プロに教わるバレーボールのプレー方法

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バレーボールを楽しみたいのに、何から始めればいいのかわからない人は要チェック。 ベテランプレーヤーが、バレーボールの基礎を解説する。

最終更新日:2022年10月14日
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プロに教わるバレーボールーのプレー方法

新しいスポーツを始めるには、まずルールを理解する必要がある。 バレーボールも例外ではない。 今回はバレーボールのプレー方法について、プロのプレーヤーがアドバイス。 まずは初心者がバレーボールを始めるのに役立つ5つのヒントをチェックしよう。

バレーボールの基本を身につける

最も重要なルールは、ネット手前にある自陣でボールを落とさないようにすること。 各チームともに、1回のプレーでボールに接触できるのは3回までだ。つまり相手コートから飛んできたボールは、3回以内の打数でネットの向こうへ打ち返さなければならない。そう解説するのは、NCAAで2度優勝経験のあるヘイリー・ハワード氏(プロビーチバレーボールプレーヤー)だ。

同じプレーヤーが、2回連続でボールに触るもの禁止である。得点するには、相手コートのライン内側にボールを落とさなければならない。そう補足するのは、過去にカリフォルニア大学バークレー校でインドアバレーボール選手として活躍し、現在は南カリフォルニア大学のビーチバレーボールチームに在籍する(2023年夏にはプロツアーに参戦予定)ベレン・カスティージョ氏だ。

ビーチバレーボールとインドアバレーボールで、プレーヤーの人数は異なる。 屋内で行うインドアバレーボールは、6人対6人でゲームをする。

ビーチバレーボールでも求められる技能は同じだが、コートの設定が多少異なる。 ビーチバレーボールは2人対2人の対戦で、コートは屋内のバレーボールコートよりも狭い(ハワード氏談)。

得点のカウント方法も異なる。 屋内のバレーボールでは、5セットマッチが一般的だ。 4セット終了時点でセット数がタイの場合(各チームが2セットを獲得した状態)、第5セットは15点先取となる。

一方のビーチバレーボールは、1セットが21点先取(屋内は25点先取)だ。 2セット先取したチームが勝利し、第3セットは15点先取になる。 また7点ごとにコートチェンジをするのもビーチバレーならではのルールだ。風向きや太陽の位置など、気象条件の公平性に配慮するためである。

プロに教わるバレーボールーのプレー方法

バレーボールの動きを練習する

バレーボールには、さまざまなボールの打ち方がある。 ハワード氏が初心者に練習を勧める基本の動作は2つ。サーブとパスだ。

バレーボールのプレーは毎回サーブから始まるが、サーブにもさまざまな打ち方がある。 初心者にとって最も簡単なのはアンダーハンドサーブだとハワード氏は言う。「体の前にボールを構え、こぶしでボールを打ちます。ボールを下から打ち上げて、ネットの向こうへ飛ばします」

パスというのは、文字通りチームメイトにボールを渡す動作だ。 パスの方法について、ハワード氏はこう説明する。「ボールを送る場所が見えていなければいけません。 ボールの行く先が視界に入ったら、まず体をその方向に向けます。 この時、体の前に腕を突き出し、ボールがうまく当たるように腕の角度を調節してから、今度はパスしたい方向に角度を変えてボールを飛ばします」

パスのコツをつかむには、ボールを壁に当てて練習するのがおすすめだとカスティージョ氏はアドバイスする。 「腕を板のようにして使えるようにするための訓練で、壁に向かってパスを打ちます。コツがわかったら、テープで壁に目印を付け、精度を高めるためにその目印を狙ってボールを打ってみましょう。 パスを打つ腕を木の板だと思って、ボールを飛ばしたい方向に合わせて角度を調節するのがポイントです」

プロに教わるバレーボールーのプレー方法

さまざまなポジションについて理解する

バレーボールのプレーに関する知識を深めるには、コート上での各ポジションの役割について理解する必要がある。

まずはリベロ。このポジションについて、ハワード氏はこう語る。「リベロは特殊なポジションです。 通常は異なる色のユニフォームを着ていて、いつでもコートを出入りできます。ただし、常に後列でプレーし、 パスと守備を任されます。 つまりリベロはボールコントロールが得意な人のポジションです」

次に、ピンヒッターとミドルヒッター。 「ピンヒッターは前列でプレーします。 ブロッカーやアタッカーとして重要なポジションですが、後列でもプレーします」とハワード氏は説明する。ミドルヒッターは、コートの中央で主にブロッカーとしての役割を担う。

セッターも、バレーボールのプレーでは毎回重要な役割を果たす。 「セッターは一般的に、チームで司令塔のような働きをします。 いつもヒッターにプレーの指示を出し、通常は2タッチ目でボールを上げますが、それができないときはサポートしてもらいます」

プロに教わるバレーボールーのプレー方法

コアを使う

バレーボールは腕を使うプレーが多いものの、プレーヤーとして成長する秘訣はコアの筋力強化だ。 「ボールを強く打つのに欠かせないのは、腕の筋力だと思っている人が多いようです。しかし力強くボールを打つ秘訣は、コアや腹筋にあるんです」とカスティージョ氏は話す。

コアの筋力は、安定性の要でもある。バレーボールでは、ボールを落ちないようにスピーディーでパワフルな動きが必要だ。そのためには安定性の強化が欠かせない。 「コアの筋力は安定性の要。バレーボールのプレーヤーにとって、コアは最も重要な要素の一つなのです」

プロに教わるバレーボールーのプレー方法

チームとしっかりコミュニケーションをとる

最後に、バレーボールはチームスポーツであることを思い出してほしい。 絶え間なくコミュニケーションをとることが、勝利の鍵を握る。 「試合では、チームメイトに声をかけるようにしましょう」とカスティージョ氏はアドバイスする。 「強いチームはコミュニケーションを重視しています。次の動きを常に言葉にすることで明確に伝え、結束した一団として機能できるのです」

そして最も大切なのは、楽しむ気持ちを忘れないこと。 カスティージョ氏はこう語る。「どんなスポーツでも、新たに始めるのは大変なこと。真剣にプレーするのも大切ですが、楽しんでプレーしてこそ最高のパフォーマンスが発揮できるでしょう。 バレーボールの長所の一つは、チームスポーツであること。 試合に勝つ喜びや、友人と共に成長するうれしさを共有できるのは素晴らしいことです」

文:ジェシカ・エストラーダ

公開日:2022年10月14日