骨盤底のエクササイズで妊娠生活を快適に
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ケーゲル体操が話題になったのは10年も前のこと。トランポリン、風船、あくび(詳細は本文をチェック)を取り入れたエクササイズも駆使して、骨盤底のケアを進化させよう。
- 骨盤底は妊娠によって硬直化することがある。ケーゲル体操やトレーニングのやり過ぎでも硬くなるので注意が必要だ。
- 安産を期し、産後の回復も早めるために、深呼吸とイメージトレーニングで骨盤底筋を緩めよう。 メンタル面、運動、栄養摂取、リカバリー、睡眠など、ママたちに耳寄りなサポート情報が満載の
- Nike (M) ページもチェック。
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*このコンテンツの目的は情報提供と意欲の向上であり、診断、治療、特定の医療に関するアドバイスを意図したものではありません。妊娠前、妊娠中、出産後の健康と安全の維持については、必ずかかりつけ医に相談してください。
腕立て伏せで上半身の筋肉がポンプアップされると、自分が強くなった気分になれる。負荷の高い運動で筋力をつけ、その成果を実感できるのは嬉しいことだ。だが一部の筋肉は、そんな成果を視認できない。収縮だけでなく弛緩も意識するエクササイズによって、機能が鍛えられる筋肉もある。
骨盤底筋は、そんな筋肉のひとつ。特に妊娠中は、エクササイズの効果が実感しやすい。
エクササイズの説明を始める前に、骨盤底筋についておさらいをしておこう。骨盤底筋は、恥骨と尾骨を覆う筋肉だ。トランポリンのような弾力面の働きで内蔵を守っている。
排尿、排便、性行為、そして出産のたびに、骨盤底筋は広がって全体を開かなければならない。骨盤底が硬かったり、縮んでいたり、押し上げられていたりすると、必要な行為に大きな支障が生じる。そう説明するのは、コロラドスプリングズでFEMフィジカル・セラピーを創立したローレル・プルー博士。骨盤の健康を専門とする理学療法士でもある。
骨盤底筋の硬直が引き起こす問題
骨盤底筋は、妊娠中によく緊張する。子宮が大きくなると、その重みが骨盤底に加わって骨盤筋を硬直化させてしまうのだ。そう語るのは、フィラデルフィアのアン・ヌワブエボ博士(ボディコネクト・フィジカルセラピー創設者)。骨盤の健康を専門とする理学療法士だ。またケーゲル体操などのエクササイズで骨盤底を鍛え過ぎても、硬直を起こすおそれがある(プルー博士談)。体幹や臀部の回旋筋(足を回転させる筋肉)が弱まっていても、同様の問題が起こる。周囲の筋肉が充分な力を発揮できないと、骨盤底が代わりに負荷を受け止めることになるからだ。
心理的なストレス(妊娠中にありがち)も、骨盤底への負担になることがある。「骨盤底は中枢神経系につながっています。だから不安や心配があると、収縮や緊張といった反応につながるのです」とプルー博士は言う。
骨盤底は、いたわらなければならない。骨盤底の硬直は妊娠中の痛みだけでなく、出産時にも厄介な問題を起こしかねないとヌワブエボ博士は言う。赤ちゃんが産道から顔を出すには、骨盤底筋を普段の3倍(!)の長さまで伸ばさなければならない(プルー博士談)。この筋肉が硬直していたり、緊張していたりすると、赤ちゃんは閉じたドアを無理やり押し開ける必要が生じ、出産の時間が長引くおそれがある(ヌワブエボ博士談)。硬くて開きにくい骨盤底筋のために、膣が傷つくこともある(会陰裂傷は他の原因でもよく発生するが、骨盤底筋を緩めておく意義はある)。
すぐに実践できる弛緩法
骨盤底を緩めて、緊張を解く呼吸法を紹介しよう。出産前の準備に役立ち、産後の骨盤底機能不全にも効果がある。呼吸法を通じて心と体のつながりも強まり、出産を前にした落ち着きや自己統制感も得られる(ヌワブエボ博士談)。
1.トランポリンをイメージする
骨盤底がトランポリンだとイメージしてみる。呼吸する空気は、その上に乗った人間だ。息を吸うと空気(人間)がトランポリンに乗ったような状態となり、骨盤底を伸ばして押し下げる(ヌワブエボ博士談)。息を吐くと、空気はトランポリンを飛び立って、面が元の水平状態に戻る。
息を吸うたびに骨盤底筋が広がり(弛緩して下がり)、息を吐くたびに骨盤底筋ゆっくり収縮する(緊張して上がる)。このイメージを体の中で感じてみよう。
2. お腹に意識を集中する
息を吸うときは、肋骨とお腹を大きく広げよう。お腹全体が、吸気で満たされていく。風船のようなイメージを想像してみる。
肋骨の広がりを実感できない場合は、横向きに寝てみる。そして上側の手を肋骨に当てて動きを感じてみよう(プルー博士談)。何度か深く呼吸するうちに、骨盤底の伸張と弛緩が感じられるようになるはずだ。
3.あくびをイメージする
奇妙なたとえに聞こえるかもしれない。だがプルー博士によると、肛門がゆるんで、膣もあくびをするように開いていくイメージを思い浮かべるのがコツらしい(あくびがピンとこなければ、クラゲでもいい。息を吸ったときに骨盤底がクラゲのように大きく体を開くイメージだ)。
4. 股関節を開く
それでも緊張が緩まない場合は、四つんばいになるか、立ったままテーブルにかがみ込んでみる。重力のはたらきで、魔法のように骨盤底が意識できるかもしれない。お腹が自然に下がると、何度か深呼吸をするうちに骨盤底が広がって弛緩するようになる(プルー博士談)。
効果が感じられるなら、上記の呼吸法から好きなアプローチを選んでも構わない。毎日5〜10分でもいいし、思い出す度にやってもいい。タイミングも自由だし、ルーティンにしてもいい。例えばワークアウト後にやろうと決めておけば、トレーニングの動きをサポートするために緊張していた骨盤底を弛緩させられるだろう。
プルー博士のおすすめは就寝前だ。深く呼吸することで、不安や心配をもたらす闘争・逃走モードから神経系が解放され、眠りが深くなるという研究がある。避けられない心理的な負担によって骨盤底が過度に緊張しているときは、深呼吸をすれば心身ともにリラックスモードへ導けるだろう。
骨盤底のエクササイズは、ジムのワークアウトと大きく異なる。インスタ映えするトレーニングでもない。でも効果を実感できれば、確かな満足と自信が得られるだろう。
文:アシュリー・アブラムソン
写真:ビビアン・キム
骨盤底の弛緩法は、誰にでも直感的にわかるとは限らない。プルー博士のアドバイスを実践してみよう。
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