サッカーの技術を磨く基本的な練習方法11選

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ここで紹介するサッカーの基礎練習を通して、スプリント、ドリブル、パス、シュートの技術を向上させよう。

最終更新日:2022年10月31日
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ゲームに欠かせないスキルを上達させる、サッカードリル11選

初心者であれプロのアスリートであれ、スポーツの技を磨くには練習が必要不可欠だ。そして、それはサッカーも同じ。 (ゴールキーパーを除く)全員が手を使うことを禁じられた数少ないスポーツのひとつであるサッカーでは、脚力が土台であると同時に、試合の行方を左右するエンジンでもある。

サッカー技術向上の鍵を握るのは、スピード、敏捷性、フットワークに焦点を当てた基礎練習だ。そう語るのは、セントラルフロリダ大学をはじめとする大学のサッカーチームでコーチ経験を持つ、CSCCA(Collegiate Strength and Conditioning Coaches Association)およびUSAW(アメリカ・ウェイトリフティング)レベル1認定コーチのベン・フレミング氏だ。

アマチュアであれ経験豊富なベテランであれ、技術の向上は、基本に立ち返ることから始まる。 「確固とした土台を築き、基本をしっかりと理解することで、どんなに巧妙な技も必ず打ち負かすことができるでしょう」と、フレミング氏は語る。

ここでは、フィールド上のパフォーマンスを向上させるための基本的なサッカーの練習方法を詳しく紹介しよう。

4種類の基礎練習

ボールをフィールドの端まで運び、最終的にゴールを決めるためには、素早いドリブルとチームメイトへの正確なパス、そしてパワーと精度の両方を備えたシュートが必要不可欠だ。 サッカーボールは弾みやすく、柔軟性があり、時として滑りやすくもあるため、ボールの感覚と性質を掴むことが選手にとって重要となる。 これらのスキルを習得するためにフレミング氏が推奨しているのは、コンディショニング、ドリブル、パス、そしてシュートの4つの領域に焦点を当てた基礎練習を、週に2、3回、30~45分行うことだ。

「ドリブル、パス、シュートは、いずれもサッカーの試合において重要な技術であり、それぞれが相互的に構築されます」とフレミング氏は述べている。

新しい練習法を取り入れるよりも、一貫して同じ練習を続けることで、自分の成長を確認することができる。 「同じ練習を続ければ、3、4週間ごとにボールコントロールやタッチ、スピード、精度が改善されていることを確認できるはずです。」

ここからはフレミング氏がサッカーの技術を磨くために作成した、ドリブル、シュート、パス、コンディショニングの練習法を紹介しよう。

  1. 1.ドリブル練習

    ゲームに欠かせないスキルを上達させる、サッカードリル11選

    ボールをフィールドの端から端まで運んだり、ボールを蹴りながら対戦相手をかわしたり、通り抜けたりするには、素早いボールコントロールが重要だと、フレミング氏は言う。 このスキルを磨くのに役立つ練習法は3つある。

    プロからのアドバイス:ボールを蹴っているときは、視線を下ではなく、前方に向けるようにしよう。

    コーンを使ったドリブル練習

    これはボールコントロール技術を磨く鍵を握る練習だ。

    1. 直線上に5、6個のコーンを直線に配置する。
    2. コーンを倒さないように注意しながら、コーンの間を縫うようにして、できるだけ速くドリブルする。
    3. これを5回繰り返す。

    スラローム・コーンウィーバー練習

    これは実際の試合と同じように、複数の動きを連動させてドリブルを行うため、効果的な練習方法だ。

    1. 5、6個のコーンを4.5mほどの間隔をあけて、幅の広いジグザグ状に配置する。
    2. 1つのコーンから次のコーンに向かって、ボールがコーンの外側を通るようにしながら、斜め方向にドリブルする。 最後のコーンに辿り着くまで、この動作を繰り返す。
    3. これを5回繰り返す。

    プロからのアドバイス:ドリブル中は横方向と前方への動作を同時に行おう。

    高速ドリブル練習

    この方法では、コントロールを維持しながらスピードを出すドリブル練習ができる。 「ボールをパスする仲間を探すために立ち止まる場面をイメージしましょう」とフレミング氏。

    1. 5、6個のコーンを、4.5m5ヤードほどの間隔をあけて配置する。
    2. 4.5m先のコーンを目指してできるだけ速くドリブルし、辿り着いたら完全に停止して、足をボールの上か前に置く。
    3. 同じ動作を次のコーンに向かって繰り返し、また止まる。
    4. スピードとコントロールを維持しながら、同じ動作を続ける。
    5. これを5回繰り返す。
  2. 2.パス練習

    ゲームに欠かせないスキルを上達させる、サッカードリル11選

    サッカーはチームスポーツだ。 ドリブル中、他のチームメイトにボールをパスしなければならない場面が必ず来る。 フレミング氏が推奨する3つの練習法を使って、パスの技術を磨き上げよう。

    ショートパス練習

    これは一般的かつ基礎的な練習方法だ。 ショートパスは、ボールを持つ時間を短くしたり、パスのスピードを速めたりすることで、難易度を上げることができる。

    1. チームメイト、または壁から4.5m離れた位置に立つ (周囲に他の人や物がないことを確認する)。
    2. 足の内側を使って、ボールをパートナーか壁に向かってパスする。 このとき、ボールが地面から離れないよう注意する。
    3. ボールがチームメイトか壁から返ってきたら、ボールを止めて、同じ動作を繰り返す。

    ロングパス練習

    この基礎練習は、スピードを上げたり、ボールを持つ時間を短くしたり、パスの距離を長くしたりすることで、難易度を更に高めることができる。

    1. チームメイト、または壁から13~18m離れた位置に立つ。
    2. スパイクシューズの靴ひも部分を使うと、ボールを遠くまで蹴ることができる。この部分を使って、パートナーか壁に向かってパスを出す。 ボールは地面から離れないように素早く転がすか、または空中に蹴り上げるようにする。 初心者の場合、まずはボールが地面から離れないようにして練習しよう。
    3. 地面か空中でボールを受け取るたびに、一度ボールを止めてから、パスを出すようにすること。

    移動しながらのパス練習

    この練習では、スピードを速めたり距離を長くしたりすることで難易度を高め、より速く、より遠くへパスを出す練習をすることができる。

    1. パートナーと一緒にフィールド上を移動するか、あるいは壁に沿って移動する。 チームメイト、または壁から4.5~9m離れた位置に立つ。
    2. ボールを前方に向かって何回かドリブルしてから、足の内側か靴ひも部分を使って、パートナーにパスするか、または壁に向かってボールを蹴る。
    3. ボールをパスするときは、ボールが地面から離れないようにする。
  3. 3.シュート練習

    ゲームに欠かせないスキルを上達させる、サッカードリル11選

    対戦相手のゴールにボールをシュートしなければ、サッカーの試合で勝つことはできない。 ゴール自体は、的としては大きく見えるかもしれないが、あらゆる動作をしながらディフェンダーの守りを切り抜けることは決して容易ではない。 フレミング氏は、次の方法でシュートの練習をすることを提案している。

    止まったボールのシュート練習

    これはシュートの基本的な練習方法だが、助走をつけることで難易度を高めることができる。

    1. ゴールまたは壁から13~18m離れた位置に立ち、ボールを目の前に置く。
    2. ボールに向かって1、2歩踏み出し、軸足で地面を強く押して勢いをつけ、足の内側か靴ひも部分を使ってシュートする。 ゴールキーパーがゴール中央にいることを想像して、ゴールの右端または左端に向かってシュートする。
    3. 足でボールに力を加えることに集中する。 ゴールまたはターゲットの端を狙う。
  4. 4.コンディショニング練習

    ゲームに欠かせないスキルを上達させる、サッカードリル11選

    サッカーの試合では、走ってフィールド上を移動することや、全力疾走が必要とされる場面が多い。このため、持久力と走る速さは、常に向上を目指していくべきだ。 この技術を磨くための練習法として、フレミング氏は次の2つを提案している。

    ラダー練習

    この基礎練習は、運動を始める前のウォームアップとして、毎日取り入れることができる。 「ラダー練習では、ドリブルの動きと似た動作を練習することができます」とフレミング氏は言う。

    1. アジリティラダーを置くか、約4.5mほど間をあけてコーンを配置するか、同様にコンクリートに四角を描いて、その前に立つ。
    2. 四角の中を出入りしたり、コーンの周りやそばを通ったりと、様々な方法をシャッフルしてトレーニングを行う。
    3. 前向き、後ろ向き、横方向に、できるだけ速く移動する。

    スプリントワーク練習

    スプリントはサッカーの中でも特に重要な要素で、この練習法を実践すれば、筋力と持久力というふたつの能力を同時に鍛えることができる。

    1. マーカーをスタート位置、4.5m、9m、13mの位置に配置する。
    2. スタート位置からマーカーの位置までのスプリントを、それぞれスタート位置から行う。
    3. まずは4.5mの位置まで走り、スタート位置に歩いて戻ってから、今度は9mの位置まで走る。 このエクササイズは、多段往復ダッシュに似ていると言えるだろう。
    4. 疲れ切るまで、この動作を繰り返そう。

    プロからのアドバイス:スプリントを開始する方向を変えると、トレーニングのバリエーションを増やし、より難易度を高めることができる。

文:エイミー・シュリンガー(NASM認定パーソナルトレーナー)

公開日:2022年10月31日