無駄のない筋肉をつけるには? 実践したいトレーニングのアドバイス
スポーツ&アクティビティ
体組成を変えて、体を強化するための食事とエクササイズのガイドラインをチェックしよう。
トレーニングで無駄のない筋肉をつける方法
効果的に筋肉をつけるためには、セット、反復、1RMなど、レジスタンストレーニングの重要な用語を把握しておこう。 用語を理解すると、無駄のない筋肉をつけるためのトレーニング計画を立てることができる。
1.適切なセット数と反復回数の見極め
反復の回数は、ワークアウトトレーニングの目標によって異なる。 1回の反復とは、特定のエクササイズを一度行うこと。 1セットとは、同じエクササイズの反復を複数回行うことだ。
米国運動協議会(ACE)や全米スポーツ医学協会(NASM)などのトレーニング組織は、筋力に関連したさまざまな目標に基づく、セットと反復に関する具体的なガイドラインを提供している。
たとえば筋持久力を強化したい人に推奨されるセット回数は、1セットあたり8~12回の反復を含む各エクササイズを2~4セット。これをワークアウトの一部として行う。 筋持久力とは、筋力を長時間持続させる能力のことだ。
しかし、筋肉量を増強するための推奨事項は少々異なる。 筋肉を鍛えたり、筋肉を大きくしたりすることを専門用語で「筋肥大」という。 NASMでは、最適な筋肥大を得るために、1回のエクササイズで6~12回の反復を3~6セット行うことを推奨している。 最大反復回数(1RM)の75~85%であるウェイトを上げることが、筋肉量をつけるために役立つ。
最大反復回数(1RM)
ACEによると、1RMとは1回に反復できる最大のウェイトのことだ。 この数値は、いくつかの方法で決定できる。
ウェイトリフティングの経験が豊富な人は1RMのテストをジムで行ってもよい。通常は資格を持つトレーナーの助けを借りて行うことになる。 テスト中やウォーミングアップ後に、可能な限り重いウェイトのリフティングに挑戦しよう。 テストには多少のリスクがあるため、補助者やトレーナーの手を借りること。 リフティングの経験が浅い人の場合は、トレーナーに1RMを予測してもらうこともできるが、予測だと精度はやや落ちる。
1RPは体の筋肉群に応じて異なる。 たとえば、二頭筋を鍛えるダンベルカールの1RMよりも、スクワットの方が著しく高くなることも。 また、筋力が強くなるにしたがって1RMも変化するので 定期的に再テストする必要がある。
ランニングで活性化する7つの筋肉群をぜひチェックしてみてほしい。2.無駄のない筋肉をつけるためのトレーニング計画を立てる
各エクササイズまたは筋肉群の1RMがわかると、筋力アッププランを立てられる。NASMのガイドラインを活用してエクササイズを選び、それをワークアウトに組み込めるのだ。 選択するエクササイズの数はフィットネスレベルによって異なるが、NASMは体の部位ごとに2つから4つまでのエクササイズを行うことをアスリートに推奨している。
たとえば上半身に筋肉をつけたい場合は、まず以下のエクササイズを3x6(6回の反復を3セット)行う。- チェストプレス
- チェストフライ
- プッシュアップ
- ラットプルダウン
- プルアップ
- ショルダープレス
- ラテラルレイズ
このワークアウトプランは、胸、背中、肩の大きな筋肉を鍛える(肥大させる)ための推奨事項を満たしている。 筋力が強くなってきたら、まず反復回数を追加し(最大12回)、次にセットを追加していく(最大6セット)。
ワークアウトの頻度も決めよう。 トレーニングの全体量は頻度よりも重要だということが、研究から判明している。 ここでいうトレーニングの量とは、セット数、反復回数、強度とレジスタンスのレベルを組み合わせた負荷を指す。
しかしトレーニングの全体量が重要だとしても、トレーニングの頻度が多い(1週間に3回以上)方が、筋肉の肥大には少し有利であることを、公開されているいくつかの研究が示唆している。
最上のウェイトトレーニングスケジュールを組むうえで最も重要な要素は、十分なリカバリー期間を確保すること。 そして無駄のない筋肉をつけるためには、筋タンパク質分解(MPB)率が筋タンパク質合成(MPS)率よりも低くなければならない。
MPBが起きるのは、ワークアウト中に筋繊維に負荷がかかりダメージを受けるときだ。 筋タンパク質はリカバリー中に合成され、 このフェーズで、タンパク質の構成要素であるアミノ酸により、筋繊維が再構築される。 十分な休息をとらないと、このフェーズが効果的に行われない。 このプロセスを最適化するには、適切な食事も必要だ。3.ワークアウト後に筋肉を回復させるための食事
リカバリー中の筋タンパク質合成を最大限活用するためには、高品質のタンパク質を筋肉に供給する必要がある。 国際スポーツ栄養学会(ISSN)によると、アスリートが1日に摂取すべきタンパク質は体重1kgあたり1.4-2.0g。 1ポンドあたりおよそ0.64~0.91gだ。
タンパク質は必須アミノ酸、特にロイシンから摂取するとよい。 必須アミノ酸は体で自然に合成されないため、食事から摂取しよう。 ロイシンは筋タンパク質合成のために特に重要な化合物であるとされている。
卵、アーモンド、ひよこ豆、レンズ豆、サーモン、ピーナツなどの食品にこのロイシンが多く含まれている。 大豆や乳清のプロテインパウダーからもロイシンを摂取可能だ。 七面鳥、魚、カッテージチーズ、キヌア、マメ科植物にも必須アミノ酸が含まれている。
ISSNによると、筋力トレーニングのワークアウトの24時間後まで、骨格筋がタンパク質とアミノ酸から効果を得やすい状態が続く。 したがってこの期間に高品質のタンパク質を食事で摂取すると、筋肥大を最適に行うことができる。
ただしタンパク質を摂取するタイミングをきっちり守る必要はない。 一部のアスリートはエクササイズ後30分以内に、シェイクやバーからプロテインを摂取しようと努めているが、その必要はないだろう。 最新の研究では、食事の全体的な品質を重視し、1日を通して十分な栄養を摂取することの方が重要であると示されている。
レジスタンストレーニング計画をサポートする最適な食事計画を立てる場合は、高品質の炭水化物と脂質も食事に取り入れるべきだろう。 全粒穀物、果物、野菜などの糖質は、体にエネルギーと脂質(アボカド、ナッツ、種、植物油に含まれる脂質など)を供給する。また、健康的な細胞を維持し、満腹感を得られるようにもなる。
無駄のない筋肉をつけることに関するよくある質問
筋肉をつけながら脂肪を減らすことはできるのか?
筋肉をつけるための食事では、カロリーを増やす必要がある。 つまり、毎日の消費カロリーよりも多いカロリーを摂取しなければならない。 減量したいなら、食事で摂取するカロリーを毎日の消費カロリーよりも少なくし、カロリー収支をマイナスにする必要がある。 このような理由から、筋肉をつけながら脂肪を減らすのはとても難しい。
筋肉をつけるサプリメントを摂取すべきか?
専門家が主に推奨しているのは、バランスの取れた食事から高品質のカロリーを摂取すること。 脂質やカロリーの少ないタンパク質、繊維質が豊富な糖質、体によい脂質が含まれている食品からは、重要なビタミンやミネラルも摂取できる。 とはいえ、特にトレーニング量が多く、筋肉をつけたいアスリートのように、摂取カロリーをできる限り抑えながら十分なタンパク質を摂りたい人には、実践的な方法としてプロテインのサプリメントを使うことをISSNは推奨している。