妊娠中のワークアウトに最適な強度は?
Nike (M) が登場
妊娠中に最適なエクササイズを見つけるには、ちょっとした注意が必要。エクササイズを行ううえでの注意点を覚えておこう。
- ジムでハードな運動をするのが好きな人は、妊娠したからといって急ブレーキをかける必要はない。ただし全力を出すのではなく、10段階のうち7~8の強度に抑える必要がある。
- 妊娠週数が進むにつれ、同じ7でもそれまでとは断然異なって感じるようになるだろう。ワークアウト中やワークアウト後に常に自分の体の様子を見ながら進めることで、やり過ぎを防ぐことができる。
- あらゆるレベルのワークアウトがそろっているNTCアプリ を活用して、自分のペースで進めよう。
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*このコンテンツの目的は情報提供と意欲の向上であり、診断、治療、特定の医療に関するアドバイスを意図したものではありません。妊娠前、妊娠中、出産後の健康と安全の維持については、必ずかかりつけ医に相談してください。
妊娠する前からジムが大好きで習慣的に通っていた人は、お腹の中に初めて赤ちゃんを迎えると、きっとこんな疑問を抱くだろう。ワークアウトの強度を下げる必要があるのではないか?そう考えるのは当然のこと。妊婦向けトレーニングの多くは「穏やか」で「中程度」であることを声高に宣伝している。しかし、それはあなたの好むペースではない場合もあるからだ。
疲労感が強い場合、あるいはワークアウトを控えめにする準備ができている場合は、もちろんそうしよう。そうでない場合は、自覚的運動強度(RPE)を活用しよう。0はソファに横になってNetflixを観ているレベル、10はこれまでに行った中で最もハードなワークアウトのレベルだ。カリフォルニア州オークランドのアマンダ・ウィリアムズ医学博士(認定産婦人科医、「Nike (M)ove Like a Mother」諮問委員会のメンバー)によれば、妊娠中は10段階中7~8以下の強度に抑えるといい(従来使われていた心拍数測定基準との違いが気になる人もいるかもしれないが、ウィリアムズ博士によるとそのガイドラインは旧式なのだという)。
7~8と一言で言っても、もちろんそれらのレベルは人によって異なるし、妊娠18週で7と感じられるトレーニングは、32週で7と感じられるものとは大きく異なる可能性が高い。「妊娠中は、バックパックを抱え、週が進むにつれてそのバックパックに大きな石を入れていくようなものです。妊娠が最終期を迎える頃には満杯のバックパックを抱えることになるのですから、20週のときと同じ負荷をこなすことは、はるかに困難になります」と語るのは、ウィスコンシン州ヴェローナのキャサリン・クラム(運動生理学者、産前産後フィットネスコンサルティングのオーナー)だ。「それはあなたの体力が落ちている証拠ではなく、むしろさらにがんばっている証です」
そのような違いをどう調整すべきか?何より大切なのは自分の体に耳を傾けることだ。「それは一人ひとり異なるものなので、自分の快適さのレベルに合わせて運動すればいいのです」とウィリアムズ博士は言う。具体的には次のことを推奨している。
1. 自分の感覚を確かめながらワークアウトしよう。
オンタリオ州キングストンのジェシー・マンデル(産前産後のフィットネスを専門とする認定パーソナルトレーナー兼運動生理学者)は、「心地良いと思えるレベルの運動をしましょう」と話す。ワークアウトを行うと、呼吸が速くなる、筋肉が燃える、汗をかくなどの症状(これこそ運動する人が大好きな感覚)が現れるが、これらが感じられるようになったらRPEが6~8の範囲にある可能性が高い。「しかし腰痛、下腹部の圧迫感、円靭帯型の痛み、骨盤痛といった他の不快な身体的症状が感じられ始めたら、すぐに緩めましょう」とマンデルは言う。たとえターゲットとしているRPEに到達していなくても気にする必要はない。「もっとハードに動くべきかよりも、もっとハードに動けるかどうかという自分の感覚を優先してください」と彼女は言う。
強度を緩めることに抵抗を感じる人のために、マンデルは次のメッセージを投げかける。「妊娠期間というのは、大局的に見たら本当に短い期間です。出産後、体が回復すればいつでもまた自分を追い込めます」
2. ワークアウト後の感想を書き留める。
自分に適した強度を見つけるために留意すべきもう1つの点は、ワークアウト後の気分だ。朝は気持ち良く汗をかいたとしても、午後2時までにはぐったり疲れ切っているかもしれない。ついつい忘れがちだが、妊婦の体は妊娠を維持するために休みなく働いている。運動している最中はとても気分が良かったけれど、実はエネルギーの蓄えを使い過ぎてしまっていたというようなことが十分あり得るとウィリアムズ博士は注意を促す。ワークアウト後24時間以内に、普段は感じないような痛み、腰痛、骨盤の痛み、疲労、ブラックストン・ヒックス収縮の増加、あるいは脱水症状といった副作用に気づいたら、それはあなたの体が十分に回復できていない兆候だと、マンデルは説明する。そんなときはしっかりと体を休め、次回のワークアウト強度を1段階下げよう。
3. うっかり無理をしてしまっても、自分を責めないで。
激しい運動を1回(いや…数回ほど)してRPEが9~10になってしまったが、大丈夫だろうか?幸いなことに、ウィリアムズ博士によれば、おそらく大した影響はない。妊娠中に行うスポーツとして強度にかかわらず危険とみなされるのは、スキー、乗馬をはじめとする、転倒した際に自身の体だけでなく胎児を傷つける可能性の高い運動だ。また、長時間仰向けに横たわるという行為も妊婦自身と赤ちゃんへの血流を減少させる可能性がある(めまいがし始めたら、必ず体位を変えよう)。しかし、ウィリアムズ博士いわく、ワークアウトに熱中するとき、「やり過ぎによる主なリスクはめまいや立ちくらみです。胎児はかなり丈夫です」とのこと。
ワークアウトの途中で気分が悪くなったり、息が苦しくなったりした場合は、ごく当たり前の展開と捉え、正常に戻るまで休憩しよう。1~2回の非常にハードなセッションで赤ちゃんが大きな危険にさらされることはないが、やり過ぎを習慣にしないことが重要だ。先に述べたように、とことんまでがんばる必要はない。赤ちゃんを育てるという作業はそれだけで十分に大変なことなのだから。
肝心なのは、どの動きが適切で、自分にとって管理可能なレベルかを自分で判断すること。妊娠後期まで長距離を走るのが快適と感じる人がいる一方で、骨盤の圧迫感が強すぎてまったく走れない人もいるだろう。また、複数回妊娠している人は、RPEスケールで7と感じられる値が、妊娠ごとに異なる場合もある。気分が良いのであれば、今取り組んでいることを続ければいい。それは明らかにプラスに作用している。
文:サラ・ゲインズ・レヴィ
写真:ビビアン・キム
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