Nikeが革新的なスポーツ用ヒジャブでイスラム教徒の女性アスリートをサポート
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ヒジャブを着用する女性アスリートが、ふさわしいギアをついに手に入れられるように。

- ナイキ プロ ヒジャブは、2017年12月に発売。
- スポーツにおける従来のヒジャブの性能上の制約をなくすべく作られた。
- 着脱しやすいプルオンデザインに、単層のNike Proクールメッシュを使用。女性アスリートをさらりとした快適な状態にキープする。
- 軽量なこのアイテムは、XS/SとM/Lのサイズ展開。
イスラム教徒の女性アスリートを尊重し、サポートするために、Nikeは2017年12月にナイキ プロ ヒジャブを発売した。 ヒジャブを着用する人々のコミュニティのニーズに応えてNikeが生み出した、新しい画期的なアイテムだ。 要するに、女性向けのスポーツ用ヒジャブは存在せず、従来のヒジャブはスポーツには適していなかったのだ。
選択肢がほとんどなかったため、Nikeアスリートでフェンシングのチャンピオンであるイブティハージ・ムハンマドのようなトップアスリートは、手に入るもので間に合わせるしかなかった。 実際、2016年にリオデジャネイロで開催されたオリンピックで米国代表として銅メダルを獲得したムハンマドは、アスリートとしてのキャリアを重ねる中で常に適切なギアを見つけるのに苦労していた。 そんな彼女は、ヒジャブを後ろで結び、前側はあごの下でピンを使って留め、余分な布地をスポーツブラのストラップに挟み込んでいた。
困ったことに、二重織のジョーゼット生地は汗をかくと重くなり、動きを妨げる。 ヒジャブは不快であるだけでなく、聴覚を著しく遮り、時には審判の指示が聞こえず、ペナルティーを受けることもあった。
従来のヒジャブがスポーツに適していないことを問題視するアスリートは、ムハンマドだけではなかった。 Nikeのデザイナーも、同じような意見を他の多くの人たちから聞いていた。 スポーツの場を平等にしようと、Nike Proのデザイナー(肌に最も近い素材の層となるインナーを考案)は、スポーツ用ヒジャブの試作品を作成することにした。
最初のバージョンを開発した後、Nike Proのデザイナーはアスリートに試着を依頼。 アラブ首長国連邦出身の重量挙げ選手、アムナ・アル・ハダッドやフィギュアスケート選手のザーラ・ラリといったプロアスリートと、ドバイのNike Run Clubコーチ、マナル・ロストムやドイツのボクサー、ゼイナ・ナッサーのようなプロ以外のアスリートが、その性能と外観に関して意見を交わした。
Nikeは試着テストを数回繰り返しながらアスリートから集めたフィードバックに基づいて製品を改良。 こうして、軽量で柔らかく通気性に優れた、目立たないスポーツ用ヒジャブが完成した。 単層構造のNike Pro クールメッシュ(Nikeで最も通気性に優れた素材の1つ)を使用し、アスリートを涼しく快適な状態にキープ。 XS/SとM/Lの両サイズで展開するプルオンデザインのヒジャブは、かさばりを抑えながら多様な頭のサイズや顔の形にフィットするよう調整できるデザインだ。
2017年12月に発売されたナイキ プロ ヒジャブは、Nike.comのほか、ヨーロッパ、北アフリカ、北米、中東の一部の小売店で販売。現在、Nikeではナイキ プロ(ブラック、38ドル)と水泳用のナイキ ビクトリー(ブラック、46ドル)の2種のヒジャブを販売している。
ナイキ プロ ヒジャブは単なるスポーツウェアにとどまらない、イスラム教徒の女性アスリートに力を与えるアイテムだ。 「ナイキ プロ ヒジャブは、ヒジャブとスポーツにおけるイスラム教徒の女性に関する対話を発展させ、スポーツをインクルーシブな場にする一助となるでしょう」と、ムハンマドは商品発売時に語っている。
また、ラリはこう話している。「私たちイスラム教徒の女性にとって、このヒジャブは世界中のあらゆることを実現できるということを思い出させてくれるものです。 イスラム教徒のアスリートのためにNikeが成し遂げたことは、実現するとは思ってもみなかった夢なのです」
文:ディナ・チェイニー