長距離を疲れずに走る方法

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1kmを走るのに疲れを感じる人は、その疲れの原因を突き止め、肉体的スタミナと精神的スタミナの両方を強化するために役立つヒントを学ぼう。

最終更新日:2022年4月27日
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疲れず、より長く走るためにできること

多くのランナーは、走っているときに疲れを感じる。 しかし、その疲れのせいで、一度も立ち止まらずに完走することができなくなったり、走ることすらできなくなったりしたらどうだろうか? ワークアウト中に疲れを感じるのは、心肺持久力を高める必要があることを示す重要なサインだ。 さらに言えば、それは精神的スタミナを鍛える必要があること、そして走るためにどのような準備をすべきかを見直す必要があることを示す指標でもある。

走るとどうしても疲れるという人は、自分が走ることに向いていないと思いがちだ。 しかし実際には、ランナーが運動中に感じる疲れは、さまざまな要因によって引き起こされる。

心肺機能の強化に取り組む

ランナーだったら、疲れを感じたり、5分ごとに歩きを挟んだりせずに、長い距離を走れるようになりたいと思うだろう。 そんなときに取り組むべきなのが、心肺機能の強化だ。

心血管のフィットネスとは、酸素を豊富に含んだ血液を全身に運び、運動中の筋肉に届ける心臓血管システムがどれだけ効率的に働いているかを指す。 心肺持久力とは、この仕組みが運動中にどれくらい持続でき、疲れを感じずにいられるかを指す。

基本的に、心肺機能が優れているランナーはより長く走ることができる。 そうしたランナーの心臓、肺、筋肉、血管は健康で、効率的に機能するということだ。

心肺機能を向上させる方法

心肺持久力を向上させるベストな方法は、できるだけ定期的に走ること。 では、週に何回走るべきだろうか? 毎日走るのはかえって良くない。なぜなら、リカバリーが不可欠だからだ。 トレーニングプランの一環として、心肺系が適応する機会を与える必要がある。

持久力は、運動をどれだけ長く持続できるかを示す指標だ。 持久力を向上させるには、ある程度の長距離ランにトライする必要がある。 1kmの短いランにばかり固執していると、体が新しいストレスにさらされる機会がなく、より高い拍出量に適応することを学習しなくなる。

週に少なくとも1回の長距離ランを組み込むことがおすすめだ。 長距離で自分自身の能力をテストしてみよう。途中で歩きながらの休憩をとってもかまわない。 目標は、休憩の間隔をできるだけ長くし、長時間走り続けること。長距離をノンストップで走れるようになるまでチャレンジしよう。

ヒント:ランナーが疲労感をモニターするのに良い方法は、自覚的運動強度(Rate of Perceived Exertion=RPE、運動時の主観的負担度)を頭の中でメモすることだ。 RPEスケールは、ワークアウトの強度を自己測定するために使用される。 例えば、心拍数が高くて息切れし、走り続けるのが難しい場合は、RPEが10段階のうち9または10であると自己測定できる。 これは高負荷エクササイズであることを示している。 その段階に達したら、スピードを落とすか、RPEが5または6に戻るまで歩いてみよう。 このようなインターバルトレーニングは、持久力を高め、より長い距離を走れるようになるために効果的な方法だ。

精神的スタミナの強化に取り組む

スタミナは、持久力と同義語のように使用されることが多い。 ただし、この2つの用語には重要な違いがいくつかある。持久力が特に身体的な健康に関連しているのに対し、スタミナは精神的な健康をも含む。 つまり、スタミナとは、肉体的にどれだけ長く取り組めるかだけでなく、精神的にもどれだけ長く取り組めるかということ。

走り始めるとすぐに精神的な疲れを感じるかも知れないが、肉体的にはまだまだ対応できる。 ところが、初心者ランナーやランニングをなかなか楽しめない人は、精神的に弱気になると走るのをすぐに諦めがちだ。

精神的スタミナを向上させる方法

ランニングにおけるメンタルブロックを克服し、ひと踏ん張りできるようになるために、次のヒントに従ってみよう。

  1. 1.音楽でモチベーションを上げる

    やる気を起こす音楽のプレイリストを作り、ランニング中に聴くことをおすすめする。お気に入りのアップビートな曲をたくさん盛り込もう。 スローな曲を聴き始めると、それが走るペースにまで影響してしまうことがある。 毎分120〜140ビートのアップテンポな曲がよい。 そうすれば、元気とモチベーションを維持しながらずっと走り続けることができる。

  2. 2.意識を他のことに向ける

    ランニングの大変さに意識が集中してしまうと、疲れやすくなる。 遠くのスポットをゴールに設定して気を紛らわしたり、読んでいる本や仕事のこと、週末の予定など、他のことを考えたりしてみよう。 距離のことではなく、何か楽しいことに意識を向け直すと、より良いペースが保てるはずだ。

  3. 3.イメージを描く

    モチベーションアップにつながることを考えよう。 例えば、ジムでのパフォーマンスを上げたい、体重を減らしたい、もっと自信に満ちた人生を送れるようになりたいなどといったことだ。 こうしたイメージを思い浮かべることで、走る距離を延ばし、ペースを一定に保つための刺激にするとよい。

  4. 4.念入りに準備する

    ランニングは、肉体的にも精神的にも負荷のかかる運動だ。 脱水症状、睡眠不足、空腹の場合や、身体的な準備が不適切な場合などは、走るべきではない。 それにもかかわらず、非常に多くのランナーがこれを破ってしまう。そして、たった1km走っただけでぐったり疲れたり、ペースが上がらないことを悩んだりする。

走るためにどのような準備をすればよいか

  1. 1.カーボローディングを取り入れる

    ランニングの前に炭水化物が豊富な食事をとることは、長距離ランの間に起こるグリコーゲンの枯渇の防止に効力を発揮する。 グリコーゲンとは体内に貯蔵された炭水化物であり、ランニング中に消費される主要なエネルギー源である。 グリコーゲンが枯渇した状態で走り始めると、距離が長くなるにつれて、体は活動を維持するのに十分なエネルギーを得ることができなくなってしまう。

    経験豊富なランナーなら誰でも、朝の大会の前夜または夜の大会前のランチタイムはカーボローディングの時間だということを知っているだろう。 米、パスタ、ジャガイモなどの高炭水化物の食品をとると、より長く走ることができるはずだ。

  2. 2.水分補給をする

    2015年に『Journal of Sport and Health Science』誌に発表されたレビューでは、脱水症状が身体能力の大幅な低下につながる可能性について報告されている。 走る前に、適切な水分補給をすることが重要である。 これにより、けいれんを予防し、水分不足からくる疲労を軽減できる。

    ランニング中とランニング後は、電解質の補充に特に注意を払おう。 『Nutrition』誌に掲載された研究では、「持久力が要求されるアスリートは、トレーニング中およびトレーニング後に炭水化物と電解質を含む飲料を摂取する必要がある」と報告されている。汗で失われた水分を飲み物だけですべて補給できることはないとしつつも、これは最適なパフォーマンスとスピードのために必須なものだとも言っている。

  3. 3.呼吸をコントロールする

    心拍数が上がるにつれて、呼吸数も上がってくる。 しかし、速くて浅い呼吸をすると、体はより多くの二酸化炭素を排出するようになる。 これにより、細胞が酸素を取り入れるのが難しくなる。 その結果、筋肉がけいれんし、脇腹が痛くなったり、疲労を感じ始めたりする。 呼吸の仕方は、ワークアウトに影響を与えやすいのだ。

    そこで、鼻呼吸を試してみよう。 鼻から2回大きく息を吸い、鼻から2回息を吐く。 これにより、呼吸数が安定してきて、適正量の酸素を確実に取り込むことができる。

  4. 4.ウォームアップ

    最初にウォームアップをせずに走るのは避けよう。 ランニング前に5〜15分間、動的ストレッチと低負荷の有酸素運動を行うことで、筋肉を温め、けがのリスクを軽減できる。 トレーニングプランにはウォームアップを必ず織り込み、時間がなくなったり、言い訳を考えたりせずに済むよう対策することが大切だ。 そうしたら、やがてより速いランにも挑戦できるようになるかもしれない。ハーフマラソンの準備を数キロのランから始めることも可能だ。 歩いてクールダウンすることも忘れずに。

    さらにエキスパートからのヒントをチェックするには、Nike Run Club(NRC)アプリをダウンロードしよう。

疲れず、より長く走るためにできること

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公開日:2022年1月7日