エキスパートも認めた、ローイングマシンを使用する5つのメリット

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新しいワークアウトを探しているなら、 ローイングマシンを試してみるのがいいかもしれない。その理由をいくつか説明しよう。

最終更新日:2024年12月19日
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ローイングマシンで得られる5つのメリットをエキスパートが解説

運動のためにジムに行くと、つい毎回同じ器具やマシンを使ってしまうという人もいるだろう。 好みがあるならそれも悪くない。でもローイングマシンでのワークアウトが未経験なら、今こそトライしてみてほしい。

ローイングのコーチであり、The Rowing Docの創設者でもあるアマンダ・ペインター・ダイバー(理学療法博士)は、ローイングは素晴らしいエクササイズだが、日常的に自然に行う動作ではないと言う。 「まずゆっくりと慣れ、動き方を身につけるよう取り組めば、ローイングはかなり上達するでしょう」正しいフォームを最初の段階で身につければ、マシンを使いこなせるようになるだけでなく、けがの予防にもつながる。 まずはエキスパートが認めた理由をチェックして、ワークアウトにローイングを取り入れ、その過程で健康上の大きなメリットを得られるかどうか試してみよう。

初心者は、正しいフォームを最初の段階で身に着ければ、マシンを上手く操作できるだけでなく、あらゆる挫折の可能性を防ぐことができる。 手始めに、エキスパートも認める理由を確認し、ワークアウトにローイングを取り入れ、その過程で健康上の大きなメリットを得られるかどうか試してみよう。

ローイングマシンを使用する5つのメリット

  1. 1.ローイングマシンは、全身に働きかけるセッションにもリカバリーワークアウトにも使用できる。

    全身ワークアウトの時はハードに、アクティブなリカバリーの時はライトにといった形で、ニーズに合わせた調整が可能だ。

    研究によると、ローイングマシンを適切なフォームで使うと、体の80%以上に効果が出ることがわかっている。そのため、有酸素運動(心臓のポンプ効率を上げる)、持久力トレーニング(スタミナを増進させる)、筋力トレーニング(複数の筋肉群を活性化して働かせる)と組み合わせれば、ローイングマシンは全身トレーニングの確かな選択肢となる。 どのエクササイズにも言えることだが、週の中でワークアウトを入れ替えるのは、筋肉が不均衡になるのを防ぐ良い対処法である。 ローイングを行う場合は、複数の研究が示唆しているように、抵抗の強い筋力トレーニングを1日置きに行うとよい。そうすることで、怪我を予防できるだけでなく、さまざまな筋肉群を活性化できる。

    目標に応じて、ローイングマシンを使ったワークアウトを最適化する方法は多々存在する。 パワーアップに重点を置きたい人は、脚に注意を向けたくなるかもしれない。 ニール・ベルゲンロートは、漕艇の国内チャンピオン兼コーチであり、Grow Tulsa(Tulsa Youth Rowing Associationのプログラム)のディレクターでもある。彼によると、これは、ストロークのいわゆる「ドライブ段階」、つまり足全体でマシンを押し返すポイントで起こるという。

    「正しく行えば、マシンのシートから体重を数ポンド持ち上げ、ハンドルを引く時に体重をサスペンドすることができます」とベルゲンロートは解説する。 「この『骨格のハング』を上手くできるようになれば、アスリートはフットストレッチャーとハンドルに、より多くの力を加えることができます。 この方法を習得すれば、4気筒エンジンがV8エンジンに進化するのです!」

    代わりに持久力ベースのワークアウトを行っている場合は、体が回復できるように脚の力を弱めることをダイバーは提案している。 ワークアウトを有酸素運動として維持するには、ローイング中に会話ができるようであれば適切な心拍ゾーンを保てているとベルゲンロートは解説する。

    「心拍数が最大心拍数の30-60%という低いゾーンを保っている限り、もしくはハードなトレーニングをこなすアスリートの場合はそれよりも少し高ければ、ローイングワークアウトはリカバリートレーニングセッションとして機能します」と彼は語る。

  2. 2.ローイングマシンは姿勢を正す効果もある。

    ローイングマシンで正しい姿勢を取ると、マシンを使っていない時も姿勢が改善される場合がある。 2021年に行われたInterdisciplinary Neurosurgeryの研究では、研究者たちが、手術後に筋骨格痛が頻繁に起きていると報告した外科医に対して、姿勢改善と筋肉疲労の防止のために手術室でローイングマシンを使うことを奨励している。

    「ローイングとトレーニングを長期間続けると、有酸素運動の主要効果を得られるのはたしかです」と、ベルゲンロート。 「ローイングは、心臓が体に血液を送り出す機能を高めるベストな方法なのです」

    正しく座っているかどうかを知るには、後ろにポケットが付いたジーンズを履いているつもりになると良い、とベルゲンロートは語る。 腰を起点に少しだけ前傾し(伝統的なスクワットをするような体勢で椅子に向かう)、椅子に浅く腰かけ、腰を起点に回転すれば、(付いているつもりの)ポケットは自分の真後ろで正面を向く。

    背中と両肩の筋肉を両方使用し、両腕を後ろに動かしながら肩甲骨を寄せると、日常生活でも姿勢は改善されるとダイバーは指摘する。 International Journal of Sports Medicineの記事にあるように、肩甲骨筋(肩甲骨の周りの筋肉)が弱いと、肩甲骨の位置が変わってしまう(それによって猫背になることがある)。 したがって、肩甲骨筋の機能と筋力を増強するには、より良い姿勢を導く「スクイーズエクササイズ」(漕ぐ時に肩甲骨を寄せる動きによく似たエクササイズ)が推奨されている。

  3. 3.ローイングマシンは、心臓の健康を増進する効果がある。

    ローイングマシンを使用することで、心臓血管の健康状態が改善される可能性がある。心臓を強化する(心臓が血液を送り出す機能を改善する)だけではない。2015年の研究結果によると、心臓疾患につながることの多いLDLコレステロール値を下げる効果もあることがわかっている。

    「ローイングとトレーニングを長期にわたって着実に行うことで、有酸素運動と同様の大きな効果が出ることは明白です」とベルゲンロートは太鼓判を押す。 「ローイングは心血管系を構築するのに最適な方法であり、心拍出量を改善することが明らかになっています。 ローイングは、心臓が体に血液を送り出す機能を発達させる最良の方法なのです」

    もちろん、一般的なエクササイズを行うことでも心臓の健康は向上する。 しかし、2014年に初めてオンラインで発表された研究によると、ローイングとサイクリングを直接比較した結果、心臓負荷に関してはローイングの独り勝ちであることが示唆されている。つまり、ローイングの方が心血管をより強力に鍛える効果があるのだ。

  4. 4.また、ローイングは衝撃の少ないワークアウトである。

    ローイングはローインパクトなワークアウトであり、ランニングなどハイインパクトのものと比べると、骨や関節へのストレスが少ない。 実際、ローイングは脊椎と腰の骨塩密度を向上させ、骨折の予防に役立つことが研究で明らかになっている。 また、衝撃の少ないワークアウトであるローイングは、関節に余分な圧力をかけないため、多くの場合、65歳以上の人関節炎のある人に推奨されている。 それでも、ローイングが自分に適した選択肢であるかどうかを、はじめる前に必ず医師に確認してほしい。

    「ローイングを正しく行えば、予測可能で一貫性のある動きを、衝撃を受けることなく再現できます」とベルゲンロートは語る。 「ただし、より負荷の高いトレーニングセッションに取り組むには、また、背中を怪我から守るには、優れたテクニックを前もって身に着けることが必須条件となります」

    関連記事:ランニングは本当に膝に悪いのか?

  5. 5.ローイングはメンタルヘルスの向上に効果がある。

    ローイングやランニング、早歩きでのウォーキングを問わず、運動はメンタルヘルス向上につながる。不安や気分の落ち込みといった症状を軽減し、自信を高めるのだ。 そして、毎週少しずつ取り組む運動が大きな効果をもたらす。

    2022年にJAMA Psychiatryに掲載された系統的レビューとメタ分析によると、週に2時間強体を動かすだけで、うつ病のリスクが大幅に低下することが明らかになった。

    ローイングなどのエクササイズは、ワークアウト中や日常生活の中でマインドフルネスを実践するのにも役立つ。 実際、一流のローワーは、ストロークを数えたり、1度に1ストロークに焦点を合わせたりすることで、それぞれの瞬間に集中できると研究者に語っている。彼らはマインドフルネスの実践と、今この瞬間に集中する能力が際立っているのだ。

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文:アシュリー・ローレッタ

ローイングマシンで得られる5つのメリットをエキスパートが解説

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公開日:2024年12月11日

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