新たなターニングポイント：シム・ソクヒ
Athletes*
韓国を代表するショートトラックスピードスケーターのレジェンド、シム・ソクヒ。氷上でもそれ以外でも勇敢な態度を貫く彼女は、スポーツを通じて多くの若い女性たちにパワーを届けている。
シム・ソクヒは、数々の世界大会への出場歴、記録、メダルを誇るショートトラックスピードスケーター。北京大会も視野に入れる彼女は、「ショートトラックの女王」として揺るぎない地位を確立している。しかし、その伝説的な地位を固めたのは、彼女のアスリートとしての偉業だけではない。自身が受けた暴行について声を上げ、韓国の女性スポーツに大きな影響をもたらしたのだ。そんな彼女が、自分の運命を自分の意志で動かすこと、そしてスポーツがいかに変化を生み出すことができるかについて語る。
ソクヒの伝説は、6歳のときに「食堂のお菓子目当て」で兄のスケートレッスンについていったところから始まる。そんな日々が一変するのは、「リンクの上でレッスンを受けてみたら、とても楽しかった。そのときからアイススケートを習い始めた」ときだったと彼女は言う。
これが、ソクヒが小さな女の子から韓国で誰もが知るショートトラックの女王へと変わる、人生初の大きなターニングポイントだったといえるだろう。しかし、これまでの人生で最大のターニングポイントは何かという質問に彼女はこう答える。「ソチ大会への出場は、私にとっていろいろな意味で非常に大きなターニングポイントでした。ターニングポイントは待つものではなくて、自ら作り出すもの。私たちにはその力があります」
2021年に向けた目標について尋ねると、「アスリートとしてどこまで競技できるか、自分の力でどこまで行けるかを見てみたい。最終的な目標は、ショートトラックスピードスケートチームの韓国代表になることです」
「ターニングポイントは待つものではなくて、自ら作り出すもの。私たちにはその力があります」
– 沈錫希（シム・ソクヒ）
初めてスケートリンクに降り立つ若い女性にアドバイスするとしたら？
「スポーツの楽しさを強調することで、変化を生み出すことができる」と彼女は言う。「若いスケート選手には、身体も心も健康になるようなトレーングをして欲しいです。明確な目標を設定し、自分を信じ、前進してくれることを心から望みます」
「スポーツの楽しさを強調することで、変化を生み出していける」
– 沈錫希（シム・ソクヒ）
ソクヒの行動は、少女たちが自分の信念を貫くためのパワーの源となっている。
2019年、10代の頃より苦しんできた暴力について、勇敢に声を上げたソクヒ。その告発に力づけられた多くの女性アスリートが沈黙を破り、共に変化を求める動きに加わることとなった。
さらに、ソクヒは氷上でも目覚ましい業績を残している。変化を生み出すスポーツの精神を体現しているのは明らかだ。「私は最善を尽くして、自分の生き方を楽しみたいだけです。人にインスピレーションを与える立場になれるなんて本当に恵まれていると思います」