ランニングはワークアウトの前と後のどちらに行うべきか
スポーツ&アクティビティ
ワークアウトの前にランニングを行えば持久力を強化できるが、筋力の増強が妨げられる場合もある。 正しい知識で最大限の効果を得よう。
最終更新日:2024年12月11日
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調査によると、クロストレーニングを取り入れているランナーは、よりパフォーマンスが高く、効率的に走れるという。 逆もまた真実で、レジスタンストレーニングを習慣にしていてランニングも頻繁に行う人は、走らない人と比べて持久力や有酸素性能力が優れている。 ランニングと筋力トレーニングを組み合わせて行うと、健康上のメリットが数多く得られるうえ、身体面のパフォーマンス向上につながる。 では、カーディオトレーニングとウエイトトレーニングのどちらを先に行うべきだろうか。
その答えは、 一言で言えば、フィットネスの目標による。 フィットネスプランをいきなり開始するのではなく、明確な目標を設定することが、ベストな方法でトレーニングをする鍵になる。
ウォームアップとしてカーディオトレーニングから始める
ジムでのいつものトレーニングを軽いカーディオエクササイズでスタートさせると、ワークアウトに備えて筋肉を効率よくウォームアップできる。 ウォームアップにより、動かす筋肉の血流が徐々に増えていくため、 ランニングやウエイトによる抵抗といった高い負荷を加える前に、筋肉や関節の柔軟性を高めることができる。 ウォームアップにカーディオエクササイズを取り入れると、けがのリスクを軽減できることが証明されている。
次のようなエクササイズがおすすめ。
次のようなエクササイズがおすすめ。
- その場でのジョギング
- トレッドミルでの軽いジョギング
- ジャンピングジャック
- 縄跳び
ワークアウト前に5-10分ウォームアップすることが望ましい。 このタイプのカーディオエクササイズは、トレーニングセッションの妨げにならない、低負荷の運動だ。 ウエイトリフティングのセッションやランニングの前に実行できるので、先に行うことをおすすめする。
では、負荷の高いカーディオトレーニングや長時間のカーディオトレーニングは、 ウエイトトレーニングの前か後のどちらに行うべきだろうか。 それについて探ってみよう。
筋力を強化したい場合
筋力の強化を目指している人の場合、ジムでのメインのトレーニングは、ウエイトリフティングに重点を置くべきだろう。 特に重要なのは筋肥大トレーニング。 これは持ち上げるウエイトを徐々に重くしていくことで負荷を高めていくトレーニングで、8-12回繰り返す。 重いウエイトを持ち上げて体に負荷をかけると、筋肉細胞に微細な損傷と炎症が生じ、蓄えられたグリコーゲン(炭水化物)が枯渇する。
この状態を回復させるプロセスで、筋タンパク質の合成が起き、 筋肉組織がそれまでより強く大きくなって回復する。 次のトレーニングで筋肉に同じ負荷がかかったとき、対応する力がより強くなるというわけだ。
このメカニズムを知っておく必要があるのは、 ウエイトを持ち上げるためにはエネルギーが欠かせず、それが成果につながるからだ。 取り組むウエイトの重さが十分でない場合や、筋肥大に必要な回数や量をこなすことができない場合、おそらく筋肉は十分な刺激が得られないだろう。
そうなると、肝心の筋肥大プロセスが起きず、筋成長は実現しない。
筋力を強化したいなら、エネルギーを使ってウエイトを持ち上げられるようにする必要があるのだ。 ウエイトトレーニングの前にランニングを行うと、重いウエイトを持ち上げるために必要なエネルギーの蓄えが枯渇してしまう。 また、ランニングの反復運動によって、筋収縮の効き目が減少する。 つまり、疲れ果てて筋収縮の効果が薄れるということだ。 『Journal of Strength and Conditioning Research』に2016年に掲載された研究によると、走り続けるために繰り返される筋収縮と疲労の結果、フォームも損なわれる可能性があることが分かった。 研究者は、負荷が中程度の有酸素のトレッドミルランニングを、筋肥大を目的としたレジスタンスエクササイズの前に行ったときの効果について検証した。 主観的運動強度(RPE)と反復した回数、その他トレーニングの効果を左右する指標を測定。
その結果、ウエイトトレーニングの前にカーディオトレーニングを行ったグループで、反復した回数の合計、平均的なパワー、速度がすべて大きく低下した。 さらに、少ない運動量でもRPEが高くなった。
筋力増強をメインの目標に据えるなら、有酸素運動はワークアウトの後にした方がよいことが示されたわけである。 後に行う場合でも、負荷は軽めにしたほうがよい。 全身または足に高い負荷をかけた後で、カーディオトレーニングで追い込みすぎると、リカバリーに必要な時間が長くなるだけだ。 つまり、カーディオトレーニングとウエイトトレーニングを続けて行うことはなるべく避けた方がよいといえる。
この状態を回復させるプロセスで、筋タンパク質の合成が起き、 筋肉組織がそれまでより強く大きくなって回復する。 次のトレーニングで筋肉に同じ負荷がかかったとき、対応する力がより強くなるというわけだ。
このメカニズムを知っておく必要があるのは、 ウエイトを持ち上げるためにはエネルギーが欠かせず、それが成果につながるからだ。 取り組むウエイトの重さが十分でない場合や、筋肥大に必要な回数や量をこなすことができない場合、おそらく筋肉は十分な刺激が得られないだろう。
そうなると、肝心の筋肥大プロセスが起きず、筋成長は実現しない。
筋力を強化したいなら、エネルギーを使ってウエイトを持ち上げられるようにする必要があるのだ。 ウエイトトレーニングの前にランニングを行うと、重いウエイトを持ち上げるために必要なエネルギーの蓄えが枯渇してしまう。 また、ランニングの反復運動によって、筋収縮の効き目が減少する。 つまり、疲れ果てて筋収縮の効果が薄れるということだ。 『Journal of Strength and Conditioning Research』に2016年に掲載された研究によると、走り続けるために繰り返される筋収縮と疲労の結果、フォームも損なわれる可能性があることが分かった。 研究者は、負荷が中程度の有酸素のトレッドミルランニングを、筋肥大を目的としたレジスタンスエクササイズの前に行ったときの効果について検証した。 主観的運動強度(RPE)と反復した回数、その他トレーニングの効果を左右する指標を測定。
その結果、ウエイトトレーニングの前にカーディオトレーニングを行ったグループで、反復した回数の合計、平均的なパワー、速度がすべて大きく低下した。 さらに、少ない運動量でもRPEが高くなった。
筋力増強をメインの目標に据えるなら、有酸素運動はワークアウトの後にした方がよいことが示されたわけである。 後に行う場合でも、負荷は軽めにしたほうがよい。 全身または足に高い負荷をかけた後で、カーディオトレーニングで追い込みすぎると、リカバリーに必要な時間が長くなるだけだ。 つまり、カーディオトレーニングとウエイトトレーニングを続けて行うことはなるべく避けた方がよいといえる。
脂肪を減らしたい場合
脂肪を減らすことを目指している人の場合、ランニングをレジスタンストレーニングの前に行ったり後に行ったり、交互に行うことで、効果を高めることができる。
ランニングの前にウエイトトレーニングを行うと、グリコーゲンの蓄えが枯渇する。 つまりランニングの際にエネルギーレベルが低くなる可能性があるということだが、それは体に蓄えられた脂肪を利用せざるを得なくなるということでもある。 そこで、脂肪を最大限に減らせるというわけだ。
筋肉がつくと、身体組成、つまり筋肉と脂肪の割合が改善される。 ウエイトリフティングは筋肉の増量、維持に役立ち、代謝を高める作用がある。 筋肉量の割合の高さと代謝率の高さは関連していることが、研究で証明されている。 つまり、筋肉が増えれば安静時のカロリー消費量も増えるということ。ウエイトリフティングに取り組む時間を捻出すれば、徐々にカロリー消費量が増え、減量を促進できる可能性があるのだ。
一方、ランニングも減量に効果がある。 ゆっくりペースの長距離ランに、負荷の高いインターバル(HIIT)ランニングを組み合わせると、特に効果的。 有酸素ランニングでは有酸素運動の心拍数、「脂肪燃焼」ゾーンで走る。つまり、エネルギーとして脂肪が使われるのだ。 とはいえ、ペースはゆっくり。
この有酸素ランニングを無酸素ランニングと組み合わせると、消費カロリー全体を増やせるため、効果を最大限に高められる。 無酸素ランニングは、最大心拍数の80%以上で行う。 酸素を使わずに走るので、短時間しか続けることができない。 酸欠状態になるため、運動後過剰酸素消費(EPOC)が生じ、ワークアウト後、最長24時間、代謝が高い状態が続く。
食事でカロリーが不足していれば(減量に最適な状態)、エネルギーレベルが普段より低くなるかもしれない。 ランニングとウエイトトレーニングを交互に行うことが推奨される理由はここにある。体に負荷をかけ過ぎることなく、双方のメリットを享受できる。
ランニングの前にウエイトトレーニングを行うと、グリコーゲンの蓄えが枯渇する。 つまりランニングの際にエネルギーレベルが低くなる可能性があるということだが、それは体に蓄えられた脂肪を利用せざるを得なくなるということでもある。 そこで、脂肪を最大限に減らせるというわけだ。
筋肉がつくと、身体組成、つまり筋肉と脂肪の割合が改善される。 ウエイトリフティングは筋肉の増量、維持に役立ち、代謝を高める作用がある。 筋肉量の割合の高さと代謝率の高さは関連していることが、研究で証明されている。 つまり、筋肉が増えれば安静時のカロリー消費量も増えるということ。ウエイトリフティングに取り組む時間を捻出すれば、徐々にカロリー消費量が増え、減量を促進できる可能性があるのだ。
一方、ランニングも減量に効果がある。 ゆっくりペースの長距離ランに、負荷の高いインターバル(HIIT)ランニングを組み合わせると、特に効果的。 有酸素ランニングでは有酸素運動の心拍数、「脂肪燃焼」ゾーンで走る。つまり、エネルギーとして脂肪が使われるのだ。 とはいえ、ペースはゆっくり。
この有酸素ランニングを無酸素ランニングと組み合わせると、消費カロリー全体を増やせるため、効果を最大限に高められる。 無酸素ランニングは、最大心拍数の80%以上で行う。 酸素を使わずに走るので、短時間しか続けることができない。 酸欠状態になるため、運動後過剰酸素消費(EPOC)が生じ、ワークアウト後、最長24時間、代謝が高い状態が続く。
食事でカロリーが不足していれば(減量に最適な状態)、エネルギーレベルが普段より低くなるかもしれない。 ランニングとウエイトトレーニングを交互に行うことが推奨される理由はここにある。体に負荷をかけ過ぎることなく、双方のメリットを享受できる。
持久力を高めたい場合
ウエイトトレーニングはランニングエコノミーやパフォーマンスの向上に役立つため、ランのトレーニングの一環として組み込めば高い効果が期待できる。 とはいえやはり、持久力とスタミナを向上させる手段として、ランニングに重点を置くべきだろう。
ランニングのためのエネルギーを残しておいたほうがよい。 疲れた状態でランニングを始めると、有酸素能力を十分に発揮できない。 グリコーゲンの蓄えを使い果たしてしまうと、それ以上走り続けることはできなくなる。
グリコーゲンの枯渇が持久運動能力にマイナスの影響を与えることは、研究で明らかになっている。 大きなレースやハードなトレーニング日の前にカーボローディングをするランナーが多いのはそのためだ。カーボローディングで、パフォーマンスに必要なエネルギーを体に蓄えているのだ。 この考え方はいつものトレーニングにも応用できる。 長距離ランを行う場合は特に、ウォームアップとして短いジョギングからスタートして、体の準備を整えよう。
その後、軽めのウエイトトレーニングを15-20回取り入れると、筋持久力の向上に効果的。 回数を増やせば、タイプ1の遅筋繊維が鍛えられる。これは、特に長距離のランニングや量の多いトレーニングを行う際のパフォーマンス向上に役立つ、 この筋繊維は疲労しにくく、ミトコンドリアやミオグロビンが多く存在するため、有酸素性エネルギー代謝が盛んになる。
ランニングを先にするか後にするかを判断するには、フィットネスの目標を検討する必要がある。 最も望ましいのは、ランニングと筋力トレーニングを別の日に分けて行い、リカバリーを可能にして毎回のセッションに全力で取り組めるようにすることだ。 ランニングとウエイトトレーニングのどちらを先に行うべきか判断する際に、必要に応じてこのガイダンスを参考にしてほしい。
ランニングのためのエネルギーを残しておいたほうがよい。 疲れた状態でランニングを始めると、有酸素能力を十分に発揮できない。 グリコーゲンの蓄えを使い果たしてしまうと、それ以上走り続けることはできなくなる。
グリコーゲンの枯渇が持久運動能力にマイナスの影響を与えることは、研究で明らかになっている。 大きなレースやハードなトレーニング日の前にカーボローディングをするランナーが多いのはそのためだ。カーボローディングで、パフォーマンスに必要なエネルギーを体に蓄えているのだ。 この考え方はいつものトレーニングにも応用できる。 長距離ランを行う場合は特に、ウォームアップとして短いジョギングからスタートして、体の準備を整えよう。
その後、軽めのウエイトトレーニングを15-20回取り入れると、筋持久力の向上に効果的。 回数を増やせば、タイプ1の遅筋繊維が鍛えられる。これは、特に長距離のランニングや量の多いトレーニングを行う際のパフォーマンス向上に役立つ、 この筋繊維は疲労しにくく、ミトコンドリアやミオグロビンが多く存在するため、有酸素性エネルギー代謝が盛んになる。
ランニングを先にするか後にするかを判断するには、フィットネスの目標を検討する必要がある。 最も望ましいのは、ランニングと筋力トレーニングを別の日に分けて行い、リカバリーを可能にして毎回のセッションに全力で取り組めるようにすることだ。 ランニングとウエイトトレーニングのどちらを先に行うべきか判断する際に、必要に応じてこのガイダンスを参考にしてほしい。