ランニングとサイクリング、自分にぴったりのトレーニングはどっち?

スポーツ&アクティビティ

共にすばらしい有酸素トレーニングだが、より優れているのはどちらだろう? 疑問にすべてお答えしよう。

最終更新日:2024年12月20日
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ランニングとサイクリング、自分に合っているのはどっち?

ランニングとサイクリングは、どちらもすばらしいトレーニングだ。肺機能、酸素消費量、心拍出量など、心血管系の運動能力を向上させる。 心肺機能を高め、全般的な心臓の健康状態が向上することで疾病の予防にもつながる。

この原則を念頭に置いて、ランニングとサイクリングのどちらが自分に適しているかを考えてみよう。 どちらのトレーニングにも、健康上のメリットはある。 両者の違いは、主にその目的、経験値、個人的な好み、リソースへのアクセスなどによって生じてくる。

心臓の健康に役立つ有酸素トレーニング

自転車とランニングは、どちらも有酸素トレーニングだ。 有酸素トレーニングとは、心拍数を増やして血流量を高めてくれる運動である。

有酸素トレーニングを実践すると、心臓の健康が保たれて、血液と酸素が体内で効率的に運搬されていく。 心臓を鍛えれば肺機能も向上して、効率よく酸素を取り込めるようになる。 心拍出量が高まれば、1回の脈拍で心臓からたくさんの血液を簡単に運び出せる。

有酸素運動が、どんな健康状態の人にでもおすすめできる理由は。 有酸素運動は、近所を散歩する程度の低負荷メニューでも効果がある。 あるいは、高負荷のインターバルトレーニング(HIIT)のように激しい運動でもよい。 必要性に合わせて内容を調整すれば、誰にとっても最適のトレーニングになる。

ダイエットのための有酸素運動

有酸素運動はダイエットにも効果的だ。 こうした運動をすることで、エネルギー消費量が高まり、結果的に1日のカロリー総消費量が多くなる。 有酸素トレーニングで燃焼されるカロリーは、さまざまな要因の影響を受ける。なかでも重要なのは、負荷の大きさと継続時間だ。 たとえば、高負荷の有酸素トレーニングは、低負荷の有酸素トレーニングよりカロリー消費量が多い。 運度の継続時間も重要だ。1時間のランニングは、10分間のランニングよりも多くのカロリーを燃やすことになる。

特定の運動中に燃焼できるカロリーの量は、他の要素からも影響を受ける。 体重や筋肉量が多い人は、運動1回ことの消費カロリー量も多くなる。 筋肉の動きが他の人と同じでも、負荷が大きい分だけ消費エネルギーも増加するのだ。

以上すべての要素が一体となり、カロリーの消費量と体重の減少量に影響を及ぼす。ランニングとサイクリングを比較する前に、この仕組みを理解しておくことは重要だ。

ランニングとサイクリング

トライアスロンに向けたトレーニングでもない限り、通常は1回の運動でランニングと自転車の両方をこなす人はいない。 ならば2つの運動の一方を選ぶにあたって、何を基準にすればよいのだろうか。 両者を比較してみよう。

  1. 1.ランニングは自然な行為

    ランニングは、人間にとって自然な運動だ。 ランニングで体を動かす際に、特別な道具(ランニングシューズを除く)やスキルは一切必要ない。 多くの人にとって、ランニングが魅力的な選択肢となる理由はここにある。

  2. 2.ランニングは初心者にぴったり

    以上の点から、ランニングは初心者にとって理想的な運動だといえる。 健康を増進したくても、未経験のスポーツは誰もがためらいを感じるものだ。 この意味においても、ランニングはすばらしい出発点となるだろう。

  3. 3.ランニングは強度の調整も簡単

    初心者が、いきなりマラソンに挑む必要はない。 まずは1kmだけを走り切ってみよう。 持久力と運動能力が向上してくれば、プロの指導なしで走行距離や継続時間を簡単に調整できる。

  4. 4.ランニングはお腹の脂肪を燃焼する

    ダイエットを目指している人にとっては、ランニングはとくに魅力的に映るかもしれない。 HIITスプリントなどの高負荷トレーニングには、お腹まわりの内臓脂肪を効率的に燃焼させる。この効果は研究で実証済みだ。 HIITランは、時間効率に優れるというメリットもある。1回あたりの所要時間は、たったの5〜15分程度だ。

  5. 5.ランニングで筋肉の張力と骨密度も向上する

    ランニングでは、主に大腿四頭筋、臀筋、ハムストリングといった下半身の筋肉が鍛えられる。 筋肥大の効果は得られないかもしれないが、筋肉の持続的な張力を示す「筋緊張」の向上につながる。 また加齢に従って低下する骨ミネラル量にも好ましい効果がある。

サイクリングをする理由

  1. 1.サイクリングは日々のルーティン取り込みやすい

    運動にサイクリングを選ぶ社会人が増えている。 ジム通いの時間を捻出するより、朝の通勤時間を自転車通勤に切り替える方が簡単だからだ。 自転車で通勤する社会人は、自動車通勤の人より生産性と幸福度が高く、欠勤日数が22%少ないという研究結果もある。

  2. 2.サイクリングは負荷が小さい

    ランニングは、身体にかかる負荷が大きい。 ランナーの25〜30%が、ランナー膝(別名:膝蓋大腿疼痛症候群)に悩まされている。これはランニングにまつわる最も一般的な怪我だ。 原因は、膝の酷使である。 ストライドごとに足裏で着地する衝撃は膝蓋骨まで反響し、大腿骨をこすりながら、膝の痛みや違和感を引き起こす。 その点、サイクリングは身体にかかる負荷が小さい。 関節にかかる緊張も小さくなるため、リハビリで怪我からの回復を図っている人や、関節炎などに悩まされている人にとってはランニングよりも適している可能性がある。

  3. 3.フィットネスバイクも効果は同じ

    屋内でも自転車に乗れるのが、フィットネスバイクだ。 マシンさえあれば、自宅でも運動施設でもサイクリングができる。 音楽に合わせたり、他の人たちと励まし合いながら、高負荷と低負荷の運動を一定区間で交互に繰り返す。 楽しく刺激的なトレーニングをしたい人には、フィットネスバイクが合っているかもしれない。

  4. 4.カロリーの消費量はランニングと同じ

    ランニングは使用する筋肉の部位が多いため、燃焼するカロリーも高いような気がするかもしれない。 ところが実際には、負荷と継続時間を揃えて測定すれば、カロリー消費量は同程度になる。 ハーバード大学医学大学院のウェブサイト『Harvard Health』によると、体重70kgの人が、およそ時速8kmでランニングした場合と、時速19kmでサイクリングした場合を比べたら、30分での消費カロリーはどちらも288カロリーだった。 前述のとおり、サイクリングでも負荷を高めれば消費カロリーが増加する。 フィットネスバイクなら、30分のワークアウトで369カロリーを消費できる。

  5. 5.サイクリングの方が筋肉を肥大させる

    ランニングは筋緊張を高めてくれるが、サイクリングは筋肉量の増加を促してくれる可能性がある。 抵抗にあらがって使うほど、肥大していく筋肉の性質によるものだ。 ペダルが抵抗の役割を果たすため、自転車でハードなトレーニングをこなせば大腿四頭筋に灼熱感が残る。

  6. 6.ランニングとサイクリングのどちらを選ぶ?

    答えはいたってシンプルだ。自分が好きな方を選ぶといい。

    筋肉の増強やカロリーの燃焼が、運動のすべてではない。 自分が楽しめて、実行しやすいことも重要だ。 どちらか一方に強く惹かれるのなら、その直感に従えばいい。 どちらを選んでも、心身の健康増進に役立つ。だから、モチベーションが高まる方を選べばよい。

    もちろん両方やってみてもいい。 1週間のトレーニング計画でランニングと自転車を組み合わせれば、さまざまな筋肉群を鍛えられる。

    トレーニングの前後に、モチベーションを高めるコツがある。まずはNTCアプリをダウンロードしてみよう。

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公開日:2021年12月31日

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