ランニングシューズはどのくらいの頻度で買い替えるべきか?
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けがを防ぎ、パフォーマンスを向上させるために、ランニングシューズを買い替えるタイミングをチェックしよう。 シューズのダメージの兆しの見分け方と寿命の延ばし方について、専門家が伝授。
たとえ世界最高峰の耐久性を誇るランニングシューズであっても、走行距離が増えていけばいつかは寿命を迎える。 多くの専門家は、走行距離が約500〜800kmに達した時点でランニングシューズを交換するよう推奨している。 しかし、これはかなり幅のある目安だ。 結局、ランニングシューズはどのくらいの頻度で買い替えればよいのだろうか?
それについて厳格なルールはない。
ランニングシューズの寿命は、走る場所、距離、頻度などによって変わってくるからだ。 重要なのは、常にシューズを観察し、シューズに対する体の反応に注意を払うこと。 ソールがすり減っていたり、つま先にマメができるようになったりしたら、そのシューズは引退の潮時かもしれない。
ランニングシューズの走行距離は?
ランニングシューズを買い替える頻度は、ランナーのタイプやトレーニング方法によって異なる。 今回は紹介するのは、Nikeランニングコーチが交換の目安として参考にしているシンプルな判断基準だ。
週に走る距離が約16km未満の軽めに走るランナーであれば、一般的に8〜12か月程度は同じランニングシューズを問題なく使い続けられる。5kmや10kmのレースに向けてトレーニングしている人なら、週に約16~32kmは走ると仮定されるため、シューズの寿命は5~8か月になる。 ハーフマラソンのランナーは通常、週に約32〜64km走るため、シューズの交換はもっと頻繁に、4〜6か月ごとに行うことが推奨される。 最後に、毎週トレーニングで約64km以上走る熱心なマラソンランナーについては、シューズはすぐに摩耗するため、およそ2〜3か月ごとに交換して足をケアする必要がある。
シューズの寿命を左右する要素
シューズの寿命はすべて同じというわけではない。 シューズにかかる費用をより正確に予測できるようになるためには、以下の点を考慮するとよいだろう。
- シューズの品質:優れたランニングシューズには、軽量性、耐久性、クッション性、通気性、反発力を追求した高性能素材が使われている。 毎日ランニングをするなら、作りの良さは絶対に外せないポイントだ。
- ランニングコースの路面:あなたは舗装路、トレイル、トラック、どこを走るだろうか? 走る場所は、シューズの寿命に大きく影響する。たとえばトレイルランニングシューズは、舗装路では劣化が早まる可能性がある。 シューズの使用方法についてしっかり調べておこう。
- ランニングスタイル:自分のランニングスタイルを理解し、それに応じて見通しを調整しよう。 一般的に、プロネーションが強いとシューズの摩耗や損傷は大きくなる。
- 体格:平均的なランナーよりも体が大きい場合は、普通のランナーと比べてランニングシューズの消耗も早い傾向がある。
- 量と距離:毎日走る人は、週に1回ジョギングする人よりも頻繁に新しいシューズが必要になる。
(関連記事:毎日走るメリットとデメリット)
ランニングシューズの買い替え時期を告げる5つのサイン
1. 靴底がすり減っている
アウトソール(底部)と側面をちらっと見ただけで、新しいランニングシューズに買い替えるタイミングがわかることがある。 トレッドが摩耗、損傷するのは当然だが、アウトソールは通常、摩耗に最後まで耐えるパーツだ。 左右のシューズで摩耗の度合いが異なると、走るときの足運びがアンバランスになったり、歩幅が変わってしまったりすることもある。 その結果、不快感や痛み、あるいはもっと重大なけがにつながる可能性がある。
2. ぺたんと潰れた感触のクッショニング
ランニングシューズのミッドソールは、衝撃を吸収する構造になっている。 歩数が増えるうちにミッドソールのフォームの素材は平らになり、圧縮されていく。そのため衝撃吸収力が弱まり、関節への負荷が増える可能性がある。 シューズのクッショニングを指で押して、テストしてみよう。 硬く、平らで、弾力性がないと感じる場合は、サポート性が不十分なので新しいシューズに交換するタイミングだ。
3. そのシューズを長い間所有している
いつも走っているが走行距離を記録していないランナーの場合は、シューズの交換時期を知るために最も役立つのは使用期間かもしれない。 ランニングシューズは通常、3か月から1年で寿命を迎える。軽めに走るランナーであれば長く使えるし、長距離レースに向けてトレーニングに励むランナーであればシューズの寿命は短くなる。 トレーニングの量にかかわらず、数か月前からランニングシューズを日常的に履いている人は、買い替えが必要かもしれない。
4. 足や関節が痛い
ランニングシューズの交換時期に関する特に重要なサインの1つは、シューズ自体の問題ではなく、体に対する影響だ。 足首、膝、股関節、腰、首などの関節で予期せぬ痛みが発生している場合は、すり減ったシューズのせいで姿勢や走り方が変わっている可能性がある。 シューズが古くなってサポート性とクッション性が失われると、足がずれやすくなって摩擦が起こり、炎症やまめの原因となることもある。
5. ランニングが以前よりも辛いと感じる
シューズの履き心地が急に悪くなった、疲れやすくなった、いつもより痛みを感じる、慣れているはずのランニングが辛くなった。こうした状況に当てはまるなら注意が必要だ。 原因としては、睡眠パターンやトレーニング、食事の変化などが考えられる。 それはまた、それはランニングシューズの劣化の兆しでもある。 体からのメッセージに注意を払おう。古いシューズによって、身体能力が大きく阻害される可能性があるからだ。
その他の注意すべきサイン
- トレッドが摩耗し、ツルツルになったアウトソール:ランニングシューズにはグリップ性が必要。特に濡れた舗装路やトレイルの道では欠かせない。 アウトソールの凹凸がなくなると、滑りやすくなる。 普段ロードを走っている場合は、シューズの摩耗はさらに早まる可能性が高い。
- アッパーの劣化:シューズのアッパー部分が擦り切れたり破れたりしている場合は、新しいシューズに買い替えるタイミングだ。特にオフロードのコースで走る人は注意してほしい。
- ヒール内側の擦り切れ:ヒールとシューズ裏地の摩擦が大きいことを意味しており、シューズが適切にフィットしていない、または寿命を迎えている可能性が高い。
(関連記事:擦れ、マメなど、よくある問題を防ぐ方法)
古いシューズを履くのを辞めることが重要な理由
たとえ関節の痛みや不安定さをまだ経験していなくても、使い古したシューズで走るとオーバーユース(使いすぎ)のリスクが高まる。そしてランニングシューズは、足をサポートし、繰り返される衝撃に起因する力の一部を吸収するように設計されている。 その機能が働かなくなると、衝撃の多くが体を通して何度も何度も反響することになる。
一般的に、シューズだけではランニングによるけがの主要な原因とはならないが、Nikeの調査によると、不適切なシューズの着用は、その要因の1つにはなり得る。 たとえば、クッション性が失われると扁平足またはプロネーションを引き起こしやすくなり、足、足首、すねに負荷がかかる。 さらに、ソールのトレッドが失われると、転倒のリスクが高まる。特に雨などで濡れた路面や未舗装のコース、凍結した歩道を走るときには注意が必要だ。
(関連記事:避けるべきランナーによくある怪我)
ランニングシューズの寿命を延ばすためのヒント
ランニングシューズを長持ちさせたいなら、次のヒントを ぜひ参考にしてほしい。
- 2足以上のランニングシューズを使用する。 2足のランニングシューズを交互に履くことで、両方のシューズの寿命が2倍に延びるという効果がある。
- ランニングシューズはランニング専用にする。 ランニングシューズをワークアウトやカジュアルウェアの用途で使うのは避けよう。 古くなったシューズを予備として車に置いておけば、ちょっとした用事や日常的な作業で履きつぶさずに済む。
- 正しく保管する。 湿気によるダメージから守るために、涼しく乾燥した場所に保管すること。
- シューズをきれいな状態に保つ。 泥や汚れは、摩耗や損傷を早める。 ランニングシューズのクリーニング方法に関するガイドに従おう。
- よく走る路面に適したシューズを選ぶ。 ロード用シューズはロード(舗装路)で、トレイル用シューズはトレイルで履こう。
- 必ずシューレースをほどき、結ぶ。 最初にシューレースを緩めたり結んだりする作業を省略して無理やり着脱しないこと。この乱暴な動作によってヒール部分が潰れ、アッパーが伸びてしまう。
編集者 注:キャロル・マック(理学療法博士、 ストレングスコンディショニング認定スペシャリスト)とジェイソン・マホフスキー(ストレングスコンディショニング認定スペシャリスト)の、専門家としての知見と本記事への協力に対して深く感謝します。