ランニング後に最適なストレッチ

スポーツ&アクティビティ

ランニングが終わったら、リカバリーを促すストレッチを始めよう。

最終更新日:2024年5月9日
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ランニング後に役立つ6種類のストレッチ

ランニングを終えた後に感じる、体の痛み。それは、体が休息と回復を求めているサインだ。

そしてリカバリーにおいて重要な役割を果たすのが、ストレッチ。 筋肉は温まると、柔軟性が高まる。 このため、筋肉が温まっている時にストレッチをすることで体の可動域が広がり、リカバリーを促すことができる。 より具体的に言えば、ランニング直後のストレッチで、ワークアウト後に生じる関節と筋肉の痛み(遅発性筋肉痛)を軽減できるのだ。

ランニング直後のストレッチは必須だが、ランニングの前にも、ストレッチの習慣を取り入れることができる。 ウォームアップに、レッグスウィングやスパイナルローテーション、アームサークルなどの動的なストレッチをいくつか取り入れてみよう。 これらのストレッチを行うことで、徐々に筋肉が温まり、より強度の高いアクティビティに臨む準備を整えることができる。 ランニングを終えたら、今度は特定のポーズをキープするタイプの静的なストレッチを行おう。

でもその前に、クールダウンを習慣化することも大切だ。 少しランニングの強度を落として、5~10分程度、そのまま動き続けよう。 軽いジョギングやウォーキング、またはそれ以外の低強度の有酸素エクササイズがクールダウンには最適だ。 クールダウンの目的は、ランニングで温まった筋肉の温度を維持しながら、心拍数を落としていくこと。 これにより呼吸を落ち着かせ、体を伸ばした状態を長く保つことができる。

クールダウンが完了したら、静的なストレッチを始めよう。 これらはアイソメトリックホールドと呼ばれる静的ストレッチの一種で、ランニングで酷使した部位を伸ばすことができる。

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ランニング後のリカバリーに静的ストレッチが大切な理由

ストレッチを取り入れることで、シンスプリント(すねの内側に痛みが生じるスポーツ障害)をはじめとする、ランニングによる怪我を予防できる可能性が高まる。 ただしその効果についての研究は、未だに賛否が分かれている。 多くの運動科学者は、ストレッチが怪我の防止に役立つメカニズムには、次の2つが挙げられると考えている。

  1. ストレッチによる可動域の拡大
  2. ストレッチによる血流の増加

充分に温められた筋肉を伸ばすと、可動域を広げることができる。 これはランニングパフォーマンスに直接影響を与える。 可動域の狭いこわばった筋肉は、ランニングエコノミーに悪影響を及ぼし、怪我につながる可能性があるためだ。 2019年の研究では、柔軟性の低いふくらはぎがもたらす影響について、調査が行われた。 この研究では、参加者の一部で、バランスと歩行能力に悪影響が及ぼされることが確認された。

エクササイズの終了後、使った筋肉への血流が増えると、リカバリーを加速することができる。 血液が循環すると、筋肉に栄養が運ばれ、乳酸などの不要物が排出される。 これによって、筋肉の緊張やこわばり、腫れなどの症状が現れる遅発性筋肉痛の関連症状や、使った筋肉の筋力低下を和らげることができる。

つまり、ランニング後のストレッチを習慣化すれば、より効率よく筋肉を回復できるようになるのだ。 筋肉痛が和らぐことで、次のワークアウトに向けて、体の準備を整えることができる。

ランニング後に適切なストレッチ

ハムストリングストレッチ

太ももがこわばってしまうのは、ランナーにはよく見られる症状だ。 原因としては、誤ったランニングフォームが考えられる。 歩幅が大きすぎると、太ももが過剰に伸びてしまい、こわばりの原因となる。 この悩みを解決するストレッチを紹介しよう。

  1. まずは仰向けになって、足を前に立てる。
  2. 右脚を上げて引き寄せ、両手で足の裏側を持ち、指を組んでホールドする。
  3. ゆっくりと息を吐きながら、脚を引き寄せていく。
  4. 30秒間キープする。
  5. 脚を入れ替えて、同じ動作を繰り返す。

スタンディング・クアッドストレッチ

上り坂を走ると、大腿四頭筋が疲弊する。 また、平らな道でも距離が長くなると、大腿四頭筋に痛みが感じられることはよくある。 これは大腿四頭筋が着地時の衝撃を吸収し、膝を安定させ、推進力を生み出しているためだ。

  1. 足をそろえて立った状態からスタート。
  2. 右足を上げ、右手で掴む。
  3. 両膝をできるだけ近づけたまま行う。
  4. かかとを優しく臀部の方に引いていく。
  5. 20~30秒間キープする。
  6. 脚を入れ替えて、同じ動作を繰り返す。

ピジョンストレッチ

一歩を踏み出せるのは、股関節屈筋があるおかげだ。 この筋肉のおかげで、私たちは股関節を曲げ、倒れずに脚を前に振ることができる。 しかし臀部や鼠径部のこわばりは一般的によくある症状で、特にデスクワークの人はその傾向が高い。 次のストレッチをやってみよう。

  1. 床に座り、足裏を合わせて膝を大きく広げる。
  2. 右足はそのままの状態で、位置を調節しながら、左脚を後ろに真っ直ぐ伸ばす。
  3. 伸ばした膝が内側に来るようにしながら、右足首は左側の腰の前に置き、骨盤が倒れないようにキープする。
  4. 上半身を倒して地面に近づけ、深呼吸を数回する。
  5. このまま30秒間キープする。終わったら脚を入れ替え、今度は右脚を伸ばして同じ動作を繰り返す。

フィギュアフォー・ヒップフレクサーストレッチ

股関節屈筋を伸ばして股関節を開くストレッチは、もうひとつある。 股関節が硬く、ピジョンストレッチが難しい場合は、こちらのストレッチを試してみよう。

  1. 仰向けになり、膝を曲げて足を前に置く。
  2. 左の膝を外側に向けて、右足の膝の上に左足を乗せる。
  3. 右脚を上げ、自分の方に優しく引き寄せる。
  4. 右太ももの裏をホールドする。
  5. 息を吐きながら、ゆっくりと自分の方に引き寄せていく。
  6. 15~30秒間キープしてから、脚を入れ替えて同じ動作を繰り返す。

シーテッドシングルレッグ・カーフストレッチ

足が地面に着くとき、最初に衝撃を受けるのはふくらはぎだ。 このためランニングを行う人には、シンスプリントを発症しやすい傾向にある。

  1. 床に座り、足裏を合わせて膝を大きく広げる。
  2. 左脚を伸ばし、右の足裏を左ももの内側に付ける。
  3. 左脚に向かって骨盤を倒し、左足の親指を掴む。
  4. 左足の力を抜いて優しく引き寄せ、ふくらはぎとアキレス腱を伸ばす。
  5. 15~30秒間キープしてから、足を入れ替えて同じ動作を繰り返す。

ダウンドッグ

ヨガポーズの新定番としても、ランナーに最適なストレッチとしても活躍するのが、ダウンドッグ。 下背部、太もも、ふくらはぎ、足首から下を伸ばすことができる。 ランニングの後でこのポーズを取ることで、精神的なストレスを和らげ、体を心地よく伸ばすことができる。

  1. 四つん這いになり、手を肩幅に広げた状態からスタート。
  2. 息を吸いながら膝を伸ばし、臀部を押し上げる。このとき足は腰幅に開き、地面に押し付ける。
  3. 腕と脚を真っ直ぐに伸ばし、逆Vの字になるようにする。
  4. 足を交互に屈伸し、脚と足首のストレッチを深めていく。
  5. 太ももが硬い場合は、膝を少し曲げて、両足が地面にしっかりと着くようにする。

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公開日:2022年1月20日

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