊娠中、不安になったり、疲れ切ったり、むかむかしたり、体が痛くなったりすると、赤ちゃんを生むというプロセスに感謝することがとても難しくなる場合がある。1つだけ確かなのは、あなたの体は驚異的な変化を遂げ、持久力、自己防衛力を手に入れているということだ。

実際に、デューク大学が最近行った研究では、女性が妊娠中に消費するエネルギーの量は、最大で安静時の約2.2倍に上ることが判明した。優れた持久力を有するトップアスリートは、マラソンのようなイベントに参加したとき、一時的にエネルギー消費量がこれより多くなることがある。しかし、9か月にわたって持久力が求められる「イベント」に参加し、妊娠時よりエネルギーを燃やすことはあり得ない。言い換えると、妊娠期の生理学的要求に対応することは、ウルトラマラソンに挑戦するようなものである。ただし、これは1日や2日ではなく、9ヵ月間毎日走る「レース」なのだ。

「妊娠中の体は、休んでいるときでさえ信じられないほど激しく働いています。そう考えると、その体で出勤したり、運動したり、子どもを追いかけまわしたりしているのは驚異的と言わざるを得ません」と、ブリティッシュコロンビア州バンクーバーを拠点とする、運動と不妊治療の専門家のエインズリー・ケーラー博士は述べる。

この9ヵ月間に生じる心理的変化は、その多くが内面的なものであるため、自分でははっきり気づかないかもしれない。そこで、妊娠中の体が(強いほてりを感じない日にも)いかに驚異的かを理解するため、想像を絶するイベントの数々を見てみよう。

妊娠中の体に起こる4つの驚きの変化

1. 体内でまったく新しい器官が形成される

ケーラー博士によると、妊娠初期の13週間で、子宮の血管が再構築され、体内に一時的にとどまる唯一の器官である胎盤を形成する。胎盤の主な働きは、赤ちゃんに血液と栄養を送り、二酸化炭素などの不要物を赤ちゃんの血液から取り除くことである。「基本的には、成長する赤ちゃんの肺、腎臓、消化器系として機能します」とケーラー博士は言う。さらに、赤ちゃんを環境毒素や感染から守るホルモンも生成すると博士は付け加える。胎盤は最強のボディーガードというわけだ。

2. 血液量がほぼ2倍になる

母親と赤ちゃんの両方が十分な栄養と酸素を得られるように、体内を巡る血液の量は妊娠中に増加する。こう述べるのは、運動生理学者であり、イーストカロライナ大学で「妊娠期間および幼児期の共同研究(Pregnancy and Infancy Research Collaborative)」の共同監督を務めるリンダ・E・メイ博士(カリフォルニア州オークランドの認定産婦人科医であるアマンダ・ウィリアムズ医学博士は、血液増加の別の理由を、出産時に起こる出血に備えるためとしている。確かに、人の体は追加の血液を準備できるほど賢い)。実際に、メイヨークリニックの専門家は、妊娠中は血液量が30~50%増加すると述べている。双子または三つ子を妊娠している場合、血液量はさらに増加するとケーラー博士は言う。

追加の血液を送り出すために、心臓は普段よりもっと働かなければならない。ケーラー博士によると、1回拍出量(心臓が収縮するたびに送り出す血液の量)は妊娠が進むにつれて増加。心拍数も徐々に増え、1分間あたり10~15拍多くなる。その結果、体内の血流量と酸素流量が大幅に増加し、顔が文字通り赤くなる人もいる。ケーラー博士いわく、これが「妊婦の輝き」の背景の1つである(知れば知るほど面白い!)。

3. 最大酸素摂取量が増加する

ランニングをする人には嬉しい事実かもしれない。血液と酸素の循環が向上することで、高負荷エクササイズの際に体が取り込める酸素の最大量である最大酸素摂取量も増加するとケーラー博士は話す。スピードランを例にとると、この数値が高いほどエネルギーを生み出すために使用できる酸素の量が多くなり、走り続けることができる。

最大酸素摂取量が増加した状態は、最長で産後12か月にわたって持続する可能性があるため、ワークアウト時にスピードや体力が向上したと感じるかもしれないそうだ。ただ、好条件に恵まれるといっても、9か月以上にわたって靭帯が多大なストレスを受けた状態で、多くの臓器が元の位置に戻ろうとしている時期であるという事実を差し引いて考える必要があると、ケーラー博士は補足する。さらに、医師は通常、産後1ヵ月程度(帝王切開をした場合は6~8週間程度)は運動を再開せずに休息をとることを推奨していると言う。間が空くことによって、再開後初めてのワークアウトは少し大変に感じるかもしれない。産後の回復期は気長にカーディオを構築する必要があるだろう、とケーラー博士は言う。しかし、心配は無用だ。そんな人のためにジョギングベビーカーというものが存在するのだから。

4. 適切な栄養を摂るために味覚が変化することがある

ピクルスとフライドポテトを突然無性に食べたくなることや、以前は大好物だったルッコラのサラダを嫌悪するようになることがある。このような場合は、体が必須栄養素を摂取しようとしているのかもしれない。この理由は解明されているわけではないが、ある系統的レビューで、科学者による見解がいくつか示されている。1つは、ナトリウムを多めに摂取する必要があるため、食べ物の味を薄く感じるかもしれないというもの。結果として、塩に手が伸びやすくなるというわけだ。もう1つは、苦い食べ物がすべて嫌になるのは防御反応の可能性があるというもの。不快な味で自分と赤ちゃんにとって毒になるかもしれない(といっても多分毒ではない)物を、食べないようにしているという説だ。これらは仮説にすぎないが、興味深い話である。


妊娠中、ベストな状態ではないと感じる瞬間もあるが、体は驚異的なエネルギー生成器であると考えて気持ちを落ち着かせよう。これは金メダル級の働きだ。

文:アデル・ジャクソン=ギブソン
写真:ビビアン・キム

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公開日:2022年5月19日