レジスタンスバンドを使った初心者向けエクササイズ
スポーツ&アクティビティ
ワークアウトにレジスタンスバンドを取り入れてみたいなら、 使い方と簡単なムーブをおぼえよう。
レジスタンスバンドは、持ち運びできる軽量なトレーニングギアで、ワークアウトの場所を選ばず使用できる。 でも、どうやって使えばいいだろうか? そして、どんなフィットネス目標に適しているのだろうか? 一言で言うなら、レジスタンスバンドには数えきれないほどの使い方がある。 エクササイズの負荷を高め、正しい筋肉をターゲットにして鍛えることができる。さらには、けがの回復にも役立つというのが主な利点だ。
レジスタンスバンドを使ったワークアウトはどのような効果をもたらすか?
レジスタンスバンドを使ったワークアウトのメリット
1.メカニカルテンションが増える
メカニカルテンションとは、筋肉を緊張状態に置く時間の長さのこと。 筋肉に負荷がかかる時間(TUT)が長くなるほど、可動域全体での運動を行うためにより多くの力を使うことになる。 多くの運動単位(1つの運動神経とそれが支配する筋繊維群)が動員されるため、 筋肉をコントロールする能力が高まり、筋肉の力と大きさの向上につながるというわけだ。
2.スポーツに合わせたトレーニングが可能
レジスタンスバンドを使えば、さまざまな運動パターンを強化できる。ランニング、水泳、パワーリフティングなど、どんなスポーツにもおすすめだ。 また、可動域全体で力を使うトレーニングにも役立つ。
たとえば、学術誌『American Journal of Sports Medicine』(米国スポーツ医学ジャーナル)で発表された研究論文によれば、大学のテニス部でサーブを向上させるためにレジスタンスバンドを使った選手は、レジスタンスバンドを使わなかった対象グループと比べて、サーブのスピードと肩の筋力が明らかに向上した。
スポーツのパフォーマンス向上を目的にレジスタンスバンドの導入を検討中なら、まずはコーチや理学療法士などの有資格者に相談しよう。スポーツや向上させたい能力に応じて、レジスタンスバンドを使った最適な運動を教えてもらえるはずだ。
3.目的の筋肉を活性化させ、正しい姿勢を保つ
筋肉活性化に役立つレジスタンスバンドは、多種多様なニーズに対応。 いきなりワークアウトに取り組む前に、レジスタンスバンドを利用することで、ワークアウトでターゲットにしたい筋群を特に活性化できる。 また、姿勢に関連してよく生じるジャンダシンドロームという問題にも対処できるようになる。
ジャンダシンドロームは全身に起こりうる問題であり、上半身に生じるものを上位交差性症候群、下半身に生じるものを下位交差性症候群と呼ぶ。 一日のうち、大部分を座った姿勢で過ごす人によく生じる症状だ。肩や股関節のような体の前面が硬くなり、背中、お尻、ハムストリングのような後面の筋群は弱くなる。
この傾向が続くと、デスクから離れても猫背の姿勢が直らなくなる。 このような場合は、ワークアウト開始前に後面の筋群をターゲットにして負荷をかけよう。できるだけ効果的で力強い動きができるようにしておくといい。 ここでレジスタンスバンドの登場だ。
たとえば、『Journal of Physical Therapy Science』(理学療法科学ジャーナル)で2016年に発表された研究では、猫背で頭が前に出た姿勢(典型的な上位交差性症候群の症状)を改善させるためにレジスタンスバンドを使用した対象者から、問題のある筋肉に働きかける運動を1セット行っただけで、姿勢が明らかに改善したとの報告が寄せられている。
レジスタンスバンドを使って、日々の生活では多少おろそかにされている筋肉に働きかけることで、正しい姿勢の維持を促すことができる。 正しい姿勢が身につけば、ワークアウトの効果が大きく向上する。アンバランスを補うのではなく、適切な筋肉を動かせるようになるからだ。
レジスタンスバンドを使った初心者向けのワークアウト
レジスタンスバンドは、ジムなどに積極的に出かける人でも、自宅のリビングルームでワークアウトをする人でも、ルーティンを変えたいと思っている人でも、誰もが簡単に取り入れられる道具だ。 サーキットトレーニングのリカバリーアクティビティに使えるだけでなく、全身のワークアウトとしても利用でき、さまざまな強度で負荷をかけられる。
レジスタンスバンドを使ったワークアウトに興味のある人は、 まずは、次のワークアウトを試してみてほしい。
1.オーバーヘッド トライセップ エクステンション
レジスタンスバンドで小さな輪を作り、結び目の位置が肩甲骨の中央付近に来るような場所に結び付ける。
レジスタンスバンドを背にして立つ。
手を頭上から後ろに伸ばしてバンドをつかむ。
肘を耳の近くに保ち、肩を下げた状態でバンドを引く。
ゆっくり肘を曲げ、頭の後ろのバンドの位置を下げていく。
2.ベントオーバー ロー
レジスタンスバンドを踏んで両足を腰幅に開いて立ち、両手でそれぞれバンドの端を持つ。
腰をちょうつがいのように曲げ、背骨と膝はニュートラルな位置に保つ。
左右の肩甲骨を寄せるようにしてバンドを引いていく。
胸に向かってバンドを引く。肘は脇に寄せたままで後ろに引く。
運動の間、あごは引いたまま、肩は上がらないように保つ。
3.ラット プルダウン
ドアの枠などの頭より高い位置にレジスタンスバンドをかけて固定する。
膝立ちになり、両手でそれぞれバンドの端を持ち、手のひらを前方に向ける。
腕を肩の高さのまま後ろへ下げ、コアと骨盤を動かさずに、首はリラックスさせる。
手を肩の近くへ引き寄せ、肘の角度が90度ぐらいになるまでバンドを引く。 下がったとき、肘は地面を向くようにすること。
ゆっくりと上げていく。動きを繰り返す。
4.バイセップ カール
レジスタンスバンドを踏んで両足を腰幅に開いて立ち、両手でそれぞれバンドの端を持つ。
骨盤を引き締め、腰、胸郭、肩が一直線になるようまっすぐに立ち、胸を張り、首を伸ばしてリラックスさせる。
手が肩の高さにそろうまでバンドを引き上げる。肘は脇に寄せたままにすること。
始めの位置までゆっくりとバンドを下ろしていく。
5.バンデッド フォワード グルート ウォーク
レジスタンスバンドを膝の少し上にセットし、腰を落としてスクワットの姿勢になる。
スクワットの姿勢のまま、右脚を前に出す。
次に左脚を前に出す。
動きの間、膝の位置は足首の上にキープすること。
低いスクワットの姿勢を保ったまま、前に歩き続ける。
6.バンデッド ラテラル グルート ウォーク
レジスタンスバンドを膝の少し上にセットし、腰を落としてスクワットの姿勢になる。
スクワットの姿勢で右足を右に動かし、左足も右に動かす。
両足の幅を常に肩幅に保ち、スクワットの姿勢で右方向に歩き続ける。
左右を切り替え、左方向に同じ歩数歩く。
7.ライング ハムストリング カール
両足首にレジスタンスバンドをかけて輪を作り、うつ伏せになる。
左足を地面に置いたまま、右足でバンドを引いてお尻に近づけていく。
バンドを体に引き寄せ、ゆっくり下ろす。その間、右のハムストリングは引き締めたままにすること。
脚を入れ替えて、同じ動作を繰り返す。
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