野球やソフトボールのグローブを型付けする方法

製品のお手入れ

新品の硬いグローブを自分にフィットするように型付けして、使いやすくするためのヒントをご紹介。

最終更新日:2022年8月31日
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野球のグローブを柔らかく馴染ませる方法

野球やソフトボールの新しいグローブの購入は、わくわくする出資だ。これから数年にわたって使用するであろう道具の1つなのだから。 野球やソフトボールのプレーヤーなら誰でも知っているように、グローブは試合で使用する前に、適切に型付けする必要がある。 手の延長として自然に馴染み、ゆりかごのようにボールが楽に収まるようなグローブが望ましい。

ただ、グローブが閉じるように革を短時間でほぐそうとするのは避けた方がよいと注意を促すのは、ジョージタウン大学のピッチングコーチで、元マイナーリーグ選手であるジョージ・ケイペンだ。

「まずは、グローブの適切な部分を柔らかくする必要があります。 注意しないと、使えるように柔らかく形が変わってきたとしても、ボールを捕る感覚や、感触に満足できないといった残念なことになりかねません」

グローブを正しく型付けするということは、グローブを閉じられる程度に革をしなやかにするだけでなく、プレーヤーの手やプレースタイルに合った型を付けるということ。 ケイペンに加え、元カレッジソフトボール選手であり、フロリダ州ウェストパームビーチでユースソフトボールのコーチを務めるメーガン・レンビーラックが説明するガイドを参考に、新品のグローブを頼りになるグローブへと変身させ、シーズン中いつでも活躍できるようにケアしよう。

野球やソフトボールのグローブは、なぜ型付けする必要があるか?

新しいグローブを購入すると、まずグローブが閉じるようにしたいと直感的に思うかもしれない。 しかし、ケイペンとレンビーラックは、グローブが閉じるようにするためにプレーヤーが試みる手っ取り早い方法には疑問を呈し、「グローブを閉じる」ことがグローブを慣らす主目的ではないと言う。

「グローブには、できるだけ広いポケットを作れるとよいです」とレンビーラック。 指の付け根付近のポケットでボールを受けとめ、さばけるようになることだと彼女は説明する。

正しく型付けされたグローブには、ボールがうまく収まるスペースができるはずであり、パンケーキのような、たたきつぶした形にはならない。 グローブが平たいと、指に力を入れて広げなければならず、ボールをキャッチしにくいと、レンビーラックは説明を続ける。

新品のグローブを型付けするもう一つの目的は、自分の手とプレースタイルに馴染ませること。 だからこそ、手っ取り早い方法ではなく時間をかけてグローブを馴染ませるようアドバイスする。 その最善の方法は、 頻繁に使うこと。

使い込むことでグローブを馴染ませていけば、グローブの適切な部分が柔らかくなり、手の形に合った型付けがされていく。 そして、そのグローブで練習を重ねるほど、試合の日の使いやすさが向上する。

野球のグローブを柔らかく馴染ませる方法

野球やソフトボールのグローブを正しく型付けする方法

野球やソフトボールのグローブを型付けするための手っ取り早い方法は、さまざまだ。 お湯につけたり、オーブンで焼いたり、車でひいたりする人もいる。

「おしゃれな新品のレザージャケットをまさかオーブンに入れようとは思わないでしょう。 革製のコートやブリーフケースを水につけようともしないはずです」とレンビーラックは語る。 「グローブでも、そんなことはしたくないものです」

ケイペンもレンビーラックも、新品のグローブを正しい方法で型付けし、手に馴染ませるために特に重要なのは、時間をかけることと使い込むことだと話す。

「キャッチボールをして革を手に馴染ませることでグローブを型付けしていく方法が私は好きですね」とケイペン。 この方法なら、グローブを自分のポジションやプレースタイルに合わせられる。

「私は親指を少し広げ、他の指は少し内側に曲げる傾向があります。 だから、キャッチボールをしてグローブを型付けしようとするときは、この癖を最も意識するようにしています。親指と他の4本の指で革を曲げるのです」

この形を作ることで、低めのボールに対処する際に、グローブがじょうごのように機能する。また、投げる方の手をポケットに出し入れしやすくなるため、迅速に投げられるようになる。

グローブを手にはめ、キャッチボールをすることで型付けするには時間がかかる。 最初はグローブがとても硬く感じる。 グローブを試合で使えるようになるまでには、3週間から数か月かかるとレンビーラックは言う。

何らかの練習で新しいグローブを使う場合は、新品のグローブを型付けしている最中であることをコーチに伝えるとよいと彼はアドバイスする。 そうしておけば、ボールを弾いてしまったときでも、「プレーヤーのミスなのか、グローブに原因があるのかがわかります。 プレーヤーの動きが正しいのにボールを弾いてしまうのは、問題ありません」とレンビーラックは話す。

練習の後は、革を揉むようにして 次の練習まで自宅で揉みほぐそう。 レンビーラックが提案するのは、グローブの指の部分をほぐしてから、裏返して手首に近い部分をほぐすこと。 閉じる向きとは逆の方向に曲げ、両手で自動車のハンドルを回すような手つきでほぐす。

試合には「頼りになる古い」グローブを使い、新しいグローブは一部の練習や気軽なキャッチボールで使ったり、リバウンドネットがある所で使ったりし、馴染むまではソファに座ってリラックスするときもはめておくことをケイペンはすすめる。

野球やソフトボールのキャッチャーミットを型付けする方法

キャッチャーミットはグローブとは別の方法で型付けする必要があるとケイペンは言う。 新品のキャッチャーミットは非常に硬いことでよく知られる。 キャッチャーミットをうまく型付けするには、人差し指と親指を合わせてしっかりと閉じるようにする必要があると、彼は説明する。

バッティングケージを利用するのも手だ。まだ簡単には閉じないキャッチャーミットでの練習方法として、キャッチャー用のギアを装着し、ボールを落としても構わない場所で、ピッチングマシンのボールを捕る練習をすることをレンビーラックはすすめる。

手に馴染んだ野球やソフトボールのグローブのお手入れ方法

  1. 1.紐の取り扱いに注意する。

    ケイペンには、13年間使用しているグローブがある。 そのグローブをまだ使用できるのは、紐に気を配っているからだと彼は言う。

    「紐も革なので、やはり自然に柔らかくなってきます。 紐が柔らかくなると、グローブの形が多少崩れてくるのです」 紐を締めることで、時間が経ってもグローブの形を保てる。

    「緩んだ部分があれば、紐を少しずつ順に締めていきます」と説明し、 最も緩みがちなグローブの指の部分に注意するようアドバイスする。

  2. 2.グローブをバッグに入れたままにしない。

    野球のグローブを柔らかく馴染ませる方法

    グローブを無造作にバッグに入れると、どんな折り目がつくかわからないとレンビーラックは注意を促す。 グローブはポケットが開いていて、ボールをキャッチするときに思い通りに閉じてボールを包み込める形状を保つのが望ましいが、バッグに無造作に詰め込むとこの状態が損なわれ、折り目がついて望ましくない角度で閉じるようになるおそれがある。

    グローブの形が崩れるのを防ぐには、ポケットを開いた状態でバッグに収納するとよいとレンビーラックは言う。 たとえば、ポケットにボールを入れ、グローブの指の部分ではなく手首に近い部分を、ストラップやゴムバンドで留める。 ストラップで指の部分を引っ張ってつぶさないようにし、ボールが入ったポケットを包むように留めよう。

  3. 3.グローブは平らな場所で手のひらを下にして収納する。

    グローブがパンケーキのようにつぶれてしまうのを防ぐため、帰宅後は野球用バッグあるいはソフトボール用バッグからグローブを出し、テーブルや棚の上に置いて保管することをレンビーラックはすすめる。 テーブルや棚などの平らな面に親指と小指の部分が接するように置き、ポケットを下向きにしてテーブルの方を向くようにする。 このように置けば、グローブのポケットは開いたままになる。

  4. 4.オイルやその他家庭にある一般的なアイテムの使用は控えめに。

    グローブに乾燥が現れ始めたとき、しなやかさを維持するためにグローブ用オイルを使うプレーヤーもいる。 オイルを使う場合は、ごく控えめにした方がよいとケイペンは言う。オイルにグローブを浸すのは避けよう。ベタベタになってしまう。 乾いた部分にだけ、少量のオイルをつけるようにしよう。

    グローブを柔らかくするためにシェービングクリームをつけるのは避けること。 かつては一般的なお手入れ方法だったが、最近のシェービングクリームにはラノリンオイルという成分が含まれており、これがグローブの乾燥の主な原因となってしまう可能性がある。

文:グレッグ・プレスト

公開日:2022年8月24日