ワークアウトの効果が表れるまでにどれくらい時間がかかるか?

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筋肉を大きくする、筋力をつける、ダイエット。どんな目標でも、ワークアウトの効果が確実に表れるタイミングは、いくつかの要因によって決まる。

最終更新日:2025年2月28日
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ワークアウトの効果が表れるまでにどれくらい時間がかかるか?

ワークアウトルーティンを通じて達成したい結果や求める成果は、人によって大きく異なるかもしれない。 フィットネスの良さはその点にある。自分の目標に合わせて、ワークアウトのルーティンや食事プランをカスタマイズできるからだ。 ワークアウトの効果が表れるまでにどれくらい時間がかかるのか、気になることもあるだろう。しかし、それには必ずしも明確な答えがあるわけではないことを覚えておいてほしい。

ここでは、2人のフィットネスプロフェッショナルが、3種類のフィットネス目標を達成するために必要なポイントと、それぞれの目標の効果が表れる時期について解説する。

フィットネスの目標:筋肉量を増やす

「筋肉量を増やすには、筋トレ、適切な栄養摂取、リカバリーを組み合わせる必要があります」と話すのは、Strong with Sarahで有資格の栄養学および減量コーチとして活躍しているNASM-CPTのサラ・ペルク・グラサ。 「筋トレでは、少しずつ負荷を増やしていくことにフォーカスします。つまり、時間をかけながら徐々に重量、回数、強度を上げていくということです」

ワークアウトでは、スクワット、デッドリフト、ベンチプレス、プルアップなど、多関節運動としても知られるコンパウンドエクササイズを優先的に取り組むと良い、とペルク・グラサは説明する。 このような動きは、一度に複数の筋肉群を動かすため、筋肉量を増やすうえで欠かせない。 また、バイセップカールやトライセップエクステンションなど、1つの関節のみを動かすアイソレーションをルーティンに取り入れるのもおすすめだ。 筋肥大(筋肉の増強)を目指すなら適度なウェイトで多くの回数(8~12回)をこなすことが目標になる、とペルク・グラカは説明する。

「栄養の摂取も運動と同じくらい大事です。 筋肉の修復と成長を促すためには、タンパク質をたっぷり摂りながら(体重1kgあたり1.5~2.2g)、カロリーを多少余分に摂る必要があります」と彼女は続ける。また、ワークアウトのエネルギーとなるのに十分な炭水化物を摂取し、ホルモンバランスを支える良質な脂質を摂取することも大切だと付け加える。

もちろん、体には個人差がある。自分の筋肉量を増やすのに具体的にどれくらいのカロリーが必要かを正確に把握したければ、安静時の代謝量を算出してみましょう、とおすすめするのはHuman Powered Healthのパフォーマンス生理学者、ケリー・マッケンジーだ。 「栄養が不足していると、筋肉量を増やしたり、筋力をつけたりすることはできません」と彼女は言う。

最後に、筋肉の成長には十分なリカバリーが必要だ。 「毎晩、少なくとも7〜9時間は質の高い睡眠を取り、ストレスレベルを管理するようにしてください。過度のストレスにさらされると、筋肉増強プロセスが妨げられることがあります」とペルク・グラカは言う。

ワークアウトの効果が表れるまでにどれくらい時間がかかるか?
ワークアウトの効果が表れるまでにどれくらい時間がかかるか?

結果が出るまでの期間は?

ウェイトリフティングの初心者であれば、すぐに筋肉量の増加を実感できるだろう。 リフティングは筋肉に新たな刺激を与えるからだ。 マッケンジーによると、ウェイトリフティングに取り組むと、およそ4週間以内に神経筋適応が起こる(つまり、トレーニング中に身体がより多くの筋繊維を動員する)。

「ただし、継続的にトレーニングをしていると、筋肉量を増やすのは難しくなります」とマッケンジーは言う。 熟練のアスリートの場合、筋肉はある程度のストレスや負荷にすでに適応しているため、筋肉量を増やすことが難しくなる。 ただし、筋肉量が増えないわけではない。時間と労力が多めに必要なだけだ。 「トレーニングを続けても筋肉の成長が見られなくなったら、セット数とレップ数を変える時期です」とマッケンジーは言う。 「エクササイズの種類や回数を変える頻度が多すぎる人は、4~6週間、一定に保つようにしましょう」

専門家によると、見てわかるほど筋肉がつくまでには、ある程度の時間がかかるのが普通だ。具体的には8週間から15週間かかる。 「筋肉の実質的な成長には、数か月から数年かかることもあります。期間の長さは遺伝、一貫性、努力によって、左右されます」とペルク・グラカは言う。 「筋肉の成長、つまり筋肥大が起こるのは、レジスタンストレーニングによって筋繊維が微細に断裂するときです。 体は筋繊維を融合させることでこれらの断裂を修復し、繊維をより厚く、より強くします。 しかし、この回復過程のスピードは期待するほど速くありません。筋肉が効果的に成長するためには、適切な栄養摂取とリカバリーが必要なのです」

栄養摂取、トレーニングプラン、リカバリー戦略がすべて適切であれば、1か月あたり約226~907gの筋肉の増量が期待できるとペルク・グラカは言う。

ワークアウトの効果が表れるまでにどれくらい時間がかかるか?

フィットネスの目標:筋力を高める

筋肉量の増加と筋力の強化は必ずしもイコールではない。つまり、筋肉量が増加しなくても、筋力は強化できる。 ただし、その2つが連動する部分もある。 実際、多くの人が筋力強化と筋肉量増加の両方を目指してトレーニングプログラムを組んでいる、とペルク・グラカは話す。

「筋力とパワーを具体的に強化するためには、レップ数の範囲を狭め、負荷を重くしましょう。そして一部のエクササイズにはスピードを強化する要素も取り入れます」とマッケンジーは言う。 フィットネスの目標が筋力強化であるなら、ワークアウトの強度とその方法が重要になる。 ペルク・グラカが推奨するのは、重めのウェイトでエクササイズを3〜6回繰り返すことだ。

フォースプレートを使ったテストは、筋肉がどのように力を生み出し、筋肉がその力をどのように使って動くかを確認するのに最適です」とマッケンジー。 「この情報があれば筋トレの効率を上げたり、苦手な部分を改善したり、トレーニングを最適化したりすることができます」

ワークアウトの効果が表れるまでにどれくらい時間がかかるか?

結果が出るまでの期間は?

通常、筋力は除脂肪筋肉量よりも早く増強できる、とペルク・グラカは話す。 最初の数週間で持ち上げられる量に変化が見られるケースもある。 「これは、筋繊維を効率的に活性化して調整する神経系の能力が、筋力に大きく影響するからです」とペルク・グラカは説明する。 「筋トレを始めると、脳と筋肉の連携が強くなるため、筋肉量より先に筋力が成長します」

フィットネスの目標:ダイエット

専門家によると、減量が一筋縄ではいかない理由は、代謝、トレーニングの一貫性、開始時の体組成など、さまざまな要因に左右されるからだ。 また、一般的には、有酸素運動とレジスタンストレーニングのバランスを取る必要がある。

「自分の心拍ゾーンを知ることが減量に役立ちます」とマッケンジーは言う。 有酸素運動のワークアウトでは、第2心拍ゾーン(最大心拍数の60~70%)の範囲内でトレーニングすると、主なエネルギー源として脂肪を使うことになる。

レジスタンストレーニングで筋肉がつくと、安静時のカロリー消費量も増加するので、それが体重管理にも役立つとペルク・グラカは語る。

ワークアウトの効果が表れるまでにどれくらい時間がかかるか?

結果が出るまでの期間は?

「一般的には、筋トレを習慣的に続け、そこに第2心拍ゾーンの有酸素運動を2〜3日組み込み、さらに適切な栄養補給を行えば、4〜6週間で健康的に体重を減らせるでしょう」とマッケンジーは言う。

しかし、大幅な減量(および脂肪の減少)には、もっと長い時間がかかるのが普通だ。 安全で持続可能な脂肪減少率として目指すべきなのは、週に約226~907gだとペルク・グラカは付け加える。 「体重の5〜10%の減量を目標にするなら、アプローチにもよりますが、2~3か月から1年かかるかもしれません」と彼女は言う。 「減量には、摂取カロリーよりも消費カロリーが常に多い状態、いわゆるカロリー収支の赤字状態が必要です。その状態と減量は必ずしも比例関係になっているわけではありません」。ホルモンの変化、水分貯留、筋肉の増量といった要因が、体重計の数値に影響する場合があると彼女は説明する。

また、体組成計を使った進捗状況の記録、ウエストや腕周りの計測、筋力の向上の記録、エネルギーの感じ方などのメモを検討してみよう。 これらのデータはすべて、体重計の数値があまり変わっていなくても、前に進んでいることを示すからだ。

また、体重計の数値が増えても慌てる必要はない、とペルク・グラカは言う。 「ワークアウトルーティンを始めたばかりの頃は、体がそれに順応する時期です。 筋トレなどを行うと、リカバリーのために筋肉に蓄えられるグリコーゲンと水分の量が増えるため、一時的に貯留される水分が増えることがあります」。脂肪が減っても、水分貯留だけで一時的に体重計の数値が上がることもある。

文:シャイアン・バッキンガム

公開日:2025年2月27日

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