シャツの汗ジミを取る方法
製品のお手入れ
ワークアウト用のトップスや普段着のTシャツに付いた汗ジミをすっきり取り除く手順を丁寧にご紹介。
備品
- 酸素系漂白剤
- 液体ハンドソープ(泡タイプでないもの)
- ホワイトビネガー
- 酵素系洗剤
- 重曹
ツール
- 馬毛ブラシ
- スプレーボトル
- 洗濯機
トレーニングで気持ちよく汗をかけば、心身ともに元気になり、リフレッシュできるが、ワークアウトウェアを傷める原因にもなる。 汗に含まれるタンパク質と多くの制汗剤との間で起きる化学反応のせいで、脇に黄色っぽい汗ジミが付き、ワークアウトシャツの生地が変色してしまうことがあるのだ。
だが幸いなことに、シャツの汗ジミは簡単な手順で取ることができる。 ここではエキスパートによる洗い方のコツを紹介。『Laundry Love: Finding Joy in a Common Chore』(洗濯を好きになろう:日々の家事に楽しみを見つける)の著者であるパトリック・リチャードソンが、シャツの汗ジミを取るための4つの手順を伝授する。
最大のポイントは、 身近にある多くのものを洗剤に使用できることだ。
シャツの汗ジミを取る方法
1.洗剤を用意する
まずは、汗ジミ除去専用の洗剤を作ろう。 用意するのは、液体ハンドソープ、ホワイトビネガー、酸素系漂白剤、酵素系洗剤。 頑固な汗ジミを落とすのに必要な洗剤は、これで十分だ。
市販のシミ抜き剤を使ってもよいが、自分で簡単に作れるし、お財布にも優しい。 シミ抜き剤を作る際は、スプレーボトルに同量のホワイトビネガーと水を入れて、洗濯機のそばに置いておこう。
次に用意してほしいのは、シャツの素材に適した石けん。 丈夫なポリエステルのジャージーを洗うのでない限り、油汚れに強い食器用洗剤は一般的に酸性濃度が強すぎてデリケートな素材には向かないため、避けたほうがいいとリチャードソンはアドバイスする。
「Nikeの高性能素材は、普段着用の素材とは異なります。強力すぎて繊維を傷つけるおそれのある洗剤は使うべきではありません」と言い、代わりに油のような粘度を持つハンドソープを使うことをすすめている。
最後に、洗濯洗剤が酵素系であることを確認しよう。 酵素系洗剤には、汗ジミなどのタンパク質由来のシミを分解する天然タンパク質が含まれている。
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2.汗ジミが定着する前に対処する
適切な洗剤をすべて用意したら、素材に定着する前に汗ジミを落とすのは簡単だ。
「汗ジミを1週間放置していようが問題ありません。重要なのは、洗濯機のお湯の中で攪拌する前に対処することです」とリチャードソンは言い、
シャツを洗濯機に入れる前に、ビネガーと水で作った洗剤をシミが付いた部分にスプレーするようアドバイスする。 血液やワインのように時間が勝負となるシミとは違って、汗ジミは洗濯機や乾燥機に入れていなければ、時間が経ってもきれいに落とせる。
汗ジミの予洗いは、ビネガーと水を混ぜた洗剤をシミの付いた部分に数回スプレーするだけ。それから洗濯機に入れればよい。 ジムから帰宅したタイミングで、洗濯カゴに入れる前にワークアウトウェアにスプレーしたいと思うかもしれないが、洗濯機で洗う直前にビネガーで作った洗剤をスプレーするのが最も効果的だ。
3.衣類を洗濯する
シミの付いた衣類を洗濯機に入れたら、プロテアーゼなどの酵素を含む洗濯洗剤を使うこと。酵素が汗に含まれるタンパク質の分解を助けてくれる。 成分に酸素系漂白剤を含む洗剤であれば、洗濯機での洗浄力アップに役立つ。
特に注意を要する白いウェアを洗濯する際には、ホワイトビネガーを1カップ加えてもいい。 ウェアのラベルに記載されたお手入れ方法をチェックし、推奨されている洗濯機の設定を確認しよう。
洗剤の入れ過ぎには要注意。ウェアがくすんだり、光沢が失われたりする原因になる。 リチャードソンはこう話す。「洗剤は控えめに使うほうが、きちんとすすげるので、ウェアをきれいに洗えます。 大さじ2杯で十分です」
ポリエステルなどの合成素材の場合はなおのこと、洗剤は少なめにすべきだ。合成素材は水との親和性が低く(水となじみにくい)、油との親和性が高い(肌から分泌される油分を吸収しやすい)。 汚れが衣類から分離して洗濯槽に放出されると、界面活性剤(洗剤が水と混ざるのを助ける化学物質)も多量に水中を漂い、再び素材に付着するおそれがある。
ヒント:汗ジミが付き、不快な臭いを放つシャツを洗濯する場合は、事前に同量のビネガーと重曹で作った洗剤を入れた冷水に30分つけ置きしてみよう。
4.頑固な汗ジミには効果の高い方法で対処
白いシャツでもカラフルなシャツでも、頑固な汗ジミを落としたいときに最も頼れるのが、酸素系漂白剤だ。 色落ちの心配がなく、大半の素材を傷めずに洗える。酸素系漂白剤を含む洗剤に一晩つけ置きしても問題ない。 ただし、ウールやシルクに使用するのは避けよう。素材を傷めるおそれがある。
ヒント:白いシャツを洗う場合、塩素系漂白剤で汗ジミを取ろうとするのはやめておこうと、リチャードソンは話す。 「素材を傷め、色の鮮やかさが失われます」 Tシャツの白い素材には一般的に「オプティックホワイト」の染色が施されており、塩素系漂白剤によってこの染色が損なわれるおそれがある。
洗濯機を回した後も取れない頑固な汗ジミへの対処としてリチャードソンがすすめるのは、汚れた部分に液体ハンドソープを付けてから、 粉末タイプの酸素系漂白剤を振りかけてペースト状にするという方法だ( 注:一般的に酸素系漂白剤は手袋なしで扱っても問題ないが、念のため商品のラベルをチェックしよう)。 酸素系漂白剤が手元にない場合は、重曹と水でペースト状の漂白剤を作ることもできる。
ペースト状の漂白剤を汗ジミに塗布した状態で30分放置した後、 シミの付いた部分をお湯で洗い流す。それからラベルに記載されたお手入れ方法に従って、洗濯機で洗濯しよう。
特に頑固な汗ジミを取る場合は、馬毛ブラシを使って生地にペーストを塗布するといい。 「馬毛ブラシは柔らかいので、高性能素材を傷めたり、光沢を失わせたり、縫い目の糸を引っ張ったりする心配がありません」とリチャードソン。毛がプラスチック製のブラシは硬すぎて素材を傷めるおそれがあるとのことだ。
文:イェレーナ・モロズ・アルパート