トレーナーに聞くジムでの正しいマナー、11のヒント
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ジムが初めての人も久しぶりの人も、 ワークアウトが自分と周りの利用者にとって快適なものになるように、以下の推奨事項を確認しよう。
ジム会員の大きなメリットといえば、使いたい器具をすべてすぐに使えることだ。 また、すいているときはもちろん、すいていなくても、自分だけのホームジムのような気分を味わえたりもする。
「ジムのマナーは緩くなったように思います」と話すのは、認定ストレングス・コンディショニングスペシャリスト(C.S.C.S)の資格を持ち、筋力トレーニングガイド『Return to Center』の著者でもあるロッキー・スナイダーだ。「ある活動への関心が高まり、参加する人が増えると、長年かけて培われたルールがあまり守られなくなることはよくあります」
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ジムに行くのが久しぶり、または全く初めてという場合は、あらかじめフィットネスのマナーを確認しておくといい。 ジムやフィットネスのプロ4人が教えてくれた以下のヒントから、他の利用者に配慮したジムでのふるまい方を確認しておこう。
ジムでの正しいマナーを身につけるための11のヒント
1.器具を元の位置に戻す。
これはダンベルやウエイトプレート、レジスタンスバンドなど、すべての器具に当てはまる。 「どこかから持ってきた道具は、使い終わったら元の位置に戻しましょう」とスナイダーは話す。 「それもワークアウトの一部です」
2.休憩中は器具を譲ろう。
マシンやウェイトベンチで、ごく短い休憩をはさみながら数セットのワークアウトをする場合は、そのままそこにいてもいい。 だが、他の誰かが1セットできるくらい長い休憩を取るのなら、何もせずマシンに座っているのは「居座り行為」だとスナイダーは言う。 自分のリカバリータイムには、順番待ちをしている他の利用者のために場所をあけよう、とスナイダーは述べている。
3.ワークアウト中の撮影はやめよう。
SNSでフォロワーが大勢いるとしても、ワークアウトの撮影を始める前によく考えよう。 動画はフォームの確認に役立つが、多くの場合は器具を必要以上に占領することになるし、気づかずに自分のフォーム以外のものが写り込んでいることもある、と話すのは、ブリンクフィットネスの主任パーソナルトレーナーでC.P.T.の資格を持つエレン・トンプソン。
「ワークアウト中の自分の姿を撮られたくない人に居心地の悪い思いをさせることになります」と、彼女は指摘する。
4.スマートフォンは場所を移動して使おう。
SNSの利用、メールチェック、友人へのメッセージ送信などをジムで行うこと、それ自体はマナーに反する行為ではない。しかし、器具を独占したまま、あるいはセットの休憩中に居座ったままスマートフォンを操作するのはマナー違反だと、トンプソンは言う。
5.ウェイトは床に落とさず、ゆっくり下ろそう。
オーバーヘッドプレスを終えたらすかさずバーベルから手を離したくなるが、我慢しよう。
「ウェイトを落としてしまうと運動効果を最大限に引き出すことができませんし、重量上げをしている他の利用者を驚かせることは運動中の事故にもつながります」とトンプソンは話す。
また、器具や床が損傷して修理交換が必要になると、会員全員がジムを利用できなくなる。
6.器具、床、座面などを清潔に保とう。
周囲の利用者に対して最も重要なマナーの1つは、ワークアウトが終わったらマシンや器具をきれいにしておくことだ。 トンプソンによると、コロナ禍を経てジムが再開してからは、前よりもきちんと器具を拭こうとする利用者が増えたという。
「使った後だけでなく、使う前にもマシンを拭く会員が増えています。 また、拭いた布やペーパーをマシンの上や近くに置いたままにせず、ゴミ箱に捨てる姿もよく見かけます」
7.使うのは一度に1台のマシンだけにする。
タオルなどをかけて場所取りをし、複数台のマシンを独り占めする人がいると、C.S.C.S.の資格を持つ運動生理学者のトム・ホランドは言う。ホランドは『Beat the Gym』の著者で、ポッドキャスト「Fitness Disrupted」の配信も行っている。
「これは絶対にやってはいけないことです。あなたがその場所にいなくても、他の人はマシンを使えません。 子どものころから言われているように、譲り合いが大事です。 同時に3つのおもちゃで遊べないのと同じで、複数のマシンを独占してはいけません」
サーキットトレーニングがしたいときは、他の利用者を誘って、空いているマシンを交互に使うようにするとよい。
8.自分で用意した音楽を聴きたいなら、ヘッドホンを買おう。
スマートフォンのスピーカーから大音量の音楽を鳴らすのが新しいトレンドになっている、とホランドは指摘する。 これでは周りの利用者が(たとえヘッドホンを付けていたとしても)集中できず迷惑になる。 しかも、ジムが音楽を流している場合は、さらにうるさくなってしまう。
9.ダンベルラックからは離れよう。
ダンベルラックの上には「3フィート離れてください」という表示があるはずだと、ホランドは言う。 ダンベルラックの近くに立っていると、他の利用者がウェイトを取るとき邪魔になる。
10.アドバイスは聞かれたときだけ(そして資格があるときだけ)にする。
たとえば、デッドリフトのコツを教えてほしいと誰かに言われて、アドバイスするのはいい。 (ただし助言を行う資格がない場合は、ジムのトレーナーに協力してもらおう)
では、頼まれていないのにアドバイスするのはどうか。 「それはよくない」と話すのは、ミネソタ州セントルイスパークにあるフィットネススタジオのオーナーで、C.S.C.S.の資格を持つアーロン・リーベンサール。
「フォームに関するアドバイスはしないでください。 法的責任という意味でも問題ですし、相手からしたら気まずく嫌な気分になるだけです」
とくに、性別、人種、年齢など、アドバイスをする側とされる側で力関係が生まれやすい状況があることには気を付けたい。
11.コミュニケーションをとろう。
近くをうろうろしている理由が、器具を使いたいからかどうかわからないとき。 撮影している動画に自分が写り込んでいるようで落ち着かないとき。 この器具があいたら知らせてほしいとき。 そんなときは、話しかけよう。 一般的に、マナーとは他の人を尊重し、相手と自分を対等とみなして、相手の希望に配慮することだ。 そのような気遣いが仲間意識を生み、ジム内のコミュニティづくりにつながる。
文:エリザベス・ミラード