サピネーションに対応するランニングシューズの選び方
購入ガイド
サピネーション(回外またはアンダープロネーション)とは、着地の際に足が外側へ傾いている傾向を指す。 適切なランニングシューズを履くことで、サピネーションを原因とする痛みやけがは防げる。
本来のランニングは、足を交互に踏み出すシンプルな運動のはず。 しかし足が着地する瞬間の状態によって、複雑な問題が発生してしまう。
走行時のフォームは、体重が均等に分散され、足の中央部で着地するのが理想的だ。 これはニュートラルプロネーションといわれる。 足首と脚全体が適切な位置で揃うため、けがのリスクが少ない。 体重が均等に分散されると、着地したときの衝撃もうまく吸収できる。
だがサピネーションとプロネーションは、どちらも歩行の姿勢に悪影響を及ぼし、左右の足の協調を崩す可能性がある。
- プロネーション(オーバープロネーションともいう)とは、足が内側に倒れ込みすぎて、体重が足の内側と土踏まずに分散する状態のこと。
- サピネーション(アンダープロネーションともいう)とは、着地の際に足が外側に傾き、足と足首の外側の縁に体重が分散される状態のこと。 これは足首の痛みや足底筋膜炎、シンスプリント、捻挫、腸脛靭帯(IT)の痛みにつながる恐れがある。
サピネーションが起こる背景には、多くの複雑な要因がある。 アンダープロネーションになりやすい足の構造を遺伝的に持っている人もいる。 生まれつきハイアーチの人や、足の甲が硬い人が当てはまる。 他の要因は、足先、足首、脚部全体の使い過ぎ、けが、筋肉のアンバランスだ。
自分がサピネーションだと感じたら、適切なシューズを履くことが過度なサピネーションを矯正する最も効果的な方法だ。 サピネーションの矯正に最適なシューズは、優れたクッションニング、土踏まずのサポート力、幅の広いトゥボックスを備えている。このような機能で足首から下をサポートしながら、プロネーションの補正と衝撃吸収を助けるのだ。
サピネーション用ランニングシューズに必要な要素は?
1.快適なフィット感
ごく基本的なことだが、足の長さと幅の両方が程良くフィットする適切なサイズのシューズを選ぶこと。これがプロネーションの問題を抱えるランナーのシューズ選びに不可欠な要素だ。 ランニングシューズが小さすぎたり大きすぎたり(または狭すぎたり広すぎたり)すると、サピネーションの傾向は助長される一方だ。2.クッショニングの強化
土踏まずが大きいハイアーチの足は、地面の衝撃を吸収しにくい。そのため、特にクッション性の高いランニングシューズを選ぶ必要がある。 サピネーションのランナーは、まずかかとから着地して、次につま先で踏み出している。そのため、かかとのクッショニングが強化されたランニングシューズでかかとを衝撃から保護し、足運びのフォーム改善を意識することが重要だ。
ただしクッションが多すぎるとシューズの重量が増し、次の踏み出しに必要なエネルギーリターンが低下する可能性もある。 そこでおすすめしたいのが、Nike ReactFoamテクノロジーを搭載したランニングシューズだ。 Nikeはクッショニングと軽量性を両立させたシューズを用意している。このようなモデルは、サピネーションのランナーにも最適だ。 フォームは柔らかく弾力性があり、同時に心地良くて安定性も高い。 地面の衝撃を吸収しながら、高いエネルギーリターンを提供できる強みがある。
3.幅広のつま先部分
サピネーションの傾向がある人の足には、一歩踏みだすごとにつま先を広げられる十分なスペースが必要だ。 足の前側の幅が狭いと動きが制限され、サピネーションによるダメージがさらに大きくなる。つま先部分の広い靴を優先的に選ぼう。
つま先が広がるようスペースを確保することは、サピネーションの傾向がある人にありがちな足底筋膜炎の予防にも役立つ。
4.土踏まずのサポート
土踏まずが大きくてアーチの高い人は、足中央部をサポートするランニングシューズでプロネーションの傾きを補正したい。 土踏まずのサポートがないシューズを履くと、実際にサピネーションを引き起こしてしまうこともある。
足中央部のクッション性と安定性が強化されたランニングシューズを選ぼう。 おすすめしたいのは、Nike ZoomXフォームを搭載したランニングシューズだ。 ロッキングチェアのような形状のフォームが、ランナーのストライドを3段階でサポートしてくれる。 地面から足が離れるときに柔軟性を発揮し、滑らかな足運びと接地時のクッション性を提供する仕組みだ。 足中央部で土踏まずをサポートすることで高いアーチにかかる負担を吸収し、よりニュートラルな蹴り出しに役立つ。
Nike ZoomXフォームは、衝撃吸収性と快適性を兼ね添えている。さらにはサピネーションのランナーが気になるシューズ外縁の摩耗に対しても耐久性を発揮する。
5.足首のサポートと安定性
足底筋膜に過剰な圧力がかかるサピネーションは、足底筋膜炎を引き起こす要因となる。 このような事態を防ぎ、足首の負傷を防ぐためにも、安定性とサポート性が強化されたランニングシューズを選ぼう。
Nike Flyknitは、ランニングシューズの安定性を高めるテクノロジーだ。 高強度の繊維を使用した画期的なテクノロジーで、サポート性、伸縮性、通気性をピンポイントで提供する軽量のアッパーになる。 一体型のアッパーに織り込まれた軽い撚糸が、アスリートの足をシューズのプラットフォームに固定する仕組みだ。 ソックスのようにフィットし、糸が吊橋ケーブルのように機能する。足をシューズに固定しながら、なおかつ足の自由な動きを妨げない。
6.ニュートラルで程良い履き心地
サピネーションの傾向があるランナーには、ニュートラルな履き心地のランニングシューズが必要だ。 反発力に優れたクッション性のあるシューズを履いていないハイアーチのランナーは、走行中に地面の衝撃を吸収できない。
Nike Zoom Airは、反発力をアスリートが実感できる薄型のクッショニングだ。 着地するたびにきつく張られた繊維が縮んで衝撃を緩和し、爆発的にパワフルな跳ね返りを生み出す。その後は、すばやく元の形状に戻るように作られている。
サピネーション用におすすめのNikeランニングシューズ
自分の足にサピネーションの傾向があるかどうかを見分ける方法
1.踏み出し方をチェック
自分の足にサピネーションの傾向があるかどうかを知る一番の方法は、足の踏み出し方を見てみることだ。 足の専門医、理学療法士、または歩行分析ができるランニングシューズショップ担当者に協力してもらおう。
足の専門医が身近にいない場合は、自分の歩き方や走り方を記録して、踏み出し方を調べてみよう。 走るときに足が外側に倒れ込んでいたら、サピネーションの傾向がある。
2.自分のシューズを調べてみる
ランニングシューズとして使用しているお気に入りの一足をよく見てみよう。 シューズの片側だけ摩耗が進んでいないだろうか? シューズ外側の縁がすり減っている場合は、サピネーションの傾向を示している。 ニュートラルなプロネーションなら、シューズの底全体に摩耗の兆候が見られる。3.ウェットテスト
濡れた足で、足跡が見える面に足を踏み入れてみよう。 コンクリートや紙袋、あるいは紙を踏んでみるといい。 土踏まずがほとんど写っていない場合は、ハイアーチが原因でサピネーションが起こっている可能性を示す。
走りながらサピネーションを矯正する方法
1.適切なランニングフォームの練習
サピネーションを直したい場合は、正しいランニングフォームを練習しよう。 自分の足が生まれつきハイアーチで、外側から着地しやすいことに気づいていない人もいる。 かかとからつま先へのスムーズな体重移動を可能にするため、踏み出すたびに母指球で着地することを意識してみよう。 最初は違和感があるかもしれないが、意識的に努力することで徐々に慣れていくはずだ。
重度なサピネーションがある場合も、特定の運動やストレッチで足運びを改善できる。 症状の深刻度に応じて理学療法士に協力してもらうことをおすすめするが、自分でできる対処法もある。
そんなエクササイズの一例が、アキレス腱のストレッチだ。
- 腰幅くらいに足を広げてまっすぐ立つ。
- 片足のつま先を床から離し、つま先を上に向け、かかとだけ地面についた状態にする。
- もう片方の脚を曲げて、深めにストレッチする。
- アキレス腱とふくらはぎがよく伸びているのを感じる。
サピネーション傾向があると、アキレス腱やふくらはぎに負担がかかりやすくなる。このようなストレッチでサピネーションの矯正を促そう。
2.アンクルスリーブを着用する
アンクルスリーブを着用すると、サピネーターによく見られる足首のけがのリスクを最小限に抑えられる。 アンクルスリーブは足首をサポートし、腫れや炎症を軽減する。 重症の場合には、矯正用インサートを足専門医からすすめられる場合もあるだろう。3.シューズの摩耗度を確認する
一般的な経験則としては、半年ごとにシューズを新調する。または靴底(ソール)が摩耗し始めていることに気づいたときが替え時と捉えよう。 シューズのソールがすり減り始めると、必要なサポートを提供できなくなり、サピネーションを悪化させてしまうことがある。