インラインスケートが健康にもたらす5つのメリットをエキスパートが解説

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足の下に車輪を感じながら舗道や屋内スケートリンクの床を滑ると、動きを楽しめるだけでなく、健康改善にもつながる。

最終更新日:2024年12月21日
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ローラーブレードが健康にもたらす5つのメリットをエキスパートが解説

上半身と下半身の両方の筋肉をターゲットにした心臓に良い有酸素運動を屋外で楽しみたいなら、インラインスケートを履いてみるのはどうだろう。

多くの人は、このアクティビティを「ローラースケート」と考えるかもしれない。しかし、専門用語で言うと正しくは「インラインスケート」であり、車輪の位置に少し違いがある。

「インラインスケートは、車輪が縦1列に隣り合って配置されていますが(それゆえ、インライン=一列と呼ばれる)、ローラースケートは車輪が縦2列に並んでいます」と語るのは、ACE認定パーソナルトレーナーのマリッサ・ミラー。 「バランスを取るのはインラインスケートの方が難しくなります」しかし名前はどうあれ、心身の健康にさまざまなメリットをもたらすことに違いはない。

インラインスケートは心拍数を上げる効果があるため、最適な有酸素運動となる。 アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、週に150分の中程度の運動(+2日間の筋肉強化運動)を行うことを成人に推奨している。

関連記事:専門家が伝授する、トレッドミルランニングの5つのメリットとデメリット

インラインスケートが健康にもたらす5つのメリット

  1. 1.インラインスケートで下半身の筋力を強化

    「他のタイプの有酸素運動と同様に、インラインスケートは、ふくらはぎの筋肉、大腿四頭筋、ハムストリング筋、臀筋などの下半身の筋肉と連動しながら、腹筋に働きかけます」と語るのは、AFAA認定パーソナルトレーナーでASAA認定ピラティスインストラクターでもあり、PBSの番組「Step It Up with Steph」で司会も務めるステファニー・マンスールだ。

    2015年に発行された『Exercise and Sport Science Reviews』誌の記事では、有酸素運動は骨格筋量を増やす効果があるため(従来の説では、このタイプのエクササイズが筋肉に与える影響は最小限であることが示唆されていた)、老化による筋力低下を防ぐための効果的な方法として検討すべきだと指摘している。

    また、関節にかかる圧力が最低限に抑えられるため、インラインスケートはローインパクトのエクササイズと考えられていることにも注目してほしい。 「足を地面から高く持ち上げてジャンプしたり走ったりするのとは違い、スケーティングは滑ることに重点を置いています」とマンスールは語る。

    「インラインスケートはローインパクトのカテゴリーに分類されます。なぜなら、片足で軽く蹴って滑り出す時、もう一方の足は地面についたままだからです」とミラーは言う。 「滑り出す時の動きは、片足でバランスを保つヨガのポーズを取る時のように機能します。これは、関節や靭帯に問題がありローインパクトのワークアウトを必要としている人達にうってつけの方法なのです」と彼女は続ける。

    関連記事:ランニングで脚の筋力を鍛えられるか?

  2. 2.インラインスケートでバランスを改善

    「足が地面に接するエリアが減るため、バランス向上につながることが、インラインスケートのさらなるメリットとなります」とマンスールは言う。

    その理由は、車輪に乗った足の反復運動が、腰の筋肉と体幹を鍛え、姿勢を改善し、筋肉の動きに安定感と協調をもたらすからである。 『Orthopedic Research Online Journal』に発表された2021年のレビューによると、体幹(背骨、骨盤、両肩につながる腹部の内側にある筋肉)をターゲットにしたエクササイズは、高齢者の機能的な動きとバランスを改善することが明らかになっている。

  3. 3.インラインスケートで安定筋を強化

    「インラインスケートの車輪は「平均台」の構造のように並んでいるため、体幹やその他の安定筋を働かせて、姿勢を真っすぐにする必要があります」とミラーは言う。 この安定筋とは、腱板や腰椎(すなわち腰背部)のような、体を支えるが動きには関与しない筋肉群を指す。

    2013年に発行された『Sports Health』誌の記事によると、安定筋をコアマッスルや体の大きな動きに関与するモビライザーマッスルと連動させて強化すると、ワークアウト中や毎日のアクティビティにおける、けがのリスクが減るという。

  4. 4.インラインスケートは心臓の健康に効果的

    アメリカ心臓協会は、スケートを心臓に良いアクティビティの一覧に載せている。 『Frontiers in Cardiovascular Medicine』誌に発表された2019年のレビューでは、エクササイズが心臓血管疾患のリスクを減らす複数の理由が検証され、そのメカニズムが分析されている。 著者によると、有酸素運動は耐糖能とグルコース感受性を改善し、生理的心肥大(通常の心臓機能)を高めるほか、安静時の心拍数、血圧レベル、動脈硬化マーカー(動脈の壁の内側にある脂肪やコレステロールのインジケーター)を下げる効果があるという。

    インラインスケートで消費されるカロリー数を特定するには、体重とスピードが鍵となる。 「パーソナルトレーナーとしておすすめしたいのは、インラインスケートで20分間の有酸素運動を行うことです。これにより、約200カロリーを消費できます」とマンスールは語る。 さらに、「エリプティカルマシンやトレッドミルでのワークアウトの1つを、インラインスケートを使ったセッションに置き換えてみてください」とミラーは説明する。

  5. 5.インラインスケートで気分も上がる

    Brain Plasticity』誌で発表された2017年のレビューによると、楽しい有酸素トレーニングを1セッション行うだけで、感情に計り知れない影響が出るという。 ニューヨーク大学の研究著者は、有酸素運動を1回行うだけでエネルギーレベルが著しく上昇し、神経化学物質(クリーブランド・クリニックによると、喜びを感じる報酬系やモチベーションに関与する神経伝達物質ドーパミンなど)の増加が促進され、ストレスレベルが下がることを発見した。 いくつかのエビデンスでも、気分を最も高めるエクササイズは自分にとって最も楽しいエクササイズであることを示唆している。

    この線に沿って考えると、インラインスケートの最中は、データに重点を置くべきではない。 「クライアントには、消費カロリーに目を向ける前に、特定の運動に親しみを持つようすすめています」とミラーは言う。 「たくさん汗をかいて呼吸が荒くなったら、心臓血管、筋肉、精神の健康にとって非常に有益な運動をしたということになります」

インラインスケートを始める前に参考にしたいヒント

メイヨー・クリニックは、インラインスケートを低リスクの屋外アクティビティに分類している。 ただし、事前に考慮しておくべき注意事項がいくつかある。まずは防具を付けること。 ミラーもマンスールも、ヘルメットや手首用サポーターのほか、膝当てや肘当ての必要性を強調している。

ミラーは、インラインスケートを初めて使う時は、体を支えるのに役立つしっかりした物(手すりなど)がある囲まれたエリアでエクササイズを行うことを提案している。

「シューズを履いていない友人につかまり、インラインスケートの感覚に慣れるまで手を引いてもらうといいでしょう」と彼女は語る。

そして、人をよけながらジグザグに進むのではなく、まっすぐ前方に進むことからスタートしてほしいとマンスールは助言する。 さらに、「インラインスケートは、速すぎず遅すぎず、ちょうどよいペースではじめてほしい」と彼女は続ける。 「目標は、体を鍛えてバランスを見出し、同じスピードを維持することです」

文:エイミー・カペッタ

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公開日:2022年7月1日

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