産後を楽にする食事プラン

Nike (M) が登場

栄養をしっかりと摂る。これは、産後の数か月間に回復と気分の向上を促すために極めて効果的でありながら、最も見落とされがちな方法の1つだ。具体的な方法について見てみよう。

最終更新日:2022年11月21日
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  • 出産後に何をどのように食べるのかが、産後の体と心の総合的な機能に大きな違いを生み出すことがある。
  • 今の時期は、妊娠前よりも多くの栄養が必要。全体的な食事と水分摂取量を増やすことが非常に重要だ。
  • バランスの取れた食事(自然食品、健康的な脂質、タンパク質、炭水化物)を優先させることは、リカバリーの促進と、エネルギーレベルや気分の向上に役立つ。

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出産後の食事について専門家が解説

*このコンテンツの目的は情報提供と意欲の向上であり、診断、治療、特定の医療に関するアドバイスを意図したものではありません。妊娠前、妊娠中、出産後の健康と安全の維持については、必ずかかりつけ医に相談してください。

産後の数週間(さらにその先「第4期」と呼ばれる産後の時期も)に適切な食事を取ることで、リカバリーを促進してエネルギーを高め、失われた栄養を取り戻すことができる。さらに、授乳している場合には母乳の量をキープすることも。そう語るのは、ライアン・キッピング(公認栄養士、Prenatal Nutrition Libraryの創設者)。

だが、何をするにも大変な産後のこの時期に、いったいどうすれば適切な食事など取れるのか。そう思うのも当然。だからこそ、私たちのサポートの出番だ。

1. 食べる量と飲む量をかなり増やす。

30週のときの空腹はひどかったと思っているかもしれないが、産後はさらに空腹感が強まる。産後の最初の数か月は、身体が妊娠と出産のストレスから回復し、エネルギーを補充しようとすると、キッピングは言う。

対応策は、満腹感を感じるまで食べ続けること。通常よりもずっと多い量でも構わない(2食続けて多めに食べてもまったく大丈夫)とキッピングは言う。赤ちゃんに授乳しているかどうかにかかわらないが、米国産科婦人科学会(ACOG)によると、授乳している場合には特に、十分な母乳が出るよう、妊娠前よりも1日あたり450~500キロカロリー多く摂取する必要がある

1日あたりタンパク質を71~100グラム摂取することを目標に、と語るのはシカゴを拠点とするメーガン・マクミラン(登録栄養士で有資格の授乳コンサルタント、The Lactation Dietitianのオーナー)。食事のタンパク質を増やし(例えばチキンを、80グラムではなく140グラム食べる)、おやつにも含めるようにしよう。簡単に食べられるヨーグルト、ナッツ、シード、ドライサーモン、固ゆで卵などがおすすめと言うのは、ウィロー・ジャロシュ(ニューヨーク市の登録栄養士)。ジャロシュは、『Healthy, Happy Pregnancy Cookbook』の共著者でもある。

水分も忘れてはならない。水分は、回復と母乳の出を維持するために不可欠だとマクミランは言う。「のどの渇きを感じないように、できるだけ多くの水分をとること」と話すのは、カリフォルニア州オークランドのアマンダ・ウィリアムズ医学博士(認定産婦人科医、「Nike (M)ove Like a Mother」諮問委員会のメンバー)。すぐに飲めるように、寝室、車、子供部屋などに水のボトルを用意しておくこと、とジャロシュ。それからもう1つのヒントは、片手で飲めるように、ストローやスポーツトップの付いたボトルを選ぶこと。

2. 体を回復させる栄養素を優先する。

現時点では、十分に食べよく飲むことだけでも十分だ。しかし、時間とエネルギーがある場合、または買い物や料理を手伝ってくれる人がいる場合は、食事で取るコラーゲンと鉄分も増やそう。

マクミランによると、肌、軟骨、筋肉を構成するコラーゲンは、産後の組織回復を助けるという。ビーフシチューやポットローストなど、じっくり調理した肉料理は、家庭的なだけでなくスロークッカーで簡単に作れる。これは、回復期にある人親になったばかりの人にとって非常に便利だ。さらに、マクミランは、トレンディな栄養補助食品よりも自然食品を勧めている。ベジタリアンの場合は、身体の自然なコラーゲン生成を促進するビタミンC(キーウィやパプリカなど)や亜鉛(豆やカボチャの種に含まれる)をたっぷり取ろう。

また、妊娠中に鉄分不足になったり、出産時に多量に出血したりした場合、または母乳が少ない可能性がある場合は(これらはすべて珍しいことではない)、産後1ヵ月間は鉄分を豊富に含む食品を毎食食べるようにし、その後は毎日食べるようにすることをマクミリンとウィリアムズ博士の両氏は推奨している。鉄分が不足すると、疲労、イライラ、頭痛に繋がることがある。これは産後だけでなく、どんなときでも嫌なものだ。鉄分源として赤身の肉が最適だとウィリアムズ博士は言う。また、色の濃い葉野菜やレンズ豆からも摂取できる。

出産後の食事について専門家が解説

3. カフェインとアルコールの力に頼らない。

新生児の睡眠スケジュールに付き合った後に、コーヒーが欲しくなるのは自然なこと。いつものカフェラテを飲んでもかまわないが、カフェで特大サイズを注文する前に考え直してみよう。ジャロシュは、エネルギーを高めるものとして、まず食べ物を考えるように勧めている。カフェインは食欲を抑制することがあるからだ。授乳中は、1日あたりのカフェイン摂取量を200ミリグラムまでと決めておこう。摂取量が多くなると、赤ちゃんがイライラしたり、母乳の鉄含量に影響を与える場合があるとジャロシュは語る。

また、アルコールも控え目にすること。アルコールにはレム睡眠を減らす可能性があるため、すでに消耗した身体にさらにストレスを与えるとジャロシュは言う。授乳している人が飲酒をする場合は、直前に授乳または搾乳しておき、飲酒後少なくとも2時間経ってから再び授乳と搾乳をすること(ACOGも同意している)。

4. 心にも栄養を。

すでに産後期にある皆さんには、産後が精神的にも感情的にも辛い時期であることを改めて言う必要はないだろう。食べ物はそれを完全に変えることはできないが、改善することはできる

自然食品に焦点を置き、タンパク質が3分の1、炭水化物が3分の1、健康的な脂質が3分の1となるよう毎回の食事のバランスを取り、1日を通してフルーツや野菜を食べるように、とジャロシュは勧める。こうすることで、血糖が安定し、気分とエネルギーが向上する。ただし、常に気分が落ち込んでいる場合は、すぐに専門家に相談すること。

5. 創造力を発揮する。

赤ちゃんが腕の中で寝ているときや、授乳中、赤ちゃんを抱いているときには、片手で食べられる食べ物がピンチを救ってくれる。

カットしたステーキ、豆腐や野菜、ツナサラダ、ピーナッツバターとジャムなどをピタポケットに詰めて用意しておくこと、とジャロシュ。また、キッピングのお勧めは、朝食用のサンドイッチ(イングリッシュマフィンに卵、ハム、チーズなどを挟む)やエナジーボール(オーツ、ナッツバター、チアシードなどを混ぜて冷蔵庫に保管する)を多めに作って冷凍しておくこと。

6. 身体の声に従う。

親であることは、柔軟になることを学び続けることでもある。これと似たアプローチを食事にも取ることが、身体のために役立つ。これはつまり、スケジュールや数値に頼るのではなく、身体が欲するものを、欲するときに、欲するだけ取ることを意味するとキッピングは語る。

自分の身体の信号に耳を傾けることで、たとえば、徐々にエクササイズを再開したら食欲が増加した、または赤ちゃんの離乳にともなって食欲が減ったなど、身体の変化を理解しやすくなる、とキッピング。

出産前の食事スタイルが規則的であった場合には、この流動的で、直観的な食事スタイルは、大きな変化かもしれない。しかし、身体は何がどれだけ必要なのかを知っている。自分の身体が持つ驚くべき力を実感したいなら、あなたの横にいる赤ちゃんに目を向けてみよう。

文:ローレン・デル・タルコ
写真:ビビアン・キム

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公開日:2022年11月18日