レジスタンスバンドを使った胸のエクササイズ:トレーナーおすすめの7選
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レジスタンスバンドを使って胸を鍛えたい人は必見。 トレーナーが勧める選りすぐりのエクササイズを紹介しよう。
ベンチプレスからプッシュアップまで、胸のエクササイズは豊富に存在する。 だが、そこにレジスタンスバンドを加えてみるのはどうだろうか。
全米スポーツ医学アカデミーによると、フリーウェイトやマシントレーニングと同様、レジスタンスバンドは筋肉の持久力、爆発力、バランス、柔軟性、可動性を向上させ、筋量と筋力を増大させる効果があるとされている。
「バンドは持ち運びしやすく軽量で、怪我のリスクを高めることなくエクササイズの強度を高めてくれます」と話すのはノーム・タミル(認定ストレングス・コンディショニングスペシャリスト)。「自重トレーニングにバンドを加えることで筋肉により多くの刺激を与えることができ、さらに体幹と安定性のどちらも鍛えることができます」
レジスタンスバンドは非常に万能で便利なエクササイズグッズだ。 筋力や筋量への効果を実感するためには、エクササイズの負荷を高めて難易度を上げる必要がある。
「バンドを使用すれば、可変性の負荷をかけることができます。つまり、動きの範囲の一方では強く負荷をかけ、反対側ではあまりかけないということができるのです」とNFPTの認定パーソナルトレーナーであるマシュー・フォルツァリアは説明する。 たとえばバンドを使用したベンチプレスでは、動作の最下部では負荷は最も低くなり、動作の最上部では負荷は最も高くなる。 「これは筋力や筋肉の爆発力を鍛えるには素晴らしい方法なのです」とフォルツァリアは話す。
レジスタンスバンドのメリットはこれだけではない。持ち運びやすいという点だけではなく、どんなエクササイズでも、どんな環境でも(工夫しなくてはならない場合もあるが)大抵は使用できるのだ。 ワークアウトの前後でもバンドは役に立つ。
「ストレッチを行ったり可動性を高めるのにもバンドは最適で、ウォームアップにも活用することができます」とフォルツァリアは述べている。 「バンドを使用すればエクササイズのバリエーションを増やすことができますし、準備も本当に簡単です」
レジスタンスバンドを使用した胸のエクササイズを取り入れる気になっただろうか? タミルとフォルツァリアが紹介する以下のエクササイズを試してみよう。 「最大限の効果を得たいので、絶えず筋肉に負荷をかけ続けられるエクササイズを重視しています」とフォルツァリア。 「これらのエクササイズは胸のあらゆる角度に効果があります。さらにバンドをどこにも固定する必要はなく、自重のみで行えるので準備も簡単です」
レジスタンスバンドを使用した胸のワークアウトを完璧にこなすのであれば、全てのエクササイズを行おう。他の部位に加えて胸も鍛えたいという日には、エクササイズを2つ選んで行ってみよう。
レジスタンスバンドを使用したお勧めの胸のエクササイズ
1.バンドプッシュアップ
使用するバンド:ラージ レジスタンスバンド
レジスタンスバンドの両端に手を通し、バンドを肩甲骨のあたりにかける。 プッシュアップポジションをとり、バンドを背中にかけ、バンドの両端を掴んだまま両手を床につける。 プッシュアップを行いながら、必要に応じて手の位置を変え負荷を調節する。
「このエクササイズは準備が簡単です。ゆっくりと、ネガティブ動作をコントロールしながら行うことで、コンセントリック、つまり体を上げていく動作の間だけではなく、エキセントリック、つまり体を下げていく動作の間も効果を出すことができます」とフォルツァリアは説明する。
2.バンドチェストプレス
使用するバンド:ラージ レジスタンスバンド
レジスタンスバンドの両端に手を通し、バンドを肩甲骨のあたりにかける。 仰向けになり、床に足をつける。バンドは背中の真下に通し、バンドの両端を手で掴む。 胸の高さから天井の方向へ手を押し上げ、チェストプレスを行う。
体幹にも負荷をかけるには:かかとで床を押してお尻を天井の方向へ上げ、グルートブリッジを行う。 チェストプレスを行っている間、そのポジションをキープする。
「このエクササイズは肩の安定性に素晴らしい効果があります」とタミル。 「さらにブリッジポジションでチェストプレスを行えば、体幹や臀筋にも効果があります」
3.バンドシングルアームチェストプレス
使用するバンド:ラージ レジスタンスバンド
レジスタンスバンドの両端に手を通し、バンドを肩甲骨のあたりにかける。 床に仰向けになってバンドを背中の下に通し、バンドの両端を手で掴む。 片方の腕を胸の高さから天井の方向へ押し上げてから下ろし、続けてもう片方の腕で同じ動作を行うという手順で、交互にチェストプレスを行う。
4.バンドシーソープレス
使用するバンド:ラージ レジスタンスバンド
レジスタンスバンドの両端に手を通し、バンドを肩甲骨のあたりにかける。 仰向けになり、床に足をつける。バンドは背中の下に通し、バンドの両端を手で掴む。 片方の腕を胸の高さから天井の方向へ押し上げ、そしてその腕を下ろしながら同時にもう片方の腕を天井の方向へ押し上げるという手順で交互にチェストプレスを行う。それぞれの腕は左右の位置はそのまま、上下に反対方向へ動くことになる。
「テンポを上げてこのエクササイズを行い、パワーとスピードの両方を鍛えてください」とタミルは話す。 「このエクササイズ自体がダイナミックな往復運動なので、素早く、激しいテンポで行えばパワーとスピードが得られるでしょう」
5.バンドチェストフライ
使用するバンド:ラージ レジスタンスバンド
レジスタンスバンドの両端に手を通し、バンドを肩甲骨のあたりにかける。 床に仰向けになってバンドを背中の下に通し、バンドの両端を手で掴む。 肘は曲げたまま腕を広げていき、そこから樽を抱え込むように腕を胸の上で閉じていく。
「動作の最上部で静止することで、つまりアイソメトリックポジションを保持することで小胸筋に大きな効果があります」とタミル。 「静止することで勢いがつかなくなり、小胸筋に効かせることができます」
6.バンドシングルアームチェストフライ
使用するバンド:ラージ レジスタンスバンド
レジスタンスバンドの両端に手を通し、バンドを肩甲骨のあたりにかける。 仰向けになり、床に足をつける。バンドは背中の下に通し、バンドの両端を手で掴む。 肘は曲げたまま腕を広げていき、そこから樽を抱え込むように片方の腕を胸の上で内側へ閉じ、保持してから開いて戻していく。 反対の腕で同じ動作を行う。
「体の片側だけを動かす際、体幹の筋肉を使って体のバランスを保つ必要があります。重心の位置によって、自然とどちらかに回転しようとするためです」とフォルツァリアは説明する。 「シングルアームチェストフライを行うことで鍛えられるのは胸だけではありません。体幹の安定を保つことに集中する必要もあるので、アンチローテーションにも効果があります」
7.バンドシングルアーム・コントララテラルスプリットスタンスプレス
使用するバンド:ラージ レジスタンスバンド
しっかりと固定されたアンカーポイントにレジスタントバンドを取り付けるか、または巻き付ける。 アンカーポイントに背を向け、スプリットスタンスをとり、足を後ろにしている側の手でレジスタンスバンドを掴む。 少し膝を曲げて体幹に力を入れ、バンドを胸の前へ押し出し、そこからゆっくりと後ろに戻す。 片側で全てのレップを行ってから腕とスタンスを切り替える。
「このプレス系種目は胸に効きますが、アンチローテーションにも効果があります。肩や三頭筋も鍛えられ、そしてスプリットスタンスをとっていることで臀筋の安定性を高めることもできます」とタミルは話す。
文:エイミー・シュリンガー(NASM認定パーソナルトレーナー)