犬と走る8つのヒント
健康とウェルネス
安全を第一に、かわいいペットを連れて颯爽と走るためのヒントをご紹介。
犬と一緒のランニングは、マラソンや記録更新を目指したトレーニングと分けて考えよう。 屋外に出て、ただ自分とペットがランニングを楽しむことを目的にする。
犬とのランニングは、単独でのランニングと異なる。そのため、いくつかのポイントをおさえておかなければならない。 「多くの犬は走るのが大好きですが、ランニングについていく方法がわかっている犬ばかりではありません」とクリス・ベネット(Nike Runningグローバルヘッドコーチ)は言う。
愛犬のリードを掴んで出かける前に、覚えておきたい8つのポイントを紹介しよう。
- ランニングの習慣を作る
- 犬のペースに合わせる
- 十分な量の水を持っていく
- タイムより持久力の向上を目指す
- 調節可能なリードを使う
- 適切な地形のコースを選ぶ
- 終了のタイミングを把握する
- ランニング後は汚れを落とす
犬と一緒に走るには
天気をチェックし、犬種を考慮しよう(この記事の最後で詳しく説明する)。 条件が整っていれば、このガイドを参考にして犬と一緒にランニングを楽しもう。
1.ランニングの習慣を作る
犬は習慣を重視する生き物。だから、決められた行動をよく理解してくれる。 ランニングの準備を犬が落ち着いて待てるように、一連の行動を同じ順序でするように心がけよう。
たとえば、次のような順序で準備するといいだろう。リードをつなぐ。隣に座らせてから、シューズを履く。 水筒を持って出発。この一緒に出かける行動を、トレーニングの一環だと考えよう。2.最適なペースを見つける
自分の思いどおりに走りたいところだが、犬のペースに任せるのが最善の方法だ。 犬と一緒に走るには、多少の我慢も必要になる。ときどき足を止めたり、好きなだけ水を飲ませたり、周囲のにおいを嗅ぎ回らせたりしよう。 大型犬でも、小型犬でも、新しい環境をワクワクしながら探索したり、ちょっとした休憩を喜んだりする。
3.脱水症状に気を付ける
犬とランニングに出かける際は、持参する水分の量を倍にしよう。 自分とかわいいペットが水分を補給するためだ。 ランニング中に、犬は短い休憩を何度か取って、水分を摂取する必要がある。
犬用に水を分けるため、犬用の小さな水入れ(空気注入式がおすすめ)を購入するとよい。4.徐々に距離を延ばしていく
持久力は、すべてのランナーにとって重要だ。まず短い距離から始めて、目標に到達するまで徐々に距離を延ばしていく。 犬とのランニングも同様だ。犬を一緒に連れ出すときは、短い距離から始めよう。 犬が実際に走れるのか、ランニングを好むのかを確認するのにも最適な方法だ。
気乗りしない相手をどうにか連れ出すときは、まずウォーキングから始めること。 そこから少しずつ短いランニングを加えていけばよい。 横に並んで走れるようになるまで、数週間かけて徐々に走る距離を延ばしていこう。5.調節可能なリードを使う
ランニングの最中は動作が速いため、犬をコントロールしやすい状態にしておく必要がある。 自分と同様、犬の安全にも気を配らなければならない。 調節可能なリードを使えば、自分と犬の距離をコントロールしやすく、自動車や他の犬など、周囲に危険がある場合に行動範囲を抑えられる。 調節可能なリードを胸当て式のハーネスに装着すれば安心だ。 ハンズフリーのリードを使用して走る人もいる。
家でハーネスとリードを特定の部分に装着すると、犬はランニングの時間が来たことを察知する。 トイレタイムに備えて、汚物入れの持参もお忘れなく。6.走る路面を考慮する
人が履くシューズには、起伏が多い道路や舗装された路面に対応するクッショニング機能が十分に備わっている。だが犬の足は、それほど丈夫ではない。 アスファルトの上では痛みを感じる可能性があるので、土、砂、草などの路面をランニングコースに取り入れてみよう。 市街地よりもトレイルを走れば、犬も自分も快適に走れる。
7.終了のサインに注意する
犬が飼い主に「今日のランニングはもう十分」と伝えることはできない。だが切り上げるタイミングは見て取れる。 各部位で使用される筋肉一覧:
- 呼吸が過度に荒い
- ペースが遅れる
- 走るのを嫌がる
- 唇を過度にめくる
- 舌の色が赤黒くなっている
- よだれを過度にたらす
水分補給の休憩時に観察して、上記のサインに気付いたら、その日のランニングは切り上げよう。
8.走った後は汚れを落とす
犬はランニングの後に入浴しなくてもいい。その代わり、足にはしっかり注意を払おう。 走っている間に足指の間に小石が挟まり、炎症や感染症を引き起こす場合がある。 走った後に、温かい石けん水を含ませた布で足をきれいに拭いてやれば問題は防げる。
ランニング前の習慣と同じように、ランニング後の習慣も作ろう。 家に入ってご褒美を与える前に、外で足を洗い流したり、 まず玄関で足をきれいにしたりする。 汚れ落としは、飼い主にとっても大事なクールダウンの一部になるはずだ。
「ランが終わったら、必ずごほうびにおやつをあげてください。 人間にも、頑張ったあとにはお楽しみが必要ですよね」
クリス・ベネット
Nike Runningグローバルヘッドコーチ
ランニングに犬を連れて行く理由
犬を飼っている人ならわかるだろう。人間と同様に、ペットもエクササイズが必要だ。 一緒に走れば、自分と犬の両方が体を動かせる。同じ体験を共有するところもいい。 活発な犬種には、たくさんの運動が必要だ。一緒に走れば、自分も犬も家に閉じこもらずにストレスを解消できる。
ランニングは、犬の適正な体重を維持し、精神を明晰に保つ。健康全般や、体力強化にも極めて効果的な方法だ。 犬がジョギングを楽しみするようになれば、自分もジョギングを習慣にしやすくなる。
ランニングに適した犬種とは
一緒に走り続ける心の友が欲しいのなら、どんな犬を選んでもいい訳ではない。 ランニングのパートナーに相応しい犬種を選ぶ必要がある。 走るのが大好きな犬ばかりではないし、走ることに無関心な犬も存在する。
鼻や足が短い犬は、おおむね走るのが得意ではない。 たとえばブルドッグは、レトリバーのように走れない。 外に出て歩きたいだけなら、パグやダックスフントのような犬種でも問題ない。だがしっかり走りたいなら、次のような犬種に注目しよう。
● ラブラドールレトリバー
● ボーダーコリー
● ジャーマンシェパード
● オーストラリアンキャトルドッグ
● ハスキー
● ワイマラナー
● イングリッシュセター
自分と同じ距離を走れる犬なら、どこにでも一緒に連れていきやすい。
天気予報をチェックする
ペットと屋外を走る場合、天候は無視できない。 1年の間には、屋外で犬と走る習慣を諦めなければならない時季もある。 気温が極端に低い季節や、暑い季節は特にそうだ。
夏
犬は毛皮をまとっているため、暑さや湿気にうまく対応できない。 気温が27℃以上、あるいは湿度が70%以上になったら、犬とのランニングを控えたほうがよい。 たとえば、気温が上昇する午後を避けて朝に走ったり、暑さが一段落するまで完全に休止したりする。
暑い日に犬と走れば、犬が熱中症、脱水症、熱疲労で苦しむリスクも高くなる。 どの症状も重篤化する可能性があり、動物病院へ急行することになりかねない。
暑い日は、舗装された硬い路面が犬の足にダメージを与える可能性もある。草地や日陰のトレイルで走ることを検討しよう。 舗装された路面は熱を吸収するため、常に外気よりも熱くなる。 アメリカン・ケンネル・クラブのおすすめは、手で路面の温度をテストすること。手を路面に付けて、10秒間そのままでいられたらOKだ。
冬
寒い日の方が、犬と一緒に走りやすい。 多少の危険があるとしても、寒い日の屋外が好きな犬は多い。 なんといっても毛皮をまとっている。
寒い中で犬と一緒に走れるかどうか判断するのは簡単だ。 自分が寒すぎると思うなら、犬にとっても寒すぎる。 外に出るにしても、冬は安全を期して距離を短めにした方がよい。
犬が寒さを好むかどうかは、犬種、大きさ、毛皮の厚さによる。 すべての犬が寒い日のランニングに向いているわけではない。飼い主は、凍傷、風焼け、体温低下などの危険に注意すること。 犬の方が地面に近いので、人間よりも冷えやすいことを頭に入れておこう。
暑い日と同様に、寒い日も犬の足を痛めないように注意する。 犬用のブーツを購入すれば、犬の足を暖かく保てる。さらには塩化化合物でできた凍結防止剤からも足を守ってくれる。 冷たい路面も、凍結防止剤も、犬の柔らかい足にとっては脅威だ。
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