専門家がおすすめするスクワットのバリエーション5選
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スクワットをワークアウトのルーティンに加えるべき理由をすべてチェックしよう。
スクワットは、最も効率的なエクササイズの1つだ。 体の中でもとりわけ大きい筋肉群である大腿四頭筋、ハムストリング、大臀筋を鍛えられるだけでなく、正しく行えば全身のワークアウトにもなる。そう語るのは、NASM認定パーソナルトレーナーである ドリュー・シュタウファッハ氏だ。
シュタウファッハ氏によると、スクワットでは体幹を使う必要があり、抵抗を加えると、腕や肩にも力が入るとのこと。
整形外科学の理学療法士として資格を有するデュアン・スコッティ博士(クイニピアック大学で理学療法の臨床准教授も務める)は、次のように述べている。「スクワットがエクササイズとして効率的なのは、腰、膝、足首などの複数の関節を動かすことで、複数の筋肉群を同時に鍛えることのできる複合的な運動だからです。」
また、スクワットは筋力トレーニングとして優れているだけでなく、意外なメリットもいくつかある。
1.その1つは、腰と足首の柔軟性が増すことだ。
スコッティ氏によると、腰椎への圧力を逃がして腰痛を予防するためには、腰の可動域の広さが重要だという。 そのため、脚の筋肉を鍛えるスクワットを習慣的に行うとよい。
足首の可動性が不十分であることも、アクティブな成人によくある問題で、その原因は、ふくらはぎ周りの筋組織(特に腓腹筋とヒラメ筋)やアキレス腱の柔軟性が不足していることだ、とスコッティ氏。 足首の柔軟性とアキレス腱の硬さがスクワットの深さに直接影響することが、研究でわかっている。だからこそ、スクワットのように非日常的な運動を行うことで、腱の健康状態を長期的に改善できるのだ。 スコッティ氏によると、特に、体が凝り固まっていると感じる人にとって、こういった部位の柔軟性を高めるためにスクワットが効果的とのことだ。
2.さらに、スクワットをすることで、怪我のリスクを低減できる。
3.スクワットには、さまざまなバリエーションがある。
従来のスクワットでは使わない筋肉を鍛えるには、バリエーションを増やすことが重要だ。
「同じことを繰り返し続けると、一部の部位に効果が蓄積され、他の部位は鍛えられず、長期的に大きな問題の原因になる可能性があります」とシュタウファッハ氏。 このように筋肉のバランスが悪くなると、関節や腱にかかる負担の増加、他の筋肉の張り、姿勢の悪化といった、怪我につながり得る悪影響が生じる。
大腿四頭筋、ハムストリング、大臀筋はどれも主要な筋肉群であり、たくさんの小さな筋肉で構成されている。 そのため、1種類のスクワットだけを選り好みせず、これらの筋肉群をさまざまな方法で鍛え、バランスの取れた筋力トレーニングプログラムを行うことが重要だ、とスコッティ氏は説明している。
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では、さっそくスクワットを始めるにあたり、 シュタウファッハ氏がすすめるスクワットのバリエーション5選を参考にして、普段のワークアウトのルーティンに加えてみよう。 始める前に、大切なのはフォームだということを念頭に置いてほしい。
スクワットをする際に体をしっかり安定させるには、足のバランスを維持することが重要だ。「指の付け根からかかとまでの間に、体重を均等に分散させなければなりません。 そうすることで、力強い快適な姿勢でスクワットを行えます」とスコッティ氏は言う。
スクワットのバリエーション5選
1.ダンベルスクワットスラスト
両手にダンベルを持ち、足を腰幅に開いて立つ。 ダンベルをあごの高さまで持ち上げ、手のひらを内側に向ける。 そこから、太ももが床に対して平行になるまでゆっくり腰を落とし、スクワットの姿勢になる。または、フォームが崩れないようにしながら、できる限り深く腰を落とす。 次に、体の動きをコントロールしつつ、一気に最初の姿勢に戻し、ダンベルを頭上に上げる。
これを6~15回、3セット繰り返す。
2.ケトルベルゴブレットスクワット
中程度の重量または重いケトルベルを持ち、足を肩幅よりやや広く開いて立つ。 ケトルベルを胸の高さまで持ち上げ、肘を地面に向かって下方向に突き出す(この姿勢をゴブレットポジションという)。 体幹をしっかり引き締め、背すじを自然な状態に保ちながら、お尻を後方に突き出して腰を落とし、スクワットの姿勢になる。 この運動中は、常にケトルベルを体の近くに保ち、肘が膝の外側に開かないようにするのがポイントだ。 その後、大臀筋を使い、かかとから体を押し上げて立位に戻る。
これを10~15回、3セット繰り返す。
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3.ケトルベル相撲スクワット
中程度の重量または重いケトルベルを持ち、 つま先を45度外側に向けた状態で、足を腰幅より広く開いて立つ。 ケトルベルを体の前方、両脚の間に持つ。 体幹を固定し、背すじを自然な状態に保ちながら、お尻を後方に突き出してゆっくり腰を落とし、スクワットの姿勢になる。 深く腰を落とすために、膝を互いに反対方向に向ける。 この動きを正しく行っていれば、特に太ももの内側に力が入っているのがわかる。 フォームが崩れないようにしながら、ケトルベルが床に付くまで腰を落とす。
これを8~12回、3セット繰り返す。
4.メディシンボールスクワットアンドトス
足を腰幅に開いて立ち、軽量または中程度の重さのメディシンボールを胸の高さに持つ。 体幹を固定し、背すじを自然な状態に保ちながら、お尻を後方に突き出してゆっくり腰を落とし、スクワットの姿勢になる。 この間、メディシンボールは胸の高さに維持する。 かかとから一気に体を押し上げて、ボールを頭上に投げる。 ボールをキャッチしたら、すぐに腰を落としてスクワットの姿勢になる。 このスクワットの目的は、スピーディーに動いて心拍数を上げることだ。
これを15~20回、3セット繰り返す。
5.パルススクワット
このスクワットは、ウェイトを使っても使わなくてもよい。 太ももが床に対して平行になるまで腰を落とし、スクワットの姿勢になる。 かかとから体を押し上げて、上下に数センチ動かす。 体を滑らかにすばやく動かし続け、常に筋肉に負荷がかかるようにする。 パルススクワットは回数を決めずにできる限り多く繰り返すよう、シュタウファッハ氏はすすめている。たとえば、30秒続けた後に30秒休み、これを3~5セット行うとよい。
文:フェイス・ブラー